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「飯田商店」がまさかの二郎インスパイア!? セブン-イレブンで実現した夢
2023/07/23 13:00
#セブンイレブン #カップ麺 #カップ麺一行３昧
今回レビューするカップ麺は、セブン-イレブン限定で2023年7月18日に発売された、「裏飯田商店 しょっぱい豚骨醤油」238円（税別）。神奈川・湯河原の名店「らぁ麺 飯田商店」が監修するカップ麺ですが、パッケージの商品名の文字列が裏返っており、カップ麺限定の裏メニューだとうたっています。
「らぁ麺 飯田商店」といえば、神奈川・湯河原にある名店中の名店で、テレビなどメディアへの露出が多く、なかなか予約が取れないお店であることも知られています。値上げするだけでニュースになったり、セブン-イレブンのカップ麺が登場するとすぐに話題に挙がるなど、ラーメン業界の中心にある存在なのは間違いありません。そんなお店が供するカップ麺限定裏メニューとはいったいどんなものでしょうか。
「飯田商店」の値上げ記事はこちら
「飯田商店」が二郎インスパイア!?
「飯田商店」は醤油や鶏ガラの旨みを極限まで引き出した繊細な味のラーメンを供する名店ですが、今回のカップ麺ではやたらと「裏」メニューであることを強調してきます。飯田商店の繊細なスープとはまったく逆のラーメンが出てくることが想像できます。
そして「裏」といえば、「裏原」や「裏渋谷通り」といった、表文化に対してややアンチな文化の発信地にも使われ、その他にも「裏」がつくものには、アンダーグラウンドな魅力に溢れたものが多いのは枚挙に暇がありません。
（筆者は伺ったことがありませんが、サイゾー編集部も裏渋谷通りの一角にあります。）
飯田商店の「裏」とはいったいどんなものなのか。パッケージを見ると、「極太麺」「背脂」「ニンニク」「ショッパイ」といった特徴が挙げられています。「裏」だけあって、確かに本来の飯田商店の特徴には何ひとつ当てはまりませんが、ラーメン好きの人ならすぐわかる、あのラーメンの特徴と合致しますよね。
この特徴は、全国にインスパイア店が乱立する「ラーメン二郎」そのままで、今回のカップ麺はどうやら、飯田商店による二郎インスパイア商品のようです。「中華蕎麦とみ田」や「麺屋一燈」といった名店が二郎インスパイアの実店舗を展開し、カップ麺でもこれまでに多くの二郎系の商品を出してきましたが、ついに飯田商店までもが二郎をインスパイアすることになるとは驚きです。いずれ二郎インスパイア店も出すのかもしれないので、カップ麺で先取りしておくと良いネタになりそう。
「裏飯田商店 しょっぱい豚骨醤油」の内容物を確認
まずは、「裏飯田商店 しょっぱい豚骨醤油」の内容物をみていきます。別添袋は「後入れ特製スープ」ひとつで、カップには麺の他に、大量のスープ粉末やかやく類が入っていました。麺量は80グラムでタテ型カップの大盛サイズとなっています。
スープ粉末に混じって、豚肉やキャベツ、そして白い粒の背脂加工品が入っています。背脂やキャベツは二郎系ラーメンの大きな特徴のひとつで、本来の飯田商店には入っていません。
二郎インスパイアの豚の旨み全開スープ！
スープは豚骨醤油味で、別添「後入れ特製スープ」で醤油とニンニクのキレを加えています。商品名通り、「ショッパイ」味で、やりすぎていない程度に塩辛いスープとなっています。醤油味が強めなのに対し、二郎系の割にニンニクは少し弱めでしょうか。
醤油が強いのは、醤油のキレが特徴のひとつである飯田商店らしい部分で、「裏」メニューであっても醤油にはこだわりたい矜持があるのかもしれませんね。
スープ表面は油膜で覆われており、豚脂などの油脂が大量に浮いています。二郎系のラーメンといえば「アブラ」「ニンニク」「ヤサイ」が特徴といわれますが、今回の「アブラ」はかなりの量。
油脂により、豚脂の分厚い旨みが感じられます。鶏ガラや鶏油が強い本来の飯田商店とはまったく異なる特徴となっており、醤油やニンニクのキレを凌駕する豚の力強さ全開。「アブラ」重視の二郎インスパイアですが、二郎味が行き過ぎて”一”郎にランクアップしそうなくらいです。豚の厚みと醤油のキレで、かなり完成度の高い二郎インスパイアスープでした。「裏」でもさすが飯田商店ですね。
ワシワシ麺も再現！&ボリューミーな具
麺は、幅広で強く縮れのついた油揚げ麺。二郎系の通称「ワシワシ麺」が再現されています。あのかための食感は再現できておらず、ちょっとコシが足りないように感じますが、形状はよく再現できており、二郎インスパイアの雰囲気はきちんと感じられました。
東洋水産の名店再現系タテ型カップは麺量70グラムのものが多い中で、今回は80グラムの大盛仕様。ガッツリ系の二郎インスパイアなので、麺量もガッツリにするこだわりが感じられました。
具は、豚肉、キャベツ、ネギ、背脂加工品が入っています。二郎系の「ヤサイ」はもやしとキャベツですが、今回はやしは入っていません。しかし、豚肉とキャベツが結構たくさん入っていて、スープや麺と同様、しっかりガッツリ系となっています。
豚脂たっぷりのスープに、ワシワシ麺を再現した大盛、そして具までボリュームがあり、それでいてこの値上げのご時世の中で据え置かれたような価格設定となっており、だいぶお得感のある商品といえるでしょう。セブン限定品じゃなければ30～40円は定価が違ってきそうな内容でした。
スープに浮く背脂加工品。豚脂とともにスープの豚の旨みに力強さを加えていますが、スープの豚脂が主に味の方面、具の背脂加工品は主に見た目の方面で二郎インスパイアの再現性を高めていました。
飯田商店の二郎インスパイア店プロトタイプ？
繊細な鶏とキレのある醤油が特徴の飯田商店のカップ麺裏メニューとして登場し、本来の鶏が豚になり、繊細な味が力強くなり、醤油のキレ以外は「裏」メニューとして逆張りに成功していました。一方で、完成度の高さやおいしさは本来の「裏」を取れず、本家と甲乙つけがたいとても素晴らしい一杯でした。
完成度の高さに加え、税別238円という価格設定が秀逸で、コスパも抜群でした。そのうち飯田商店の二郎インスパイア店が誕生するかもしれないので、今回の商品でそのプロトタイプを食べるという貴重な体験をしてみてはいかがでしょうか。
カップ麺ブロガー＆ライター。ブログで10年以上、5000食以上のカップ麺新商品をレビューしています。@ossern／「カップ麺をひたすら食いまくるブログ」
最終更新：2023/07/23 13:00
