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日本のお笑い、結局海外で受けている?『電波少年』なすびは映画に

ガラパゴスと呼ばれた日本のお笑いが続々海外へ!『電波少年』なすびは映画にの画像1
ビックスモールン 漫才協会 公式サイトより

 夏の風物詩のひとつ『24時間テレビ46』(日本テレビ系)が8月26~27日に放送され、恒例のチャリティーマラソンをヒロミが走りぬき、フィナーレを飾った。

「愛は地球を救う」というテーマにちなんだ番組のアツイ想いに毎年、心揺さぶられる人も多いと思うが、同番組内のコーナー『笑点』で前座の演芸を披露したビックスモールンが、これまた今とてもホットなのをご存じだっただろうか。

 組んだ両手を大きく左右に振り「なりたいな! なりたいな!」という、かわいい掛け声からコンビ名の通り、各々の体格を活かした組体操のようなボディーアートを繰り出す。

 身長183センチの大きなゴンと156センチの小さなチロ、2019年に加わった161センチ真ん中サイズのグリの3人、キャッチ―な色違いのシマシマ服でお馴染み。

『笑点』でも本人たちが「売れたい!」と叫んでいたように、2001年に結成されてからテレビに出てはいるものの、大きなブームをまだ起こしてはいない。

 ところがどっこい、鉄板ネタのひとつである鳩時計はtiktok上で810万回も再生され、マネする人が続出しトレンドになったり、YouTubeでアップされるネタのショート動画は計20億回以上再生されていて、数字を見れば超売れっ子なのだ!

https://www.cyzo.com/2022/02/post_302894_entry.html

「実は海外で人気なんですよ。特にビックスモールンのチャンネル登録者の移住地はインドがダントツで、他アジア、日本は0.5%だそうです。アメリカや欧米でもネタをSNS上でコピーされたり、簡単に真似できるけどクリエイティブなボディーランゲージはわかりやすい笑いなので、言語の壁を越えどこの国でも刺さるし、老若男女にウケがいい。そもそもそれを見越して昔アメリカや中国でボディーアート研修をしたこともあるようで、タイミングが来たって感じですよね。当の本人たちは日本にいるから、売れてる実感がないだけでしょう」(芸能リポーター)

 世界一の人口を誇り2027年にはGDPも日本を抜く見通しのインドへ、ビックスモールンの3人が足を踏み入れれば、14億人に歓迎されるビックチャンスが直ぐそこに待っている。

 1度の勝負で大ブレイクの成功を掴み、勢いを失った芸人を一発屋芸人と称えることがあるが、世界規模で一発当てるとなると、やはり異次元だ。

 そんな夢物語を叶えられっこない、なんて思ったあなたは『PPAP』を覚えているだろうか。

 ヒョウ柄onヒョウ柄、強面で怪しいピコ太郎が2016年にYouTubeチャンネルに1本の動画をアップしたことから、始まった。

 外見と反してコミカルに「ペンパイナッポーアッポーペン」と歌って踊るその動画は、ジャスティン・ビーバーがお気に入りと紹介したことをきっかけに、瞬く間に日本を含む世界中で大ブームとなった。

 日本で活動しながら海外やSNSでバズりまくって、日本でも知名度を上げる、または再発掘される回帰芸人は意外に多い。

「Don’t worry. I’m wearing, Pants!」の決め台詞で英国中を熱狂させた、とにかく明るい安村改めTONIKAKUも記憶に新しい。英国のオーディション番組『ブリテンズ・ゴッド・タレント』で今年、決勝戦出演という日本人初の快挙を成し遂げた。

 2015年に日本ではユーキャン新語・流行語大賞において「安心してください、はいてますよ」がトップ10に選ばれるほど大ブームを起こしたが、その翌年に不倫が報じられ大ブーイングに。

 不遇の時代へ戻った安村だったが禁煙は『有吉の壁』(日本テレビ系)などへも出演し徐々に人気を取り戻しつつあった。そんな中で、英国へパンツ一丁で飛び込み輝きを取り戻し、ネタで大ウケをかました自信という土産と共に日本へ凱旋復帰を果たす。

 カルチャーショックも上手に使えば、斬新さというスパイスに早変わり。

 平成を代表するバラエティ番組のひとつ『進ぬ!電波少年』(日本テレビ系)の企画「電波少年的懸賞生活」で人気を博した芸人・なすびにフォーカスした英国制作ドキュメンタリー映画『The Contestant』が、今年9月に開催される第48回トロント国際映画祭でワールドプレミア上映されることになっている。

 当時、内容を知らされないまま番組のオーディションで無作為に選ばれたなすびは、目隠しされ何もないアパートの一室に全裸で閉じ込められ、当選総額が100万円に達するまで懸賞だけで生き延びる“監禁”生活を、本人は放送されることも知らずに1年以上送ることとなった。

 食品の懸賞が当たらず度々餓えの危機に瀕しドックフードを食べたり、髪や爪も切れず伸びっぱなし、歯ブラシやトイレットペーパー、パンツまでもはぎ取られ、全く安心できない人権無視の内容だったが、その斬新さとガチンコ具合が日本で大ウケだった。

 海外の人だけでなく、今の日本であっても実現不可能な極限のドキュメンタリーに値する衝撃だろう。

「24時間カメラが設置された小さな部屋に隔離され、劣悪で孤独な極限状態で過ごした日々は、なすびさんにとってかなりトラウマだそうで、懸賞のために日々何百枚もハガキを書いていたため、チャレンジ後はハガキをみると手が震えたり、人間不信にもなったといいます。放送当時もBBCなど海外メディアに取り上げられることがあって、放送後もなすびさんは直接取材を受けることもあったとか。ただやっぱり残酷すぎる内容ゆえ、他の文化圏からすれば、それを笑いの対象にしている日本はクレイジーと受け取られるでしょうし、批判的な目で番組内容を見る人も多いかと」(同・レポータ)

 現地で言語と作法を学ぶというクラシックなステップだけでなく、チャンスを掴む方法は沢山ありそうだ。

 渾身のネタで世界中の人々のハートを掴んでいくお笑い侍たちに、乾杯!

大沢野八千代(ジャーナリスト)

1983生まれ。大手エンタメ企業、出版社で勤務後、ネットソリューション企業に転職。PR案件などを手掛けている。KALDIフリーク。

おおさわのやちよ

最終更新:2023/09/02 08:00
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