トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > エンタメ  > “競輪パワー”の凄まじさ

バラエティ番組が北関東ネタを連発する「大人の事情」テレビ界を跋扈する“競輪パワー”の凄まじさ

バラエティ番組が北関東ネタを連発する「大人の事情」テレビ界を跋扈する競輪パワーの凄まじさの画像1
『KEIRIN GUIDE』競輪 公式サイトより

 何かが流行れば、それにどんどん乗っかる者が現れるのはテレビ界も同じ。ここ最近のバラエティ番組には2つの大きな流行りネタがあるという。

「1つは昭和です。これはきっかけがハッキリしていて、2022年8月に放送された『ダウンタウンvsZ世代 ヤバイ昭和あり?なし?』(日本テレビ系)という単発の特番が異例の高視聴率をマークしたこと。同番組は8月12日にも放送されますが、昨年の放送以来、『昭和やバブルのネタはイケる』と各局が飛びつき、似たような番組が繰り返し放送されています。

 そしてもう1つのブームは北関東。ブームの発端は、2007年にスタートした『秘密のケンミンSHOW』(日本テレビ系)。これが大当たりして“地域あるある”が一気に脚光を浴びるようになりましたが、当初は放送されるのは『ケンミンSHOW』をなぞったようなネタばかりでした。ネットでは『グンマー(群馬)』『大阪民国』『修羅の国(福岡)』など、地域差別ネタは鉄板でしたが、下手に扱うと炎上するので、面白おかしく取り上げるのは難しかったのです。

 しかし2010年後半になって、茨城県が都道府県魅力度ランキングで連続最下位になったことが話題になると、少しずつそれをイジる番組が現れ始め、埼玉の自虐ネタをふんだんに盛り込んだ映画『翔んで埼玉』が大ヒットしたことで、ローカルネタをおちょくっても良いという流れが一気に加速。以来、もっぱら餌食になっているのが北関東3県(茨城、栃木、群馬)です」(民放バラエティ番組制作関係者)

 余所者に出身地を小馬鹿にされれば腹を立てるのは当たり前だが、北関東の人たちは度量が大きいということのよう。ただ、北関東がターゲットにされるのには様々な要因が絡み合っている。

「1つは数字が計算出来ること。あまりに色々な番組がローカルネタを扱うようになり、取材先に行くと、撮影で訪れた芸能人のサインがずらっと並んでいるようなケースも多いのですが、それでも固く視聴率が取れます。ロケに行くパターンもあれば、スタジオで出身者同士がバトルするようなパターンもあり、今もどちらも視聴率が欲しい時の鉄板ネタです。

 東京から近いのも大きな要因でしょう。ローカル色が強い北海道や沖縄なら濃いネタを拾えるのは分かっていますが、制作費が掛かるのでなかなかゴーサインが出ない。その点、北関東なら日帰りでロケが出来ますし、井森美幸や中山秀征(群馬)、U字工事(栃木)、磯山さやか(茨城)など、出身地の顔となるタレントがパッと浮かぶ。スムーズに番組が作れます」(同上)

 もっとも、こういった番組をチェックしている人は、ある1つの傾向に気付いているかもしれない。とりたててピックアップされるネタがあるのだ。

「北関東ネタを扱う番組を見ていると、競輪やオートレースがしばしば登場しますが、これはほとんどスポンサー案件です。

競輪とオートレースを統括するJKAはテレビの重要なスポンサーですが、北関東はギャンブル熱が高く、グリーンドーム前橋という立派な施設もあるので、競輪やオートレースを紹介しやすい。最初からスポンサーありきで扱うパターンもあれば、ネタにすることで将来スポンサーになってくれることを期待するパターンもありますが、要するに金が絡む話です。

ここ最近はとりわけガールズケイリンを売り出したいようで、女子選手がスタジオに登場したり、トレーニングに密着する番組も多くなっている。時には強引にねじ込まれるケースもあるようで、いささか唐突に感じる場面もありますが、スポンサーは絶対ですからね」(広告関係者)

 視聴者もそろそろ北関東ネタに飽き始めたかもしれないが、バックにスポンサーがいるなら、まだまだブームはしばらく続くかも?

木村之男(芸能記者、TVウォッチャー)

1972年生まれ、東京都出身。大学時代にライターとして活動し始め、出版社~編集プロダクションを経てフリーに。芸能・カルチャー・テレビ・広告業界などに精通する。趣味はテレビに映った場所を探し出して、そこに行くこと。

きむら

最終更新:2023/08/12 07:00
ページ上部へ戻る

配給映画