フジテレビ『突然ですが占ってもいいですか?』をゴールデン昇格も…コンプラ大丈夫?
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フジテレビは9月4日、10月期の編成説明会を開き、『突然ですが占ってもいいですか?』が毎週火曜午後8時の枠に移動すると発表。同番組初のゴールデンタイム枠進出となる。
同番組は、2020年1月に深夜帯でのパイロット版が放送され、2020年4月から毎週水曜午後10時の1時間枠でレギュラー放送がスタート。2022年4月からは毎週月曜午後11時からの40分枠に“降格”となったものの、この10月にゴールデンタイム1時間枠に昇格する。
人気の俳優、タレント、スポーツ選手などのもとに有名占い師が出向き、そこで占っているVTRを水野美紀、沢村一樹、池田美優(みちょぱ)の3人がスタジオで見届けるという内容。おおよそのバックボーンがわかる有名人に対する占いということで人気が出たのは事実だが、実は批判的な声も少なくない。
「コンプライアンス遵守の流れの中では、確証のない情報を発信して、危険や恐怖を煽るような内容の番組は避けられる傾向にあります。実際今はオカルト、心霊、超能力などの非科学的なテーマの番組が激減しており、占いについても同様。
“運気”がどうのこうのなんていう、科学的根拠がまったくない話をしたり、“このままだと不幸になりますよ”などと不安を植え付けたりする番組は、かなり危うい。制作側にとっても、深夜番組で、煽らないならギリギリいいか、ぐらいのテンションです。そういう意味で、ここにきてゴールデン昇格というのは驚く部分もありますね」(制作会社スタッフ)
過去には占いを悪用する詐欺事件も発生しており、この『突然ですが占ってもいいですか?』がそういった犯罪を助長する可能性も否定できない。そういった危険を含む番組をゴールデンタイムに押し上げるとは――。あるテレビ局関係者は、こう話す。
「最近の同番組を見ていると、未来について占うというよりも、基本的には出演するタレントのプライベートの様子や過去の言動などにスポットを当て、そのうえで、占い師がなんらかのアドバイスをするというパターンになっている。
過剰に断定的にならないようにしている部分が見え隠れしますし、制作サイドもそのあたりは相当配慮しているのでしょう。“占い師が言い当てる”というより、“番組スタッフがよくリサーチしたな”というエピソードも多い。事実上、占い番組というよりも、人生相談番組に近いと思います」
つまり「占い」を軸にしつつも、実際には有名タレントによる“トークバラエティー”のスタイルとなっているわけだ。このスタイルで、フジテレビには大きなメリットもあるという。
「現在出演するゲストは、映画やドラマなどの宣伝をするケースがほとんど。だからこそ、有名なタレントも多く出演する。宣伝を名目にしても人気タレントが多く出演してくれれば視聴率につながるし、そこでの発言がネットニュースに取り上げられることも見込める。
番組としてありがたい要素が多いうえに、フジテレビとしても重要な宣伝ツールになるわけで、メリットだらけということですね」(同)
宣伝のために人気タレントが出演し、人生相談をするというフォーマットは、日本テレビ系『行列のできる相談所』を想起させる。
「『行列』はスタジオにレギュラー陣とゲストを呼んで収録し、再現VTRやロケVTRの企画も多い。それなりにお金も時間もかかっている番組なんです。
一方の『突然ですが占ってもいいですか?』は、基本的に人気ゲストがいる場所に占い師が出向いて、そこでVTRを収録し、それをスタジオのレギュラー陣が見るというスタイル。ゲストのスケジュール調整も比較的ラクだし、VTRの編集も簡単。『行列』に比べるとかなり低コストに抑えられています。
豪華なゲストも呼べて、宣伝もできて、お金もあまりかからない。フジテレビとしてはこんなに効率的な番組はない。コンプライアンス的には多少問題を含んでいるにも関わらず、ゴールデンタイムに昇格させたというのは、それだけ“おいしい番組”だからです」(同)
有名俳優のなかには、番宣でクイズ番組に出演するのはNGだというケースも少なくないが、『突然ですが占ってもいいですか?』のようなトーク番組なら他のタレントと絡むこともなく、ただ占いをされるだけ。俳優たちにとっても、出演しやすい番組なのだ。
とはいえ、出演するゲストによって視聴率が大きく変化するのは間違いなく、単純な企画だけで押し通していくのは簡単ではない。ゴールデン昇格後は、番組の方向性がどう変わっていくのかも注目していきたい。
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