『VIVANT』視聴率右肩上がりで“半沢直樹現象”に期待も…TBSがまだ手放しで喜べないワケ
#TBS #日曜劇場 #VIVANT
堺雅人が主演を務めるTBS系日曜劇場『VIVANT(ヴィヴァン)』の第3話が7月30日に放送され、世帯視聴率が平均13.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録。自己最高をマークした。
「限界突破!アドベンチャードラマ」と銘打たれている本作は、『半沢直樹』シリーズなどで知られる福澤克雄氏が演出と原作を担当。阿部寛、役所広司、二階堂ふみ、松坂桃李、二宮和也ら主演級の豪華キャスト陣が集結し、モンゴルで2カ月に及ぶロケを行うなど、民放の連続ドラマとしてはかつてない規模の作品ということで話題となっている。
事前にあらすじや役柄を明かさないという秘密主義だった影響か、初回放送は11.5%と日曜劇場枠としてはやや厳しい立ち上がりだったが、第2話は11.9%、そして第3話で13.8%と、初回を2ポイント以上上回る上昇気流に乗っている。3月以降、10~11%で推移しているNHK大河ドラマ『どうする家康』をも上回り、今期ナンバーワンの数字だ。
それでもTBS内はまだ手放しで喜べる空気にはなっていないという。
「さすがに1話あたり1億円という巨額な制作費がかかっていますからね。前期の『ラストマンー全盲の捜査官ー』が最終回13.4%とまずまずの着地を見せたことで、もっとロケットスタートが期待されていましたが、さすがに初回放送が54分拡大でおよそ2時間もあり、どういうストーリーになるのかもまったく想像がつかなかったこともあって、様子見する視聴者が多かった様子。有料配信は、TBS系の『Paravi』が先日の事業統合によりU-NEXT内レーベルという扱いになったこともあり、戦略的にU-NEXT独占配信となっていますが、資金回収という面では今後海外にどう売っていくかという部分が大きいはずで、短期的な結果では判断がつかないでしょう」(テレビ誌記者)
もっとも、配信でもすでに勢いを見せており、夏の“覇権ドラマ”となるのは固いとみられている。
「TVerではいち早くお気に入り登録者数が100万人を突破し、まもなく120万台と勢いが衰えていない。今期のお気に入り登録者数で2位はフジ月9の『真夏のシンデレラ』ですが、これがまだ100万にギリギリ届いていないぐらいですからね。TVer再生数ランキングでは『VIVANT』は総合でほぼ常にトップ5をキープするという強さを見せており、初回の見逃し配信は『TBS Free』を含めた総再生数で400万回を記録。これはTBSドラマの初回として歴代最高記録となりました。また、U-NEXTでも国内ドラマ作品における初回視聴者数の歴代1位を記録と、反響が大きい。配信でも強い理由はやはり、謎が多いこと。堺が演じている主人公の些細な行動にも違和感を覚える部分があり、繰り返し確認して考察したくなる。有料の全話配信がU-NEXT独占というのも、かえってTVerでの勢いを高めたでしょう」(同)
ドラマにはまだ不安要素はあるというが、一方で『半沢直樹』の時のように最終回に向けて視聴率の右肩上がりが続く“お化けドラマ”となる可能性も秘めているという。
「理不尽な目に遭った主人公が逆襲するというシンプルなストーリーだった『半沢直樹』とは違い、『VIVANT』は政治や国際情勢も絡み、中身は複雑で、伏線も細かく張り巡らされている。それをうまく“警察に追われる”という設定でエンタメとしてうまく見せてきましたが、舞台が日本に戻ってからは派手な展開も減りそう。最初の3話で派手に見せて視聴者を惹きつけるという手法はNetflixドラマによくあるやり方なんですよね。圧巻の風景で魅せたモンゴルロケのシーンもあまり見られなくなりそうで、ここからが本当の勝負どころとなりそう。
ただ、視聴率やTVerの推移から見ても、明らかに盛り上がってきている。第3話までで放送拡大も一旦終了したこともあり、様子見をしていた層も重い腰を上げてチェックし始めるのでは。キャストの年齢層が高めでしたが、引っ張り続けている松坂桃李もそろそろ登場しそうですし、初回のサプライズとなった二宮和也もどう話に絡んでくるかはまだ全然不明で、よほどの失敗がないかぎりこのまま盛り上がる一方じゃないでしょうか。2020年放送の『半沢直樹』シーズン2を除けば近年見かけない、世帯視聴率20%台を叩きだすのも夢ではないかもしれなません」(同)
ちょうど10年前に放送された『半沢直樹』は初回19.4%から右肩上がりで視聴率が伸び、第7話で30%に到達。最終回は42.2%を記録し、平成以降の全ドラマで歴代最高記録となった。『VIVANT』がここからどこまで勢いを見せるか、TBSだけでなく業界中が注目している。
『VIVANT』堺雅人演じる主人公こそが最大の謎…「VIVANT=別班」はミスリード?
堺雅人が主演を務めるTBS系日曜劇場『VIVANT(ヴィヴァン)』の第2話が、25分拡大の79分スペシャルで7月23日に放送された。「冴えない商社マン」乃木憂助(堺雅...『VIVANT』堺雅人”乃木”は二重人格? 「冴えない商社マン」は裏の顔を隠す演技の可能性も…
堺雅人が主演を務めるTBS系日曜劇場『VIVANT』が7月16日、106分の拡大放送でスタートした。本作は、『半沢直樹』シリーズや『ドラゴン桜』(2021年版)など...サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事