湘南には映画館がない? 『真夏のシンデレラ』“ド田舎”描写の是非
#ドラマ #フジテレビ #真夏のシンデレラ
森七菜と間宮祥太朗がダブル主演を務める月9ドラマ『真夏のシンデレラ』(フジテレビ系)。「ツッコミドラマ」と話題になり、放送中にはSNSやネット掲示板で異様な盛り上がりを見せているが、その一方で「事実を捻じ曲げるのはどうなの?」と一部の設定を疑問視する声もあるようだ。
同ドラマは、2022年度「第34回ヤングシナリオ大賞」で大賞を受賞した市東さやか氏が脚本を手掛けるオリジナル作品。神奈川県・湘南海岸を舞台にした男女8人の恋愛群像劇で、主演の2人のほか、神尾楓珠、吉川愛、萩原利久、白濱亜嵐、仁村紗和、水上恒司らが出演する。
8月7日に放送された第5話では、夏海(森)がサップの展示会に参加するため、単身、東京へ行くことに。展示会の後、健人(間宮)と映画に行く約束をしていたが、妊婦の手助けをしている間にスマートフォンを紛失。健人と連絡が取れなくなってしまう。
映画館の場所がわからない夏海は、道行く男性に「すいません。この辺に映画館ってありますか?」と質問。男性が「どこの映画館? それがわかんないと無理だよ」と聞き返すと、夏海は「そうですよね。東京に映画館なんていっぱいありますもんね。すいません」とすぐに諦める。
夏海が「どうしよう」とベンチで途方に暮れていると、「夏海! 夏海! 夏海!」と名前を連呼しながら夏海を探す健人が登場。健人は、夏海のスマホを拾った人物から落ちていた場所を聞き、その周辺をやみくもに探していたのだった――。
これまでも、「東京と湘南の距離感の設定がめちゃくちゃ」「神奈川から東京は新幹線レベルの長距離設定なのに、東京から神奈川はどこでもドア状態」「神奈川をド田舎として描くのは、無理がある」などと物議を醸していた同作だが、第5話で夏海の“お上りさん”ぶりが改めて強調されたことから、こうした声がさらに高まることに。
特に、夏海が「東京に映画館なんていっぱいありますもんね」と言い放った場面には、「湘南にも映画館あるだろ」と違和感を覚えた視聴者も多い様子。
実際、都内には映画館が集中している場所が複数あるが、湘南エリアにも「109シネマズ湘南」「イオンシネマ茅ヶ崎」「シネプレックス平塚」といった複数のシネコンが存在するため、「ろくに映画館すらない田舎」として描くには「無理がある」と感じた人もいたようだ。
また、同作は登場人物がとる“突飛な行動”が毎回話題に。これが今日の“ツッコミ合戦”の盛り上がりにつながっており、制作サイドもこの状況を狙っていると思われる。
しかし、湘南を「ド田舎」として描くことに関しては、「事実を捻じ曲げるのは、やりすぎ……」と疑問に感じている人も少なくないようで、今後も議論が続きそうだ。
なお、同作は第1話が世帯平均視聴率6.9%(個人4.0%/ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)とイマイチだったものの、第2話で5.4%(個人3.2%)までダウン。その後も大きな上昇は見られず、フジのブランド枠である月9としては厳しい状況といえる。
一方、民放公式動画配信サービス・TVerでは、お気に入り数が104.4万人(8日現在)と好調。放送中の夏ドラマでは、131.9万人の『VIVANT』(TBS系)、106.4万人の『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(日本テレビ系)に次ぐ上位で、ネット視聴では健闘しているといえるだろう。
古き良きトレンディドラマを令和に蘇らせるためか、リアリティを度外視している印象もある『真夏のシンデレラ』。今後も、視聴者の“胸キュン欲”と“ツッコミたい欲”を同時に満たしてくれそうだ。
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