再開発が完了した田端と、再開発が進む西日暮里…買うならどっち?
#不動産投資 #東京これから買える街 #田端 #西日暮里
6.マンション価格の推移と比較
●6-1.駅別中古マンション価格に関するデータの推移
東京カンテイが発表している、駅別中古マンション価格に関するデータを基に、直近5年間の『田端駅』と『西日暮里駅』に関するマンション価格の推移を比較していきます。
データを確認すると、田端は2020年のみ、下がっていますが、サンプル数の問題かもしれません。
で、直近5年間で『田端駅』が45万円/坪(約19%)、『西日暮里駅』も34万円/坪(約14%)も上昇していることがわかります。
西日暮里は注目度の高い再開発事業が行われていることから、しばらくは上昇傾向が続いていくことが予想されます。
一方、田端駅は一旦再開発事業が落ち着いているため、今後価格がどのように変化していくか注目です。
●6-2.マンション専業各社のファミリー物件の単価比較
このように堅調に推移している田端駅と西日暮里駅の住宅価格ですが、さらにいくつかのマンションサイトを参考に、一般的なファミリー向けマンションの価格を調べてみました。
一旦、ざっくり知るために築年数や最寄り駅までの距離は考慮外としています。
まず、大手仲介サイトであるホームズでは、直近3カ月間に募集を開始された物件を基に平均価格を出しており、70平方メートル前後の中古マンションの平均価格は、田端駅が6,132万円(290円/坪)、西日暮里駅が5,946万円(281万円/坪)でした。
次に、新築マンションの相場に強い、マンションエンジンでは、田端駅が平均価格5,203万円(246万円/坪)、西日暮里駅が平均価格5,161万円(244万円/坪)でした。
他にも、国土交通省の売買データを基に価格や相場を教えてくれるウチノカチでは、田端駅が平均価格3,210万円(246万円/坪)、西日暮里駅が平均価格5,608万円(265万円/坪)でした。
最後に、AIを使った評価で業界を引っ張っているソニー不動産では、田端駅が平均価格4,517万円(213万円/坪)、西日暮里駅が平均価格3,350万円(158万円/坪)でした。
ちなみに、どの相場も2023年4月時点の数字です。
上記を参考に、マンションエンジンの新築価格とその他3つのサイトの平均価格(田端駅4,619万円、西日暮里駅4,968万円)を単純に比較すると、中古マンションと新築では、田端駅が約11%、西日暮里駅が約4%の乖離がありました。
どちらも将来の家族構成や職場の変化など、万が一マンションを売ることになったとしても、個人的にねらい目だと思う、築10年程度の中古マンションを賢く購入する方が安心だと思います。
7.住宅街や商業地の地価の推移とその比較
次に、各駅周辺の地価を確認していきます。
以下のグラフは、商業地域に区分されている『北区5-18(田端駅)』と『荒川区5-60(西日暮里駅)』、住宅地に区分されている『北区-15(田端駅)』と『荒川区-12西日暮里駅)』のデータを基に、2013年から2022年までの価格を表したものです。
まず、田端駅周辺の商業地の地価推移を見ていきます。
2013年から着実に地価が上昇し、10年間で約18万円/平方メートル(35%)価格が上がっていることがわかります。
一方、西日暮里駅も10年間で約37万円/平方メートル(55%)価格が上がっています。
次に、田端駅周辺の住宅地の地価推移を見ていきます。
こちらも商業地と同じく2022年まで地価が上昇し、10年間で約14万円/平方メートル(33%)価格が上がっていることが分かります。
西日暮里駅も、10年間で約15万円/平方メートル(40%)価格が上がっており、どちらの地区も安定して上昇傾向です。
8.田端駅と西日暮里駅のマンションデータの比較まとめ
今回は、既に再開発が完了している田端駅と、今後注目の再開発が進んでいく西日暮里駅を比較してみました。
●8-1.田端駅周辺の不動産は?
かつて文豪たちに愛された閑静な街並みの田端エリア。
北区内の赤羽、王子駅に比べて、大規模商業施設がないため治安が良く、単身からファミリー層までが安心して生活できます。
2013年には、都市再生整備も行われ、ますます暮らしやすい町になりました。
また、災害の面では川の氾濫の影響は受けませんが、過去の水害実績から大雨の際の内氾濫には注意が必要な地域があります。
住みたい沿線ランキング1位のJR山手線が使えて、田端駅は賃料相場が他駅より安いため単身者に人気のエリアです。
他にも、利便性と家賃相場の観点から、賃貸物件としても個人的には、注目のエリアだと思います。
実際に行ってみると、山手線の内側は本当にきれいになっています。
●8-2.西日暮里駅周辺の不動産は?
今、ちょっとしたブームとなっている『谷根千』へも徒歩圏内で、下町情緒が楽しめる『西日暮里』駅は、駅周辺には特徴がなく、穴場駅といったイメージです。
しかし、西口は少し歩けば閑静な住宅街が広がり、歴史を紐解くと、昔から桜やツツジが美しい地域であるため、「一日中過ごしても飽きない里」という意味の「日暮らしの里」と呼ばれたことが由来しているそうです。
実際に行ってみると、東口は飲食店や風俗店が多数集まり、やけに社交ダンス関係のお店があるなど、少し癖のある街並みが広がります。
これまで、西日暮里は『西日暮里、再開発、中止』や『西日暮里、再開発、見直し』が多く検索されるなど、計画して発展していない駅前周辺でした……。
しかし、2022年、いよいよ整備が始まり、最先端の複合タワーが駅前に登場すると、穴場駅ではなく、成田国際空港へのアクセスの良さと既述の通り、交通の利便性も相まって、秋葉原級の大注目の駅に変貌するかもしれません。
ただ、地盤や水害には気を付けて、物件購入の際にはハザードマップをしっかり確認することが必要だと思います。
参考:幻冬舎ゴールドオンライン
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