豊洲vs月島、買うなら…!? 決め手は再開発状況と地盤?
#不動産投資 #東京これから買える街 #豊洲 #住吉
5.賃料の推移と募集件数
ここからは、各駅の賃料の推移と募集件数に関するデータを比較していきます。
●5-1.各駅の賃料推移
以下のグラフは、ライフルホームズが発表している賃貸マンションに関するデータを基に、直近5年間の『豊洲駅』と『月島駅』に関する賃料の推移を比較したものです。
データを確認すると、豊洲駅の標準的な物件の賃料は直近の3年間で7.81%程度上昇していることがわかります。
これは東京都の変動率である4.50%に比べてやや高めの水準です。
この3年間の賃料上昇率を内訳でみると、初年度1.53%、2年目3.74%、3年目2.54%となっています。
続いて月島駅の標準的な物件の賃料は、直近の3年間で3.39%程度上昇しています。こちらは、東京都の変動率と比べて同程度の水準です。
この3年間の賃料上昇率を内訳でみると、初年度-0.21%、2年目1.76%、3年目1.84%となっています。
●5-2.各駅の賃貸募集件数
続いて、不動産情報サイトのSUUMOに掲載されている、各駅から徒歩15分圏内の賃貸物件の募集件数を、一人暮らし(1R、1K、1DK、1LDK)、二人暮らし(1LDK~2LDK)、家族(3DK~)と、間取り、タイプ別に比較していきます。
2023年6月16日時点のデータを確認すると、一人、二人暮らし向けの物件は月島駅の方が多く、家族向けの物件は豊洲駅の方が多いということがわかります。
また、全体の募集件数は月島駅の方が628件多いという結果になりました。
6.マンション価格の推移と比較
●6-1.駅別中古マンション価格に関するデータの推移
東京カンテイが発表している、駅別中古マンション価格に関するデータを基に、直近5年間の『豊洲駅』と『月島駅』に関するマンション価格の推移を比較していきます。
データを確認すると、直近5年間で豊洲駅が64万円/坪(約22%)、月島駅も82万円/坪(約25%)上昇していることがわかります。
どちらも2019年から2020年にかけて、コロナ渦により売買取引が少なくなったことから、上昇率は下がりました。
しかし、2020年から2021年にかけて、既に回復して大幅な上昇を見せており、マンションの価格推移は堅調であることがわかります。
●6-2.マンション専業各社のファミリー物件の単価比較
このように堅調に推移している豊洲駅と月島駅の住宅価格ですが、さらにいくつかのマンションサイトを参考に、一般的なファミリー向けマンションの価格を調べてみました。
いったん、ざっくり知るために築年数や最寄り駅までの距離は考慮外としています。
まず、大手仲介サイトであるホームズ(https://www.homes.co.jp/mansion/chuko/price/)では、直近3カ月間に募集を開始された物件を基に平均価格を出しており、70平方メートル前後の中古マンションの平均価格は、豊洲駅が7,392万円(349円/坪)、月島駅が8,489万円(401万円/坪)でした。
次に、新築マンションの相場に強い、マンションエンジン(https://www.manen.jp/line/13/)では、豊洲駅が平均価格8,256万円(390万円/坪)、月島駅が平均価格7,284万円(317万円/坪)でした。
他にも、国土交通省の売買データを基に価格や相場を教えてくれるウチノカチ(https://utinokati.com/)では、豊洲駅が平均価格6,315万円(298万円/坪)、月島駅が平均価格6,721万円(317万円/坪)でした。
最後に、AIを使った評価で業界を引っ張っているソニー不動産(https://sre-realestate.com/kai/mansion/)では、豊洲駅が平均価格8,015万円(379万円/坪)、月島駅が平均価格7,923万円(374万円/坪)でした。
ちなみに、どの相場も2023年6月時点の数字です。
上記を参考に、マンションエンジンの新築価格とその他3つのサイトの平均価格(豊洲駅7,240万円、月島駅7,711万円))を単純に比較すると、中古マンションと新築では、豊洲駅が約14%、月島駅が約-5%の乖離がありました。
どちらも将来の家族構成や職場の変化など、万が一マンションを売る事になったとしても、個人的にねらい目だと思う、築10年程度の中古マンションを賢く購入する方が安心だと思います。
7.住宅街や商業地の地価の推移とその比較
次に、各駅周辺の地価を確認していきます。
以下のグラフは、商業地域に区分されている『江東区5-16(豊洲駅)』と『中央区5-31(月島駅))』、住宅地に区分されている『江東区-20(豊洲駅)』と『中央区-1(月島駅)』のデータを基に、2013年から2022年までの価格を表したものです)。
まず、豊洲駅周辺の商業地の地価推移を見ていきます。
2013年から着実に地価が上昇し、10年間で約46万円/平方メートル(58%)価格が上がっていることがわかります。
一方、月島駅も2014年からの9年間で約53万円/平方メートル(53%)価格が上がっています。
次に、豊洲駅周辺の住宅地の地価推移を見ていきます。
こちらも商業地と同じく2022年まで地価が上昇し、10年間で約33万円/平方メートル(75%)価格が上がっていることが分かります。
月島駅も、約29万円/平方メートル(40%)価格が上がっており、共に上昇傾向です。
8.豊洲駅と月島駅のマンションデータの比較まとめ
今回は、共に再開発が進んでいる豊洲駅と月島駅を比較してみました。
●8-1.豊洲駅周辺の不動産は?
豊洲は、街全体の再開発事業から2020年の東京オリンピックの招致まで、国をあげての事業の中心エリアでした。それに加え、大手企業と連携した大規模な再開発やタワーマンションも完成し、今後も注目度や人気度は高まることが予測されています。
また、豊洲駅周辺では東京都の策定した「豊洲1~3丁目地区まちづくり方針」に基づいて、土地利用転換に合わせた計画的なまちづくりを進めているところです。
豊洲駅周辺の再開発の動向として、「豊洲二丁目駅前地区第一種市街地再開発事業」によって、豊洲ベイサイドクロス等の整備を行ってきました。
さらに、豊洲四丁目では都営住宅の建て替え工事が行われております。いずれも計画通り進捗しており、現時点で変更の予定は聞いておりません。
豊洲は多くの企業や商業施設が立地しており、ビジネスや商業の拠点として発展しています。そのため、賃貸需要が高く、投資や賃貸事業にも適したエリアと言えます。
しかし、豊洲の不動産を購入するうえで、リスクとなり得るのが災害による津波や氾濫、液状化です。江東区の発表によると、津波などによる災害は極めて低いと想定されていますが、一概に軽視できる問題ではないと思います。
したがって、豊洲は、今後も目が離せない注目の街だといえますが、不動産を購入するのであれば、災害によるリスクを考慮したうえで購入することをおすすめします。
●8-2.月島駅周辺の不動産は?
隅田川の古き伝統を守る暮らしと、東京湾を一望できる未来型の高層マンションの生活が人気の月島エリア。今後行われる再開発により、生活の利便性はこれからも充実していくことが予想されます。
さらに、都心へのアクセス、快適なライフスタイルを実現する周辺環境の充実、単身者に人気のエリアであることから、賃貸物件としても人気があります。
しかしながら、災害の面では豊洲駅同様に注意が必要です。また、先述の通り倒壊危険度の高いエリアが多いため、購入をご検討される際は、災害リスクの低いエリアを選ぶよう心掛けてください。
古くからの住宅やお店、人情を残しつつ、今後のタワーマンション計画も含め新しい世代の集うエリアである月島は、これからも進化し続ける注目のエリアです。
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