『ボクらの時代』西川貴教×ダイアンの“滋賀縛り回”で勃発した兵庫ディス
#ボクらの時代
7月16日に放送された『ボクらの時代』(フジテレビ系)は、西川貴教とダイアン(ユースケ、津田篤宏)という座組であった。
「どういう組み合わせ?」と思ったが、どうやら3人とも滋賀県出身らしい。オール滋賀のT.M.Revolution×ダイアン。パッと見、びわ湖放送のローカル番組に見えなくもないがフジテレビである。というか、なぜ唐突に滋賀縛りなのだろう? 3人の内の3分の2がダイアンというのも、大胆な“滋賀しがしい”キャスティングだ。
あと、画面下に表示された3人を紹介するテロップが、「ダイアン 津田篤宏、アーティスト 西川貴教、ダイアン ユースケ」になっているのが気になる。津田とユースケの肩書きがコンビ名なだけに、西川が「アーティスト」というお笑いグループの一員に見えてしまうのだ。
西川 「何からね……(話をすればいいのか)」
津田 「いやいや、同じ同郷の」
西川 「無理やりじゃない、なんか? 3人集められへんかったから、ダイアンやったら2人おるし」
ユースケ 「そんな数合わせですか?」
西川 「なんか、そんな感じな気がしてね」
ユースケ 「いやいや、いつもの3人じゃないですか」
西川 「そんなに仕事したこともないやんか」
滋賀縛りで、他に誰もいないのだろうか?
西川貴教は滋賀県知事選に出馬するのか?
滋賀のふるさと観光大使を務め、2020年には滋賀県文化功労賞を受賞するなど、郷土愛の強さでおなじみの西川。かねてより、彼にはある噂がある。
津田 「最終的なアレはやっぱり……?」
ユースケ 「いろいろ、噂というか。僕はそれを願ってます、本当に」
西川 「……」
津田 「滋賀県民の願いでもあるんですよ、西川先生」
滋賀県知事選出馬の噂がある西川に、滋賀県出身のダイアンが迫ったという格好だ。
津田 「みんな言うてますよ。ウチのおかんでも、『西川さんはいつ、知事になってくれはるんや』って」
西川 「そればっかりは、選んでいただかないとというのもあるし」
「選んでいただかないと」と、謙遜しながらそのつもりがありそうな返答をする西川。この座組が、段々と知事とお付きの2人みたいに見えてきた。2009年より西川は滋賀県で「イナズマロックフェス」を開催しているが、ナチュラルに地盤を固めにきているように見える。
そんな西川は、やはり滋賀のことを人一倍考えているようだ。
ユースケ 「西川さんから見て滋賀県のいいところとか、『こういうところが素晴らしい』みたいなのは、どういうところだと思ってはるんですか?」
西川 「やっぱ、PRするもので1発目に琵琶湖を出しちゃうと、ロイヤルストレートフラッシュみたいな状態やんか」
「滋賀県民にとって、琵琶湖はロイヤルストレートフラッシュ」by西川貴教
なぜか、琵琶湖をトランプで例えたのかは不思議だが、滋賀県にとって琵琶湖のカードが強すぎるというのは同感である。
一方のダイアンにも、郷土愛はある模様。自分たちもふるさと観光大使になりたいと、2人は名乗り出たのだ。
津田 「そろそろ(西川には)1個上がってもらって、観光大使の役を我々に……」
西川 「もちろん、やってもらえるんやったら全然。そのためには、もうちょっとレギュラーを増やしてもらわないと……」
津田 「なんでですか!」
西川 「帯でちゃんと、取れるようになったりさ」
津田 「27時間テレビのMCですよぉっ!!」
西川 「ま、ま、それも千鳥がおっての話」
津田 「なんや、コラ!」
めちゃめちゃ核心を突く西川。ダイアンの痛いところを突いている。一方、『ボクらの時代』でマンキンで声を張ってる、通常運転の津田はどうだ? この番組で、こんなに声を荒らげてる人はあまり見ない。日曜の朝から、こんなに騒がしい『僕らの時代』がいまだかつてあっただろうか。
西川は西川で、ダイアンのことは全部わかっているよう。滋賀以外のことに関しても、なんでも知ってる西川。
狂った音楽番組だった『HEY!HEY!HEY!』
番組中盤では、お互いの芸能生活に関する話題へと突入した。
「(ダイアンは)“パン!”って跳ねたって感じのところがないまま、じんわ~り浸透してるやんか。なに、これ? こんなパターンあんの? 湿っていくみたいな(笑)」(西川)
言われてみれば、ダイアンはジワ~っと浸透していってる感はある。湿っていってるダイアン。一方、西川が跳ねたブレイクのきっかけはなんなのだったのか?
