「おるたなchannel」渋谷ジャパンと結婚したインフルエンサー・佐藤雅美の熱い素顔
#YouTuber #檜山豊
昨年6月にYouTube日本語版は15周年を迎えた。今やYouTuberという職業も世間的に浸透し、『将来つきたい職業』ランキングでは常に上位になり、「好きなことで生きていく」というその生き方自体が憧れの存在になった。先駆者でもあり、いまでも第一線で活躍するHIKAKINさんなどは、テレビタレント以上に影響力を持ち、YouTuberの価値を揺るぎないものにしている。
YouTuberと言えばいつまでも子供心を持ち、様々なことに挑戦し続けている姿を見ていると、年齢不詳でどことなく幼そうなイメージを抱いてしまうが、そんなことはなく、十分立派な大人なのだ。
登録者800万人越えでギネス記録を2つ保有している6人組男性YouTuber「フィッシャーズ」のリーダー「シルクロード」さんは今年5月に、同じYouTuberである元「ヴァンゆんちゃんねる」現「ゆんちゃんねる」のゆんさんとの結婚を発表。これにより「フィッシャーズ」のメンバーの半数は妻帯者となった。
他にも同じくグループYouTuberの先駆けであり登録者694万人で総再生回数が100億回を突破した「東海オンエア」のリーダー「てつや」さんも昨年、元AKB48の峯岸みなみさんとの結婚を発表。つい先日も女性3人組YouTuber「ヘラヘラ三銃士」の「まりな」さんが一般男性との結婚を発表するなど、とにかく有名YouTuber達が続々と結婚を発表しているのだ。
そんな中、今回はある一組の結婚を取り上げたいと思う。それは登録者263万人、長年YouTube界を盛り上げているパイオニア的存在「おるたなchannel」の「渋谷ジャパン」さんの結婚だ。「おるたなchannel」さんは、結成当時は「ないとー」さんと「渋谷ジャパン」さんの2人組だったが、現在は兄弟YouTuber「ノージャンク」、大食いYouTuberの「おっくん」さらには「ないとー」さんの実の弟である「ともき」さんを加えた6人体制で活躍しており、「1000℃の鉄球」シリーズを始め、駅や水族館を貸し切ってかくれんぼや脱出ゲームをやる「〇〇貸し切りシリーズ」、「変なもの10個シリーズ」など、YouTubeの原点のような企画を貫いているグループだ。
そんな「おるたなchannel」の初期メンバー「渋谷ジャパン」さんが結成10年目の節目となる今年、7月30日に自身のYouTubeチャンネルを更新し、結婚を発表したのだ。お相手はインフルエンサーの「佐藤雅美」さん。佐藤さんはタレント、MC、女優などマルチに活動し、現在はパチンコやパチスロの仕事をメインで行っているフリーランスの方だ。
今回なぜこのお二人の結婚を取り上げたかというと、実はこの「佐藤雅美」は僕の主宰している劇団「teamGINKURA(チームギンクラ)」の劇団員なのである。コロナの影響によりほとんど活動していないので、今は劇団として成り立っていないが、辞めていないのでかろうじて劇団員で、まぎれもなく旧知の仲なのだ。
佐藤はうちの劇団の初期メンバーで、彼女がいなければ劇団として成り立たなかったのは間違いなく、劇団を支え続けてくれた人物である。仕事の面ではしっかりしているのだが、仕事外の部分ではところどころ抜けているところがあり、彼女がこぼしたコーヒーの量は間違いなく10リットルは越えるだろう。
佐藤との出会いは今から約10年前、劇団旗揚げまで遡る。当時の佐藤はそこまでメディア等での活動はしておらず、舞台も数えるほどしか出演していなかった。しかしチームギンクラの初期メンバーであり、旗揚げに対しては僕よりも情熱を持ち、命がけで劇団を支えてくれた。
ほぼ素人たちが集まった劇団だったので、チケット自体も売れるかどうか不安な状況だったのだが、佐藤は誰よりも努力し、そして誰よりも多くチケットを販売してくれた。さらに「次の公演はどうするか?」「次の劇場はどこにするか?」「何人ぐらいのキャパなら埋められるか?」「どのようなペースで舞台をするか?」などプロデューサーとしての役割も担ってくれた。
