世界陸上、バスケW杯、ラグビーW杯…スポーツ中継で笑うのはどこか?
2023年はオリンピックもサッカーW杯もなく、スポーツ関係者には“はざまの年”だが、これから立て続けにイベントが控えている。8月19日に世界陸上が開幕するのを皮切りに、25日にはバスケットボールのW杯が、9月8日にはラグビーW杯が開幕。いずれも各テレビ局が力を入れて放送する予定だ。
「かつてスポーツのテレビ中継といえばプロ野球、相撲、ボクシングぐらいでしたが、その常識を変えたのがフジテレビです。フジは1970年代から80年代にかけ、バレーボール中継を独占して、『バレーボールといえばフジテレビ』というイメージを浸透させ、ジャニーズも起用してさらなる高視聴率を獲得。それを見たTBSが世界陸上を、テレビ朝日が世界水泳を中継するなど、スポーツイベントの取り合いが起きるようになりました。最近ではテレビ東京が卓球に力を入れて成功しています。
まもなく始まるバスケットW杯は、これまで日本でなじみがないイベントでしたが、Bリーグが順調に人気を拡大し、日本人NBAプレイヤーも次々と誕生して、日本バスケット界はこれまでになく盛り上がっています。しかも今大会は日本開催ですから、関係者はこれをきっかけに一気にバスケットW杯を浸透させようと、相当に鼻息は荒いようです」(キー局関係者)
スポーツイベントの盛り上がりの凄まじさは、昨年のサッカーW杯や今春のWBCを見れば明らか。北京五輪の女子ソフトボール、なでしこJAPANのW杯優勝、ラグビー日本代表の南アフリカ撃破なども鮮烈な記憶を残した。これから控える3つのイベントでは、そういった感動のシーンは生まれるのか。
「世界陸上は楽しみな競技がいくつも控えています。これまで日本人には未知の世界だった男子110mハードルや女子やり投げは有力なメダル候補。男子20km競歩の山西利和は3連覇が掛かっています。
バスケとラグビーは厳しい戦いになりそうです。バスケは、チームの大黒柱となるべき八村塁が出場を回避。さらに予選リーグはオーストラリア、ドイツ、フィンランドと、完全に格上ばかりの“死の組”に入りました。バスケはもともとボールスポーツの中でも番狂わせが起きにくい競技。日本開催というアドバンテージをどこまで活かせるかがカギです。
ラグビーはドタバタ続き。直前のテストマッチの内容は悪く、代表の最終選考にも疑問の声が上がって、前回や前々回の大会時のような一枚岩のムードに欠けています。最高で6位まで上がった世界ランキングも現在は14位。こちらもバスケと同様、予選リーグはイングランドやアルゼンチンなど強豪揃いの死の組に入りました。初戦のチリ戦を落とすようなら予選通過は絶望的。初戦を確実に取って、そこからどう戦うかの勝負ですね」(週刊誌スポーツ担当記者)
世界陸上はTBS、バスケは日本テレビとテレビ朝日、ラグビーはNHKと日本テレビが中継を行う。選手同様、テレビ局も明暗は分かれそうだ。
「世界陸上に関して言えば、もっぱら世間の関心は織田裕二がいなくなったことです。織田は1997年からずっと司会を担当。『地球に生まれて良かった!』を始め、数々の名言を生み出しましたが、前回限りで卒業を発表。後任は局アナが務めますが、世界陸上=織田裕二というイメージはあまりに強すぎますから、視聴率は前回より確実に落ちる。次回は日本開催ですから、早々に織田復帰のラブコールが鳴り響くかもしれません。
バスケは広瀬すずや田中圭を起用して、是が非でも大会を盛り上げる構えです。基本的にシンプルな競技なので、見ていて分かりやすいのも視聴者には受けそう。これを機にBリーグやNBAへの関心が一気に高まれば、関係者としてはしてやったりといったところ。
ラグビーは、2015年に南アフリカを破った“世紀の番狂わせ”や2019年大会の快進撃でハードルが上がっており、あれ以上のブームを生むには最低でもBEST4進出ぐらいのインパクトが求められます。今回はヨーロッパ開催なので、試合時間が深夜になるのも弱み。とにかく日本チームが勝ち上がるのを期待するしかありません」(前出・キー局関係者)
3イベントはまさに三者三様だが、ニュースターの誕生を期待したい。
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