西川 「僕は、皆さんがご存知のとおりですよ、『HEY!HEY!HEY!』」
ユースケ 「ほんま、そうですよね。めちゃくちゃ覚えてますもん」
津田 「いやいや、それはお笑い的な跳ね方ですやん(笑)」
西川 「もう、本当にダウンタウンに乱暴されたんですよ」
「ダウンタウンに乱暴された」という言い方のアナーキーさが、90年代を表している。たしかに、『HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP』(フジテレビ系)のT.M.Revolution初登場は衝撃だった。当時のプロデューサー・浅倉大介と共に出演し、松本人志に髪色を「10円玉と5円玉」と2人まとめて例えられた場面は今も脳裏に焼き付いている。あの番組が転機だったと、やはり西川も自覚していたようだ。
西川 「あれで、変な潮流を作ったっていう。1回跳ねさせないとダメみたいな。1回しばかれたりとか。浜田さんにしばかれたタイミングで曲に行くみたいな」
津田 「よう見た、それ!」
西川 「あったでしょ? あの編集タイミングっていうのを、己のやつでやるっていう。我がで落とすっていう」
トークパートで浜田雅功から1回しばかれたタイミングで、やっと歌唱パートへ行ける『HEY!HEY!HEY!』。今振り返ると、一体どんな音楽番組だったのか。
当時は華奢だった西川も、今やボディビル大会で優勝するほどマッチョになった。ストイックさが表れた見事な筋肉美だと思うが、本人には思うところがあるらしい。
西川 「見た目がおかしなことになってきているなとは思うてるよ」
津田 「そんなことはないですよ(笑)」
西川 「いやいや、わかってんねん。たまにMCした番組とかで、アイドルの子とか来たりするやん。そういうときとかに『西川さんっていくつなんですか?』『うんと、ごじゅう……』って言ったあとに、小さく『キモッ』って」
津田 「(笑)」
西川 「聞こえたぞ!」
「キモッ」と言ったアイドルは、一体誰なのだろう? それはさておき、若い子から「キモッ」と言われるくらい見た目がおかしくなっている西川。見た目と年齢のギャップは、ミュージシャンあるあるである。加えて、彼はボディビルを始めてから色黒になっており、陰影ができて顔の掘りが深くなり、妙に生々しいのだ。そこが、アイドルからの「キモッ」を誘発したのかもしれない。西川貴教の実年齢は、なにしろ52歳である。
「急に真っ白になんねん、たまに」(西川)
老化を告白し、心配なことを言い出す西川。働きすぎじゃないだろうか。
“神戸イキってる説”を掲げる3人
番組のエンディングでは、再び滋賀のことを語らい合った3人。ユースケは「今の滋賀県のライバルはどこ?」と、西川に問うた。西川からの回答は、以下である。
・VS京都
「京都の人には、もうやめとこ。2000年の歴史があるからさ、『どうぞ、がんばってください』やん」(西川)
・VS大阪
「大阪は、見てる敵が違うやんか。東京とか、ニューヨークとか、シンガポールとか。(滋賀が視界に)全然入ってへん」
京都と大阪には、「やめとこ」という態度の観光大使・西川。では、滋賀はどこに照準を絞るべきか?
西川 「京都府、大阪府、神戸……あれ、市。なんかちゃうんちゃう!? 兵庫県っていう大きなくくりで言うと、ほぼ山ちゃう?」
津田 「中心部は山が多いですけどね(笑)」
西川 「思わへん? おかしない? めっちゃイキってるけど。ここ“バッコーン”そり込み入って、めっちゃ目つき悪いけど、首から下は裸やで」
ひどい理由で、ライバル県に兵庫を設定した滋賀。「剃り込み入れたイキった顔して、下は裸」と“神戸イキってる説”を掲げ、兵庫の悪口を言い続ける3人。“翔んで滋賀”的な良くない会合が始まり、兵庫県全体を敵に回す腹づもりのようだ。
京都……2000年の歴史には敵わない
大阪……相手にされてない
神戸……よう見たら山やん
いや、兵庫も滋賀もたいがい山だし、兵庫県民から「滋賀は、ほぼ琵琶湖やん」と言われかねない気もするが……。
西川貴教×ダイアン、殊の外おもしろかった。トリオ漫才を見てるみたいだったのだ。センターに座る西川は、自分がしゃべるときも、相手の話を聞くときも、リアクションがベテラン芸人のよう。もう、顔つきがほとんど堺すすむ師匠にしか見えなかったのだ。どこかで、改めてトークライブをしてほしい組み合わせである。
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