彼女の先を見る目は正しく、時に主宰の僕とぶつかることもあったが、間違いなく彼女がいなければチームギンクラという劇団は11回も公演することは出来なかっただろう。
チームギンクラのターニングポイントは必ず佐藤が絡んでいた。大きなターニングポイントは2つあり一つ目は大きな舞台で芝居をやるということ。佐藤は誰よりも劇団員のことを考えており、素人同然のこのメンバーを、現状では立つことが出来ない大きな舞台で芝居をさせたいと結成当初から考えていた。
僕はどこか夢物語でその話を聞いていたのだが、5回目の本公演の際、僕たちはその夢を叶えることが出来たのだ。その場所は池袋にあるシアターグリーンという劇場にある最も大きな「BIG TREE THEATER」で、キャパは167席。もちろん帝国劇場などの大きな劇場に比べれば微々たるものだが、小劇場の中では圧倒的な大きさで、たった5人の小さな劇団からしたら途方もない席数なのだ。
もちろんその分、使用料も高い。だが佐藤はその劇場を押さえたのだ。これだけ聞くと無謀な感じがするかもしれないが、佐藤は小劇場の中では大きいと言われる劇場を人知れずチェックし続け、何かしらの事情により安くなった「BIG TREE THEATER」の使用料を見つけ、興奮気味で僕に報告してきたのだ。正直僕は値段ではなく、キャパ数が多い事により集客が困難になると想像でき、これは無謀な判断ではないかと佐藤に伝えた。すると佐藤はこんなチャンスは滅多にない。夢を叶えるのはこのタイミングしかなく、集客は死に物狂いでやります。だからお願いします。と懇願してきたのだ。
僕はその佐藤の熱意におされ承諾した。終演後には佐藤が言った通り満足いく作品になり集客もそれぞれの役者が新記録を出し、間違いなくチームギンクラの価値が高まる結果となったのだ。
そしてもう一つのターニングポイントは舞台美術だ。僕はお笑い出身なので、どうしてもセットを簡素にしがちだ。それはお客様の想像力の邪魔をしたくないからという理由。なので5回公演まではどちらかと言えば抽象的な舞台セットにしていたのだが、6回目の公演の際、佐藤が具体的なセットを組んだ方がいいと言い出したのだ。
これに関して僕はかなり抵抗感があり何度も佐藤と喧嘩同然の会議をした。僕的には具体的なセットを組まれてしまうと、場所に制限が出来てしまい、話が狭まることを恐れていたのだ。しかし佐藤的にはそれでも具体的なセットがあった方が劇団の見栄えが変わり、お客さんの満足度も必ず上がると言っていた。それでも僕は悩んでいたのだが、最後は佐藤の「チームギンクラがもう一段上に上がる為です」という言葉に背中を押され、初めて具体的なセットを組み、芝居をした。
正直台本を作成するのはいつも以上に困難だったが、こちらも結果として大成功した。僕の中でいまだに第6回公演「最初で最後の真夏のララバイ」を越える作品が出来ていない。
このように佐藤が見ている未来は無謀と思えるものでも、必ず叶えられると思っている未来であり、彼女の中には何かしらの確証があるのだろう。大きなものから小さなものまで数々の課題をクリアしてきた彼女だが、クリアした後は必ず命が削られたかのような表情を浮かべ、少し放心状態になる。しかしその眼には次の課題が見えているかのように目の奥に何かしら燃えているのだ。
とにかく佐藤には感謝しかなく、結婚発表の数時間前に直接、劇団のグループラインに結婚報告が来た際には自分のことのように喜んだ。今まで人の幸せの為に動いてきた佐藤が、自分の幸せの為に動いたことが心底嬉しかったのだ。
佐藤はその見た目とは裏腹に若干気性が荒い。だがその気性も含め、佐藤の全てを受け入れてくれた渋谷ジャパンさんには本当に感謝している。たぶん渋谷ジャパンさんしか受け入れられないとすら思っている。
これからどんな未来が待ち受けているかはわからないが、佐藤が決断したことだ、間違いなく成功する道筋が見えているのだろう。
本当に結婚おめでとう。末永くお幸せに。
今回はかなり私的なコラムになってしまったことを、ここにお詫び申し上げます。次回からはまたお笑い関連のコラムを書いていきますので、引き続き応援よろしくお願いいたします。
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