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国連指摘の「メディアが不祥事もみ消し加担」変わらず? なにわ男子、美 少年の醜聞記事が相次ぎ削除

国連指摘の「メディアが不祥事もみ消し加担」変わらず? なにわ男子、美 少年の醜聞記事が相次ぎ削除の画像
なにわ男子・西畑大吾

 なにわ男子の西畑大吾、ジャニーズJr.の金指一世や那須雄登(ともに「美 少年」メンバー)のスキャンダルが話題になっているが、これらの記事が次々とネット上から削除される事態が起こっており、ジャニーズ事務所に対する「忖度」文化が相変わらずだと指摘されている。

 先日、ジャニーズJr.内ユニット「美 少年」の那須雄登とみられる人物が室内でシュークリームを壁に思い切り投げつける動画がSNS上で拡散され、物議を醸した。那須が10代だったころの5年ほど前の動画ではないかとみられ、場所は帝国劇場の楽屋だと推察されている。那須は慶應義塾大学に通っている秀才キャラで知られ、もし本人であればイメージが崩壊しかねない問題行動であり、なおかつ場所がミュージカルの聖地でジャニーズとも縁が深い帝国劇場とみられたことから批判が殺到した。

 この騒動は16日ごろから複数のメディアで報じられたが、その中で主婦と生活社が発行する「週刊女性」のウェブ版「週刊女性PRIME」の記事が削除されたことが話題に。削除された記事は〈ジャニーズJr.グループ『美 少年』那須雄登の過去動画がSNS流出か、笑顔でシュークリームを壁に全力投球する“迷惑行為”に「サイコすぎん?」「スシローペロペロと同レベル」〉とのタイトルだったが、まずYahoo!などの配信先から記事が消滅し、ほどなく元サイトからも削除されてしまった。

 これだけなら記事に何らかの不備があった可能性もあるが、そう単純な話ではなさそうだ。それというのも、「週刊女性PRIME」は同じ美 少年のメンバーである金指一世のスキャンダル記事を削除したばかりだったからだ。

 金指については、熱烈なジャニーズファンである20代女性がInstagramに金指とみられる男性の寝顔や一緒に温泉旅行をしているらしき写真などをアップし、肉体関係をほのめかしたことで騒動に。「週刊女性PRIME」は、この流出騒動の顛末やファンの反応などをまとめた記事を12日付で配信したのだが、14日までに削除されてしまった。

 いずれも記事の事実誤認などはファンから指摘されておらず、通常なら消す必要がないため、ジャニーズから削除要請があったのではないかと目されている。かつて「週刊女性」はジャニーズと“敵対関係”にあったが、数年前から和解ムードに。2020年には主婦と生活社が大きな売り上げをもたらす「ジャニーズ公式カレンダー」の販売元の一社に選ばれ、それに伴って「週刊女性」も“親ジャニーズ”のスタンスが強まっている。版元が「カレンダー利権」にあずかっていることもあり、ジャニーズへの“配慮”が働いたのではと推測されているようだ。

 さらに、なにわ男子の西畑大吾が読売テレビアナウンサーの足立夏保と熱愛中であると10日発売の「週刊文春」(文藝春秋)で報じられた騒動でも、ジャニーズへの「忖度」が疑われる出来事が。西畑が足立アナと密会するために金髪ウィッグとバケットハットで変装している写真などが公開されたことでファンが大騒ぎになり、中日スポーツのウェブ版が〈なにわ男子・西畑大吾に”熱愛報道”…ネットではファン大混乱 一見不思議な関連ワードがトレンド上位を占める状況に〉と題した後追い記事を出したのだが、やはりほどなくして削除されてしまったのだ。

 スポーツ紙はジャニーズ事務所と蜜月関係にあり、基本的に事務所が「後追いOK」を出さなければ週刊誌記事などで触れられることはなかった。ジャニーズ事務所創業者の故ジャニー喜多川氏による性加害問題をめぐる報道が盛んになったことをきっかけに、そうした忖度が薄れたとの見方もあったが、やはり「忖度文化」は健在だったといえそうだ。

 性加害問題をめぐっては、多くのメディアがジャニーズへの忖度から取材に動かず、長年黙殺してきた疑いが指摘されており、つい先日も国際連合人権理事会の「ビジネスと人権」作業部会が発表したステートメントの中で、ジャニーズ性加害問題について「日本のメディア企業は数十年にもわたり、この不祥事のもみ消しに加担したと伝えられている」と指摘したばかり。にもかかわらず、メディア側は相変わらず「不祥事のもみ消しに加担」する側となっているようだ。

 ジャニーズ事務所側からの削除要請があったとの見方もあるが、その理由としては、なにわ男子がジャニーズ事務所の若手のエースの一角を担う存在であることや、美 少年がジャニーズJr.内で人気のグループであることも影響しているだろうが、それとは別に、今月26日~27日に放送される日本テレビ系の大型チャリティー特番『24時間テレビ』との関連を指摘する声がある。

 今年の『24時間テレビ』では、なにわ男子が全体のメインパーソナリティーを務め、美 少年は中京テレビが展開する東海3県(愛知・岐阜・三重)のメインパーソナリティーを担当する。折しもジャニーズ事務所は、8月末に予定されている「外部専門家による再発防止特別チーム」からの提言を受けて、9月中にも性加害問題に関する記者会見を開く見込みだとみられている。視聴者の“感動”を呼ぶ『24時間テレビ』で少しでもジャニーズへの世間のイメージを回復させ、その流れで記者会見へつなげたいという狙いがあり、まずは何としても番組を成功させたいという思惑から、不自然な「記事削除」が連発されたのではとみる向きもあるようだ。

 収録済みのものとはいえ、那須がゲスト出演した17日夜放送の『VS魂グラデーション』(フジテレビ系)も普通にオンエア。ジャニーズ事務所としては“なかったこと”としてこのままスルーすることになる可能性も高い。しかしそれではイメージが回復するどころか、メディア支配や忖度文化などの「疑念」がより深まりそうだが、はたして……。

SNSや動画サイト、芸能、時事問題、事件など幅広いジャンルを手がけるフリーライター。雑誌へのレギュラー執筆から始まり、活動歴は15年以上にわたる。

さとうゆうま

最終更新:2023/08/17 21:00
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