やっぱりジャニーズ騒動を意識? 『すばせか』今度は「副社長が独立」展開
#ドラマ #この素晴らしき世界
西村まさ彦が演じる役のモデルはあの副社長なのか?
若村麻由美主演のフジテレビ系木曜劇場『この素晴らしき世界』が現実と奇妙なリンクを見せているとして一部で注目を集めている。
このドラマは、「どこにでもいる平凡な主婦」浜岡妙子(若村麻由美)が主人公。モラハラ気味の夫・陽一(マキタスポーツ)との離婚を考えていたところに、芸能事務所「プロダクション曼珠沙華」の西條隼人(時任勇気)から突然声をかけられる。同事務所の看板女優・若菜絹代(若村麻由美:二役)が反社会的勢力の人間と密会している写真が週刊誌に掲載されてしまい、その謝罪会見を開こうと思った矢先、絹代が国外へ失踪してしまい、西條は顔だけでなく声までもがそっくりな妙子に替え玉を依頼。高額の謝礼に釣られ、妙子は絹代になりきって会見に出席する……というところから始まる内容だ。
妙子は事務所に頼まれるがまま、ズルズルと替え玉を続けるのだが、しかし「家では夫と冷め切った関係を送っている主婦・浜岡妙子が、ある日を境に大女優・絹代としてなりすまし生活を送る姿をコミカルに描く“なりすましコメディー”」という謳い文句とは違い、妙子が大女優になりすます展開は前半で概ね終了。ストーリーは、夫・陽一の職場のパラハラ問題や、息子のあきら(中川大輔)と学生起業家・蛍(永瀬莉子)の関係、プロダクション曼珠沙華の二代目社長・莉湖(木村佳乃)と娘の関係、曼珠沙華の社員・櫻井(葉月ひとみ)の自殺未遂騒動などなど、さまざまなエピソードがオムニバス的に同時並行で描かれつつ、後半からは曼珠沙華をめぐる“芸能界の闇”が本筋に。
櫻井は帝都テレビのディレクター・沖野島(吉田宗洋)からセクハラを受けており、仕事をもらうために我慢してきたが、ある日自殺未遂を起こし、事務所に責任があるとプロダクション曼珠沙華を訴えるべく弁護士を雇う。だが実は櫻井が本当に悩んでいたのは、別のことだった。沖野島は薬物を使ってスタッフなどの女性を襲う常習犯であり、6年前にある女性タレントがドラッグパーティで亡くなった事件も、表向きは所属事務所の不祥事として片付けられたが、実は沖野島が無理やり薬物を飲ませたことが原因で急死しており、沖野島の父親・晃三が帝都テレビに強い影響力を持つ有力者だったことで、沖野島の関与についてはもみ消されたのだった。そしてそのもみ消しに加担したのが、莉湖の実父であり、プロダクション曼珠沙華の先代社長かつ創業者である故・比嘉義太夫(藤波辰爾)。義太夫は、沖野島の父親の親友だったことから、“芸能界のドン”國東(堺正章)にもみ消しを依頼した……というストーリーが展開された。
「二代目女社長が過去のセクハラ問題に悩む」「被害者は仕事をもらう側の立場のため、告発しづらい構造」「すでに故人だが、先代社長の関与を認めると、事務所そのものが危うい」「業界の有力者による事件のもみ消し」などの要素から、ジャニーズ性加害問題と妙に符合しているとの指摘が上がっている。
「しかも二代目女社長を演じるのが木村佳乃ですから、なんとも皮肉です。第8話の放送があった9月7日は奇しくもジャニーズ事務所の記者会見が合った日で、藤島ジュリー景子氏が退任し、木村の夫である東山紀之が新社長に就任しましたからね」(芸能記者)
さらに第8話の内容は、視聴者に余計にジャニーズ騒動を想起させるものでもあった。
「第7話で木村演じる莉湖は、父親の殺人事件のもみ消しに加担していた事実を知り、『逃げるわけにはいかない』と事務所を畳む覚悟で沖野島を訴える決意を固めるものの、副社長の安原(西村まさ彦)が現れ、自分は新会社を立ち上げて独立し、プロダクション曼珠沙華のタレントと従業員を移籍させると宣言。櫻井の訴訟で莫大な示談金が予想され、プロダクション曼珠沙華の経営は沈むと予想したからと言い放ちますが、実は副社長は沖野島の6年前の事件の真相を知っており、櫻井の事件が大ごとになると先代社長のもみ消し関与が露見する可能性を危惧していた。この動きはまるで、ジャニーズ事務所の副社長だった滝沢秀明氏のようだと注目されました。今年3月にジャニーズ事務所創業者の性加害疑惑を特集した英BBCがジャニーズ側に取材を打診したのは昨年の8月18日で、ジュリー氏が取材を断ったのが9月8日。そこから1週間ほどで滝沢氏は辞任と退社の意向を表明したとされ、10月いっぱいでジャニーズを去りました。そのため滝沢氏には、創業者の性加害疑惑が大問題になると踏んで独立しようとしたのではとの見方が一部であるんです。もっとも、新事務所関連のドメイン取得時期からして、7月には独立の準備を進めていたと見られていますが」(同)
西村まさ彦演じる副社長の安原は、滝沢氏ではない別の人物を思わせる部分もあるという。
「5日付でジャニーズ事務所副社長を退任した白波瀬傑氏ですね。先代社長の時代から事務所の広報担当を務めており、メディア対応として“アメとムチ”で圧力を掛けていた主要人物の一人といわれています。ドラマの安原も先代社長の頃から勤める古参幹部で、櫻井の自殺未遂の原因に沖野島が関わっていたことから早くから事態収束を図ったり、看板女優・絹代のスキャンダルが報じられ『何が何でも謝罪会見を』とつぶやくシーンもあるなどスキャンダル対応が目立ちます。莉湖たちによる告発を潰すためにテレビ局を利用する老獪な手口も印象的でしたね」(同)
90年代から業界に身を置くフジテレビの鈴木吉弘プロデューサーが自ら書き下ろした脚本というだけあって(「烏丸マル太」名義)、マネージャーによるパワハラまがいのタレント酷使、“芸能界のドン”の意向による交際カップルの破局、タレントが反社会的勢力との写真を撮られるスキャンダルなど、芸能界の描き方に妙なリアリティがあるとの声も上がっている。
「第8話はちょうどジャニーズ事務所の記者会見があった日ということもあり、木村演じる莉湖のセリフをどうしても現実と重ねて見てしまう人は多かったようですね。特に、一度は告発を諦めた莉湖がふたたび覚悟を決めた際、『私は会社を守らなくちゃいけない。でもそれ以上に若い人たちの未来のためにやらなくちゃいけないことがある』と語るセリフは、これこそ記者会見で聞きたかった言葉だという声も上がりました」(同)
14日放送の最終回を前に、ようやく「なりすましコメディー」という設定が生きる展開となりそうだが、はたして最後は告発が無事に成功してめでたしめでたしとなるのか、それともそう簡単に芸能界は変わらないというビターな結末となるのだろうか。
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