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TVerドラマ人気ランキング

『夏シン』2位再浮上、『潜入捜査官 松下洸平』ランクイン…TVerドラマ人気ランキング

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『潜入捜査官 松下洸平』ドラマ公式サイトより

 在京民放キー局5社を中心として2015年10月に始まったTVer。参加局、取り扱う番組も増え、2023年5月には月間動画再生数が3億5877回と過去最高を更新し、7月にはTVer単体の月間アクティブユーザー数(MAU)も2830万の過去最高記録に達するなど、もはや定番のサービスとなった。今や「見逃し配信」は当たり前となったが、やはりTVerではドラマが圧倒的に見られており、ドラマの見逃し配信需要がこのサービスを牽引していると言えるだろう。

 しかしTVerにおける再生回数は基本的に非公表で、期ごとの番組再生数ランキングなどで一部が明らかになるか、あるいは新記録を打ち立てた時などに番組側が発表する程度。そのため、視聴率をもって番組が語られてしまう状況が長らく続いている。

 そこで、TVer再生数ランキングの総合ランキングを定点観測することで、視聴率とは違ったドラマ人気をある程度は可視化できるのではないか、と考えたのが本企画だ。総合ランキングでの順位に対しポイントを付け、合計した結果から日刊サイゾー独自の「TVerドラマ人気ランキング」をご用意した。今週は9月2日(土)~9月8日(金)までを観測(1日2回、決まった時間にTVer総合ランキングをチェック)した結果をお伝えする。

『真夏のシンデレラ』が2位に返り咲き、『ハヤブサ消防団』は失速

 今回の結果は以下のとおり。

『真夏のシンデレラ』2位再浮上、『潜入捜査官 松下洸平』ランクイン…TVerドラマ人気ランキングの画像2

 前週は『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』や『何曜日に生まれたの』『シッコウ!!~犬と私と執行官~』が放送休止となったが、まだその余波が続く今週。変わらず独走しているのがTBS系日曜劇場『VIVANT(ヴィヴァン)』で、7週連続で1位となった。「重大発表がある」との予告効果か、3日放送の第9話の世帯視聴率も14.9%と自己最高を更新。覇権ドラマの地位は変わらないだろうが、TVerでは少し勢いが弱まってきた印象なのが気になる。TVer再生数ランキングでは、これまで総合で最低でも8位という強さを見せており、先週は最低7位と勢いがあったのだが、今週は最低10位までダウン。次週集計ぶんになるが、9日0時時点では順位を13位まで落としているのだ。第8話は、テント側の内情がある程度明らかになったものの、ストーリー的にあまり前進していないためリピーターがいつもより減ったか。10日は「VIVANT祭り」として、19時から緊急生放送の150分SP、21時半から第9話の79分SPとてんこ盛りだが、これが功を奏すか、それともトゥーマッチとなるのか。

 今週2位はフジ月9『真夏のシンデレラ』がふたたび返り咲き。他作品が大きくポイントを落とすなか、『真夏のシンデレラ』は下げ幅が小さく、安定感がある。ベタな恋愛ドラマ“あるある”が繰り返される一方で、唐突なストーリー展開による“読めなさ”が視聴者を離さないのだろうか。

 第3位は、先週2位まで上昇したテレビ朝日系木曜ドラマ『ハヤブサ消防団』。放火犯が明らかになり、いよいよストーリーは大詰めだが、ある程度の謎が解明された影響か、それとも好評な消防団の面々から死者が出てしまったためか、前週比49ポイントダウンに。いつもどおりTVer再生数ランキングで総合1位をしっかり取っているものの、前週は最低順位が13位だったのに対し、今週は20位までダウン。総合トップ10の滞在期間も1日減少するなど、勢いに衰えがある。14日放送の第9話で最終回となるが、どこまで盛り返せるか。

