那須川天心、異例の“セミファイナル”抜擢で高まる期待と「業界内の本当の評価」
#ボクシング #那須川天心
プロボクシング・那須川天心のデビュー2戦目が18日、Amazon Prime Videoでライブ配信される。この日、配信が予定されているのは世界タイトルマッチ2試合を含む4試合だが、那須川の試合は世界2階級王者・中谷潤人の防衛戦を差し置いて、セミファイナルに抜擢されることが発表されている。
通常、ボクシング興行のカード順は人気面よりも実績が重視されるケースが多く、世界王者のあとにデビュー2戦目の新人カードが組まれる今回は、異例の抜擢といえるだろう。
「それだけ、Amazon側の那須川に対する期待値が高いということですよ。デビュー戦も同じくAmazonでライブ配信されましたが、その際は那須川の登場は世界戦2試合より前でした。配信は視聴者数が正確に測れますから、前回の結果を受けての抜擢ということでしょう」(ボクシングジム関係者)
今回の那須川の相手となるのは、現役メキシコ国内王者のルイス・グスマンという選手。階級こそ現在の那須川の1つ下となるバンタム級だが、プロボクシングでの実績は十分。プロ2戦目の那須川にとっては、ハードなマッチメイクといえるだろう。
デビュー戦では日本国内ランカーを完全に翻弄して勝ち切った那須川だが、スピード差のある相手をノックアウトできなかったことでファンの間でも評価が分かれることになり、特にパンチ力を疑問視する声も少なくない。
では実際に、プロボクシング業界内での那須川の評価はどんなものなのだろうか。
「実は、デビューするまで那須川のキックの試合を見たことがなかった関係者も少なくないんですよ。ボクシング業界はある意味閉鎖的で、ボクシング以外に興味がない人が多い。そうした“初見”の関係者のデビュー戦の評価はといえば、『驚がくした』という声がほとんどでしたね。『こんなにすごいのか』と。体のスピードはもちろんですが、バランス、ステップ、見切り、当て勘といった要素で『異次元』と評する声もありました」(同)
現在、日本国内で世界タイトルを保持している男性ボクサーは7人。そのうち、階級的に那須川と近いのが、バンタム級の井上拓真と、その兄でスーパーバンタム級2団体を制している井上尚弥だ。彼らと比較しても、遜色ない実力だと言えるのだろうか。
「拓真となら、あと数試合後にやってもそれなりの試合になるんじゃないでしょうか。それくらい那須川のポテンシャルに対する評価は高いし、関係者の期待も一気に膨れ上がっていますよ。日本王者クラスのボクサーからも那須川の動きは勉強になるといった声を聞きましたし、実際、脅威に感じている現役選手もたくさんいます。尚弥は、まあ、ちょっと話が違うというか、比較できる選手なんて世界中のどこにもいませんからね……」(同)
一般ファンから関係者まで、大いに注目を集める那須川。18日のリングでは、どんな試合を見せてくれるだろうか。
(文=新越谷ノリヲ)
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