吉本芸人が海外進出加速の裏事情…配信ビジネスが成功した吉本興業の戦略
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所属芸人をテレビで見ない日はない吉本興業に、変革が起きはじめている。お笑いコンビ・2700のツネが、アメリカの舞台で挑戦するため脱退を発表。すでにコンビでの活動は終了し、2700は八十島が新たに相方を募集することで継続すると発表されている。
ここ最近では、ピン芸人の「たむらけんじ」が、2023年5月で50歳になったことをキッカケに、拠点をアメリカに移して本格的な海外展開を開始。吉本芸人の間では、他のお笑い事務所よりも海外進出が急速に行われている印象だ。
「『とにかく明るい安村』がイギリスの超人気番組『ブリテンズ・ゴット・タレント』で大活躍し、渡辺直美も日米を股にかけて活動している。また、過去にアメリカ挑戦に失敗した『ゆりやんレトリィバァ』も再挑戦するという話もあるほどです。吉本は、社として芸人が海外で活動するきっかけづくりを積極的にすすめています」(民放関係者)
現在は、ピースの綾部祐二もアメリカに拠点を移すなど、日本のテレビで活躍できる人材が海外で挑戦を続けている。その裏には、吉本興業のテレビにおける戦略の変化が関係しているという。
「吉本興業は、明石家さんま、ダウンタウンといった超大御所がいまだにテレビで大活躍。ナインティナインは共に50歳をこえ、ベテランが若手の活躍できる場をどんどん奪っています。次世代芸人として最近ブレイクしている千鳥やかまいたちですら、濱家隆一以外は40代ですし、次がつかえている状況が10年以上も続いている。若手で勢いのあった霜降り明星もすでに輝きを無くし、新しい仕事がダウンタウンや今田耕司、東野幸治ばかりに来る。このまま若手をテレビで大ブレイクさせるのは難しく、海外で稼げる芸人を開発していきたい考えがあるんです。ある意味、吉本がテレビに見切りをつけたと言われています」(同上)
実際、吉本興業では今年になって代表取締役会長を退任した大﨑洋氏を中心に、アジアやアメリカなどの海外戦略を密かに画策していた。そんな中、コロナ禍の2022年10月には、海外向けにパフォーマンスが得意な芸人を集めたYouTubeチャンネル『Yoshimoto Comedy Squad』を開設。しかし、これが成功しているとはいいがたい。
「海外で人気が高く、SNSのフォロワーが1400万人越えのウエスPをはじめ、若手の『いぬ』や『すゑひろがりず』、さらにFUJIWARA原西も参加する豪華なチャンネルだった。しかし、日本のテレビで受けるようなネタが多く、海外のお笑いファンには全く刺さっていない。そこで、吉本は海外展開は身軽に芸人が個人で挑戦し、ある程度の金銭的なバックアップはするという方針に変えたようだ。なので、多くの海外進出する芸人が籍を吉本に残している。綾部などは何も目立った仕事をしていないのに優雅な生活をしているのも、そういった事情があるようです」(週刊誌記者)
また、吉本はテレビで稼ぐ以外にも大きな収益源を確保したことが、海外進出を加速させる要因になっているという。それが、ネット配信ビジネスの成功だ。
「吉本では、地方在住者やチケットを買えなかったファン向けに、芸人の単独公演をライブ配信している。多くは2000円程度で公演を見ることができます。人気が高い空気階段は、話題を集める公演なら数千万円の売上を計上する場合があるという。テレビに代わる収益源で、社のメインとなる事業として力を入れています。このライブ配信を使えば、アメリカにいても芸人は収益を確保できる。グッと、海外を拠点に活動するハードルが下がったことになります」(スポーツ紙記者)
そんな吉本の海外戦略について、今後はさらに多くの芸人が挑戦を続けるだろうと言われている。
「テレビでも活躍する数名の中堅芸人が、海外進出を目論んでいるという噂も出ています。また、日本で頑張っても限界が見えるとして、海外挑戦を会社に直談判しているYouTube世代の若手芸人もいるようだ。吉本は、ダウンタウンを発掘してカリスマと言われた大崎氏でも海外進出は失敗している。会社として、資金を投入してでもこれまで越えられなかった言葉の壁を突破し、アメリカでも吉本旋風を巻き起こそうと必死です」(民放関係者)
日本では、すでにかなり前からテレビや芸能界を制覇している吉本興業。その目線の先は、衰退していくテレビとは違う方向を見ているようだ。
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