伊集院光を彷彿させる…サツマカワRPGの「一人喋り」ラジオが出色
#TPの芸人礼賛
つくってないのに「ステッカー差し上げます」
番組開始当初、サツマカワさんの要望もあり、僕は話し相手として「ラジオってこうやるんですよ」といちいち注意していたのだが、今となってはサツマカワさんの常識外れのラジオっぷりを「これはこれでアリ」「こっちのほうが面白いんじゃないか」と思い始めている。「ステッカー差し上げます」と、ステッカーなんかないのに言われ、「差し上げるって言ったからには作るしかないですね」と詰められたときにはブチ切れそうになったが、基本的には面白おかしく仲良くやっている。
と、こうやって書くと「ラジオを知らない」ということをフリにめちゃくちゃやっているだけに思われるが、実はそんなこともない。地方遠征に行けばそのエピソードトークもしっかりするし、そのトークでボケない時間が長いと思えば脱線してボケまくる。さらにまるで落語のように変幻自在にいろいろな人物が登場してサツマカワさん本人と会話をするなどなど、ラジオ一人喋りの上級者テクニックも繰り出しているのだ。
これが偶然の産物ならばサツマカワさんは本当に「ラジオの天才」だと思うし、察しのいいラジオ好きは勘づいているかもしれないが、サツマカワさんの一人喋りは、言わずと知れた「ラジオの帝王」伊集院光さんを彷彿とさせる。
この番組は全13回の特番なのだが「好評だったらレギュラー化する」という前提のもと行われている。もちろん大好評でレギュラー化の条件は満たしているのだが、もしかしたら13回で終わってしまうかもしれない。なぜなら、サツマカワさん自身が続けるべきかどうか葛藤しているのだ。この葛藤すらもすべて番組内で話しているのが新しい。リスナーからは終了を惜しむ声ばかりが届くのかと思いきや、「いきなり最終回ってなるより葛藤も伝えたほうがいい」というサツマカワさんの真摯な態度に「サツマカワさんの意思を尊重する」という声もかなり届いている、リスナーも変だ。
終了か継続か、僕を含む制作サイドも、サツマカワさんの意向になるべく寄り添うつもりだが、本音を言うと辞めてしまうのはかなりもったいないと思う。サツマカワさんは、自分がラジオパーソナリティとしていかにとんでもない才能を持っているかあんまりピンときていないし、伊集院さんぽい話し方をしていることがどれだけすごいことかもわかっていない(もちろんご本人は「◯◯っぽい」と言われるのは本意じゃないと思うが)。こればかりはサツマカワさんがラジオを聴いてこなかった弊害だと思う。
サツマカワさんのラジオ、もしこのまま続けたらいつか伝説級のラジオパーソナリティーになると思うし、続けなかったとしても、それはそれで伝説になるだろう。
サツマカワRPGの冠ラジオ(タイトルは長いので書かない)は、お笑いラジオアプリGERAで配信中だ。過去回のアーカイブもすべて聴くことができるのでぜひチェックしてほしい。
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