串カツ田中とミツカンが新ソース「串ポン」を共同開発!社長2人が明かす舞台裏
#社長
串カツ田中はMizkan(ミツカン)と共同開発した新しい串カツ用ソース「串ポン」の提供を、7月6日より夏の新メニューとともに全店舗で開始した。これを記念し、串カツ田中ホールディングス社長・坂本壽男氏と、ミツカン社長・吉永智征氏の対談イベントが8月7日に串カツ田中有楽町店にて実施された。プレス向けイベントながら、まるで飲み会のような雰囲気で行われた本イベントに参加。開発秘話などを聞いた。
「なんか爽やかな若い社長になったらしいよ」
串カツ田中にミツカンが提供する「串ポン」は、ぽん酢風の新串カツソース。トマトとゆず果汁を使い、りんご酢、米酢、醸造酢の3つをバランスよく配合し、爽やかさを引き立てる工夫を施している。
串カツ田中の坂本社長は、コロナ禍を機に同店でソース缶のソースにつけて串カツを食べる方式から、ボトルに入ったソースをかける方式に変更したことが開発の背景と語った。
「当然、ソース缶のときは二度付け禁止でしたが、串カツ田中ではお客様が入れ替わるたび、1回1回捨てて新しいソースに入れていたんですよね。だからロスが多くてもったいないし、ソースの種類を増やすことも難しかった。でも今の方式になって、いろんな種類のソースを用意したいなと思っていたところ、吉永さんから今回の話をいただいたという流れですね」
一方、ミツカンの吉永社長は「もともとは別にこういうソースを作りたいと僕が思って接触したわけではないんですよ」と補足した。
「たまたま共通の知人がいて、『なんか爽やかな若い社長になったらしいよ』と言うので、ぜひ1回会ってみたいなと(笑)。それで飲みながら串カツ食べたんですけど、サッパリ系のソースと2種類あったら、もっといっぱい食べられるんじゃないかという話になり、『1回提案してください』みたいな」
「串カツ田中のこだわりの串カツを一本でも多く、美味しく食べてもらいたい!」との想いから、ぽん酢に含まれる柑橘の「爽やかさ」に着目して開発された「串ポン」。だが、当初はスタンダードな黒いソースの開発も進めていたと明かす。
「それはそれでちゃんと試作したんですけど、ぼん酢風のソースを持っていったら、こちらのほうがお気に召したということですね。黒いソースはどうしても真似になってしまうし、『イマイチ』みたいなこと言われました(笑)」
試作品の試食では「あえて串カツで満腹になってから食べ始める」ことにこだわり、野菜や海鮮類にもよく合うソースになるよう、さまざまな具材との食べ合わせも検証。試作のため担当者が食べた串カツの数は300本を超え、そんな実務と関係なく自宅で串カツ「5種25本」セットなどを自社の「味ぽん」で勝手に食べていた吉永氏は2キロ太ったという。
坂本社長が「串ポン」と合わせたい“推し串”
そんな「串ポン」をアジ、イカ、うずら、キス、串カツ(牛)、串カツ(豚)、玉ねぎ、なすびの串揚げで試食することに。さっぱりした味わいが素材の味を引き立て、野菜串や定番の串カツとの相性は抜群だ。夏にぴったりなのはもちろん、味変を楽しみたいときにもおすすめだろう。
「串ポン」のネーミングは誰もが覚えやすく、可愛らしい印象を持ってもらえるよう、「串カツ」と「ぽん酢」を掛け合わせて名付けられたという。
「呼びやすくシンプルで浸透しやすいのがいいなと。串カツ田中もそうですけど単純な名前だからこそ、覚えてもらえるというのがあって。難しい名前の飲食店って一回行っても名前を思い出せなくて、また行けなかったりするじゃないですか」(坂本氏)
坂本社長が「串ポン」と合わせたい“推し串”として、脂が少なくあっさりとした味わいの「豚ヒレ」や、今夏から提供を開始した新メニュー「餃子豚巻き」、レンコン串も卓に運ばれた。
「餃子の餡を豚で巻いた『餃子豚巻き』はスタミナつくので、夏バテ防止でも食べてもらえれば。串ポンともよく合います。最後の蓮根は原価が安くて美味しいやつ」(坂本氏)、「お店に優しいやつ」(吉永氏)、「いっぱい食べてもらいたいやつ」(坂本氏)と紹介。
