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甲子園優勝でも賛否両論! 慶應OBのウザすぎる慶應愛にあの堺雅人もツッコんでいた

甲子園優勝でも賛否両論! 慶應OBのウザすぎる慶應愛にあの堺雅人もツッコんでいたの画像1
堺雅人(写真/GettyImagesより)

 慶應義塾高校の107年ぶりの優勝で幕を閉じた甲子園。「長髪」「美白王子」「エンジョイベースボール」などなど、従来の甲子園のイメージを覆す校風も手伝い、メディアでは慶應フィーバーが起きているが、選手たちの活躍ぶり以上に話題になっているのが、その応援だ。
 
 在校生や保護者のみならず大学OBなども大挙して押し寄せ、「若き血」を大合唱するなど、球場はほぼ慶應のホーム状態。対戦相手の仙台育英高校の監督や選手たちの声もかき消されるほどだった。その応援ぶりに、ネットでは試合中から「やりすぎ」「大人気ない」「仙台育英、かわいそう」など苦言を呈する声も多数上がった。
 
この熱狂的な応援の背景にあるのは、慶應閥の異常な絆の強さや組織力だ。
 
「OBの人数はライバルの早稲田の方が圧倒的に多いが、あそこまでの熱狂的な身内贔屓はない。ハンカチ王子の早稲田実業のときも早稲田OBや関係者の応援もここまでではなかった。慶應OBはウザいくらい慶應大好きな人が多いし、組織化されて今もすごく繋がりがつよい」(メディア関係者)
 
 実はこの慶應OBのウザすぎる慶應愛に、あの堺雅人もツッコミを入れていたことがある。
 
 堺雅人といえば、現在放送中のドラマ『VIVANT』でもタッグを組んでいる福澤克雄監督とタッグを組んだドラマ『半沢直樹』が有名だが、この“半沢直樹”について、2013年当時インタビューで、こんなふうに語っていたことがある。
 
「『半沢直樹』は、慶應出身の銀行員の活躍を慶應愛に溢れる人たちが嬉々として描いた物語なんだと思います(笑)」(『ゲーテ』)
 
 たしかに、主人公の半沢直樹をはじめ、及川光博演じる同期の渡真利や近藤も、慶應OBという設定。原作者の池井戸潤も慶應出身で、ディレクターの福澤克雄にいたっては幼稚舎から慶應で、慶応義塾の創立者である福澤諭吉の玄孫である。
 
 ドラマのなかでも、半沢は渡真利ら慶應大学の同期でたびたび飲みに行き、仕事でも組織の枠を越え協力し合う。卒業後もビジネス界でOB同士の結びつきが強く、“日本最強の門閥”ともいわれる慶應の校風が垣間みられた。
 
 また、半沢、渡真利が、TKO木下演じる慶應同期でライバル銀行の行員・油山との再会する場面では、「ヒヨウラ」=慶應大学日吉キャンパスの駅の反対側の商店街のこと“日吉の裏”の略、「トリセイ」=ヒヨウラにある居酒屋、「二郎」=三田キャンパスそばのラーメン屋、ラーメン二郎のこと、「大ダブルヤサイカラカラメ」=ラーメン二郎での注文の仕方で“ラーメン大盛り、チャーシュー大盛り、野菜多め、味辛め”の意……などなど慶応出身者ならではの細かすぎる“慶應あるある”までやたら披露されていた。
 
 しかし、「慶應愛に溢れる人たちが嬉々として描いた物語なんだと思います(笑)」という堺の言葉。どこか冷ややかな気もする。
 
 そう、堺雅人は、慶應の積年のライバルである早稲田大学出身。その堺から見ると、こうした表面的なネタだけでなく、内面的にも半沢直樹は典型的な慶應らしい男なのだという。
 
「自分が早稲田を代表するつもりはないんですが。自分の自意識を考えると、目立ちたいんだけど、わかりやすく目立ちたくなかったり、ちやほやされたいけど、そんなに表立ってちやほやしてほしくもないし、ちやほやされると逃げ出したくなる。まあ、少しというかかなり屈折した、わかりにくい自己顕示欲があるんです。そういった部分は自分でもちょっと持て余し気味(笑)。でも半沢には、それがない。“衒い”がないんです。僕の勝手なイメージだけど、早稲田には在野精神というか野党根性というか、ちょっとひねくれたところがある気がします。慶應は照れない。そう考えると、自分が慶應の人間を演じているというのは面白いですね」
 
 いろいろ考えてこんがらがってる早稲田男子に対し、慶應男子は何も考えてない、自意識がない、と。
 
 半沢を演じるに当たってほとんど役作りをしなかったという堺だが、役作りのために、なんと慶應義塾の創立者である福澤諭吉の著書『学問のすすめ』を読んだのだという。
 
「そこに書かれていたのが、人に言われた勉強をするんじゃなくて、自分が何を勉強するべきかを考えろということ。勉強の科目を教わるのではなく、何を勉強するかを自分で決めるというのは、慶應に脈々と受け継がれるゼネラリストの伝統。それがすごく面白いと思いました」
 
 堺が深いところで“慶應らしさ”を理解していたことが、『半沢直樹』の好演、大ヒットにつながっていたのかもしれない。
 
 しかも、福澤克雄監督の慶應愛は『半沢直樹』だけにとどまらず、同じ池井戸潤原作で阿部寛が主演を務めたドラマ『下町ロケット』でもダダ漏れ。慶應大学には宇宙工学科がないにも関わらず、主人公やJAXAをモデルにした組織に務める主人公の元妻が慶應大学理工学部出身という設定だったり、主人公の娘が物語のクライマックスで「わたしもロケット作りたい! 本気で慶應理工目指す!」と叫んだり、やたら慶應推しだったのだ。
 
 ここまで母校愛が滲み出るというのも珍しい話。そういえば、対戦相手の仙台育英と慶應のユニフォームが似ていると話題になったが、それも実は仙台育英の理事長が慶應出身で、母校への思い入れから母校のユニフォームにわざわざ寄せたものだという。
 
 ドラマの本筋とは関係ないのに、やたら「慶應」を連呼してしまう。自分が務める学校のユニフォームを、自分の母校・慶應に寄せてしまう。もちろん母校愛を持っている人は他にも多々いるだろうが、堺雅人が指摘していた通り、衒いがあって、こんなふうに臆面もなく母校愛を叫んでしまうということは他の学校ではなかなかないのではないか。
 
 このなんの臆面も恥じらいもないウザすぎる慶應愛を考えると、あの応援ぶりも然もありなん。
 
 堺雅人はこの慶應フィーバーに何を思っているのかと思っていたら、驚きの情報が浮上していた。福澤監督が今年1月に行われた母校関連のイベントで、“堺雅人から子どものお受験について相談され、紹介して学校に入れた”という趣旨の発言をしたと『女性自身』が報じているのだ。
 
 真偽のほどは定かではないが、もし本当なら、堺雅人もウザすぎる慶應愛についに取り込まれてしまったということになるのだろうか。

黒崎さとし(編集者・ライター)

1983年、茨城県生まれ。ライター・編集者。普段は某エンタメ企業に勤務してます。

Twitter:@kurosakisatoshi

くろさきさとし

最終更新:2023/08/27 13:00
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