佐久間宣行&オークラが審査! 新設賞レース『UNDER25』の革新性
#佐久間宣行 #TPの芸人礼賛
――お笑い大好きプロデューサー・高橋雄作(TP)が見た、芸人たちの“実像”をつづる。今回は、9月16日に決勝が行われる賞レース『UNDER 25 OWARAI CHAMPIONSHIP』によせて。
今年新設された25歳以下限定のお笑い賞レース『UNDER 25 OWARAI CHAMPIONSHIP』(以下、『UNDER25』)の決勝戦が9月16日に東京・草月ホールにて行われる。MCは三四郎、審査員はテレビプロデューサーの佐久間宣行氏、作家のオークラ氏など豪華メンバー。チケットはすでに完売しており大注目のお笑いイベントだ。
『UNDER25』は、総エントリー数1004組、優勝者には『オールナイトニッポン0ZERO)』の単発パーソナリティ権が与えられるなど特典も豪華だ。僕は運良くこの賞レースの1次予選から準決勝までの審査員を務めさせてもらった。「賞レースに裏方として関わる」という1つの目標が叶って本当に嬉しかったし、将来有望な若い芸人さんのネタをたくさん見ることができてありがたすぎた。本当に面白くて素敵な大会だと思ったので、僕なりに感じたことを共有したい。
・知らないって最強
25歳以下という年齢制限があるゆえ、客も審査員も、ほかの賞レースに比べて圧倒的に出場者のことを「知らない」。知らないことを楽しめるというのは、コンテンツ供給過多のエンタメ界においてとてもリッチな経験だと思う。この大会のキャッチフレーズのとおり「知らないって最強」なのだ。
いちばん顕著だったのは、舞台上の2人が面白いやりとりをしていると、後から3人目が出てくるという「トリオだったんかい」パターンだ。こちとらその芸人さんが何人組か知らないから、不意を突かれてめちゃくちゃ笑ってしまう。
・“参考にするモノ”の新しさ
創作活動のほとんどは「真似」から入るし、お笑いの場合も先輩たちの漫才やコントを参考にしてネタを作るのが基本だと思う。『UNDER25』出場者は、その参考にするモノがかなり新しいと思った。売れっ子芸人のネタを参考にしている人たちもいたが、例えば「TikTok」を見ているかのようなリズム感で進む音ネタや、YouTubeの「カット編集」のようなテンポで会話が成立していく漫才、スクリーンに投影した映像と自分の動きをリンクさせた「プロジェクションマッピング」のような手法を取り入れる1人コントなど、従来の“型”にとらわれない豊かな発想をたくさん見ることができた。
・若さあふれる振る舞い
結成16年以上の漫才師による大会『THE SECOND』では、みんな涙もろくてすぐ泣いてしまう「中年ならではの振る舞い」が話題となったが、『UNDER25』では逆に「若さあふれる振る舞い」をたくさん見ることができた。
緊張でセリフが飛んでしまう芸人さんも数多くいたし、それをうまくリカバリーすることができず、ネタの途中で舞台袖に引っ込んでしまう芸人さんもいた。僕は大学1年のとき『M-1グランプリ』1回戦の出番ギリギリになって怖くなって棄権したことがあるからそれの何十倍もマシ、舞台に立つだけ偉いと思う。
また、準決勝で敗退してしまったある芸人さんが、よほど悔しかったのか、全員集合のエンディング前に帰ってしまうというハプニングもあった。普通なら怒られるところだが審査員もスタッフもみんな「若くていいねぇ」となっていた。手放しに褒められるべき行動ではないかもしれないが、この大会ならではだと思った。
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