 その『ハヤブサ消防団』とわずか1ポイント差で4位となったのが日本テレビ系土曜ドラマ『最高の教師』。先週は『24時間テレビ』により放送休止となり、12位までダウン。休止期間も配信限定でディレクターズカット版を公開していたためTVer再生数ランキングで総合圏外になることはなかったものの、前週の放送休止の余波は大きく、通常なら放送直前には(見逃し配信の終了間際の駆け足需要で)総合トップ15に入るものだが、今週はトップ30に入るのがやっとという調子だったからだ。次週からは通常どおりに戻るとみられ、トップ3へと返り咲きとなりそうだ。

TVer初のオリジナルドラマ『潜入捜査官 松下洸平』がランクイン

 全体的にポイントを落としている中、気になったのが日本テレビ系日曜ドラマ『CODE-願いの代償-』。7月2日に初回とひと足先に放送スタートとなっていたため、9月4日に早くも最終回を迎えたが、ポイントが伸びることなく、むしろ前週比28ポイントダウンとなり、ギリギリ6位タイとなった。まさかの黒幕の正体や、「何もかも終わった」はずがラスト1分でそうではなかったと思わせるエンディングが賛否を呼んだか。

 ポイントダウンというところでは、日本テレビ系水曜ドラマ『こっち向いてよ向井くん』の不調も気がかり。前週比47ポイントダウンで初めて200ポイントを切り、先週7位から今週9位となった。今週はTVer再生数ランキングで総合1位を取れず、さらに総合トップ10滞在期間も減少。最低順位も前週は21位だったものの、今週は26位までダウンとなった。長らく引っ張った元カノへの未練にようやく決着がつき、いよいよ波瑠との関係にフォーカスされることになったが、元カノ編があまり好評ではなかった印象だ。13日でいよいよ最終回だが、原作の連載がまだ続いているだけに、注目を集めるだろうか。

 概ねトップ15の顔ぶれが固まっていたが、今週15位には新たにTVerオリジナルドラマ『潜入捜査官 松下洸平』がランクイン。松下洸平が本人役を演じ、俳優・松下洸平は実は警察官で、メキシコマフィアの幹部との疑いのある佐藤浩市に接近するため芸能界に潜入した……という設定のコメディで、固有名詞もバンバン飛び出す。松下がブレイクまでに時間を要した苦労人であることを逆手に、ドラマでは、俳優として売れないほうが潜入捜査官として活動しやすくありがたかったのだが、『スカーレット』出演で思わぬ売れっ子になってしまい、俳優なのにバラエティ出演までさせられて不満をこぼすなど、メタ的な笑いやネタが詰まっている作品だ。

 さらにおもしろいのは、第1話は日テレ『ぐるぐるナインティナイン』、第2話はフジ『全力脱力タイムズ』、第3話はテレ朝『あざとくて何が悪いの?』とコラボするなど、民放5局の協力のもと制作されており、これは横断型のサービスであるTVerならではといえる。ナイナイ、有田哲平、田中みな実らだけでなく、佐藤浩市、古田新太、天海祐希(第1話ゲスト)、馬場ふみかなどが本人役で登場しているのも興味深い。またコラボ先はいずれも実際に松下が出演した番組で、バラエティ収録と同時にドラマ撮影をしているのだが、松下が出たまさにその回の『全力脱力タイムズ』などが再配信されているという連動がなされているのも抜かりない。火・金に新エピソードが配信されるが、9月5日(火)から始まったばかりなので、土曜から金曜までを集計する本人気ランキングの性質上、今週はまだ7日間のフル集計となっておらず、次週はさらに順位を上げそうだ。TVer初のオリジナルドラマの試み、来週も注視したい。

〈前回のランキングはこちら〉

新城優征(ライター)

ドラマ・映画好きの男性ライター。俳優インタビュー、Netflix配信の海外ドラマの取材経験などもあり。

しんじょうゆうせい

最終更新:2023/09/09 11:00
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