「実はレンコンの穴をきれいに揚げるのはけっこう難しい」(坂本氏)と、串カツ田中のこだわりが光る一本であることも付言した。
宴もたけなわの雰囲気のなか、話題は串ポンの店内ポスターなどにミツカンのロゴがないことに移る。
「こういうのやると『吉永さんあれやっていたね』とか周りからけっこう言われるのに、今回あまり言われないから。どうりであまり言われないと思った。入れてくださいよ」(吉永氏)、「でもミツカンさんがこのポスターを作ってきたんですよ?」(坂本氏)と、笑顔でトークを繰り広げた。
吉永氏曰く、「業務用はメーカー名を基本出さないようにしているので、その習性や癖が出たんでしょうね。こういう企画は出せばいいと思うんですけど、業務用は営業車もロゴを入れていないんです。やっぱりお店が既製品を買っているだけみたいに見えちゃうと、なんかちょっと萎えるじゃないですか(笑)」とのことで、坂本氏も「『串ポン』は限定キャンペーンとかではなく、ずっと串カツ田中で使い続けていきますから。きっとそういうことを気にされたんでしょうね」と続けた。
ファミリー客が多い串カツ田中だが「串ポン」は子どもも食べやすい味で、レギュラーのスタンダードなソース比で現在4:1ぐらいで出ているらしく好評のようだ。中にはソースを買って帰りたいという声もあるそうで、吉永氏は「家庭用に販売する際は『ミツカン』と出して売ります(笑)」と語っていた。
「食は楽しくなければいけない」
近年、他業種とのコラボにも積極的なミツカン。コラボする上でのポイントについて質問すると、吉永氏は「ブランドとしてはミツカンの“健康”という部分は守らなきゃいけない。でも、健康だけだとちょっとつまんないというか。真面目すぎるので、人様のブランドを借りてコラボとかするときとかは、もう少しキャラクターの幅を広げることも意識していますね」と説明。“食は楽しくなければいけない”という自身のポリシーを述べた。
「健康、健康ってよく言いますけど、やっぱり『身体だけ健康でも、楽しいことなかったら意味がない!』とか僕は思うんで(笑)。食品メーカーとして健康寿命を伸ばすためにも、食を通して楽しさを提供したいし、健康と楽しさはセットだと思っています。あと、もっと真面目なことは社内の違う人がちゃんとやってくれるので」
こうした話を受けて坂本氏はミツカンとスポーツメーカー「アドミラル」とのコラボについて、「ラジオで聞いて、『何やってんだろうな』と思って(笑)」と言及。吉永氏はコラボに至った経緯を振り返った。
「あれはもともとSNSで『ロゴが似ている』と話題になって、コラボしたいという声が現場から上がってきたんです。『なんで地元の名古屋グランパスじゃなくてジュビロ磐田(『アドミラル』のオフィシャルサプライヤー)なの?』とか少し思いつつ、『まあ、いいか』ってグッズとか作り始めたら、なんとなく盛り上がってきて。
でもノリでやっているから出口が見えてないです。うちのビジネスにどう繋げていくかとかやっている人たちもノープランだから。まだノリで終わっている段階ですね。おもしろい企画ならノリで通しちゃいます。あと担当の熱量が強ければ、『筋が悪いかもしれないけど、まあいいか』って感じはありますね」(吉永氏)
また、TwitterがXにブランド変更した件について見解を求められた際は、「あんな反対されてもやり切る力って、僕にはないんでスゴいなと。周りに反対されたらすぐヒヨっちゃいますから。見習うべきかもしれません」(吉永氏)、「確かにデザインとかって、何が正解かわかんないと思うし、それをトップダウンで変えるのはかっこいいなと思います。……でも、青い鳥のほうが明らかに良いですよね(笑)」(坂本)と、それぞれにコメントしていた。
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