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ジャニーズJr.ドームでみせた、井ノ原社長の手腕と不安

ジャニーズJr.ドームでみせた、井ノ原社長の衝撃的な手腕と不安の画像1
『ALL Johnnys’ Jr. 2023 わっしょいCAMP! in Dome』公式サイトより

 東西ジャニーズJr.が勢揃いする『ALL Johnnys’ Jr. 2023 わっしょいCAMP! in Dome』の京セラドーム公演が、7月17・18日に開催された。公演の一部がYouTubeで生配信されたほか、アンコールの場面限定で観客による動画撮影とSNS拡散が許可されるなど、過去のジャニーズのコンサートとしては異例の試みもあった。

 すでにメディアで活躍しているAぇ!group、HiHi Jets、美 少年、Lil かんさい、7 MEN 侍などのグループのほか、今年加入したばかりの“フレッシュJr.”を含めた200人ものメンバーが出演。ジャニーズJr.のドーム公演としては、2019年以来4年ぶりとなり、8月19・20日には東京ドーム公演も控えている。そのいずれかで新たにメジャーデビューをするグループが発表されるのではないかと注目となっていた。

 京セラドーム公演でのメジャーデビュー発表はなかったが、その一方で同公演の特設サイトに登場した「わっしょいしんけいすいじゃく」も話題になっている。

「わっしょいんしんけいすいじゃく」とは、今年加入したジャニーズJr.のメンバーたちで「神経衰弱」をするというミニゲーム。伏せられたカードをめくると、フレッシュJr.の顔写真と名前が表示され、同じメンバーが表示された2枚のカードを探していくというものだ。

 難易度は20マス、40マス、80マス、100マスの4種類で、クリアするとかかった時間とともにSNSに投稿できるようになっている。20マスであれば数分でクリアできるが、100マスとなるとクリアするには20分から30分程度かかるという、なかなかのボリューム感である。

「今年入ったJr.メンバーだけで100マスの神経衰弱ができるということは、少なくとも50人のJr.が今年加入しているということ。いろいろな動きがあるジャニーズ事務所ですが、新人発掘には余念がないということですし、ジャニーズに入りたいという子供たちもたくさんいるということです」(芸能事務所関係者)

 この「わっしょいんしんけいすいじゃく」に登場するJr.のメンバーたちも、今回のドーム公演には出演している。しかしまだまだキャリアは浅く、一部のコアなファン以外はその名前も顔も把握していない。そういう意味では、メンバーたちの顔と名前を覚えるには、「わっしょいんしんけいすいじゃく」は最高のコンテンツと言えるかもしれない。

 SNSでは、公演を見たファンたちが、〈わっしょいしんけいすいじゃくやったおかげで、あれ?この子みたことあるなが増えてて確実に事務所の思うツボで草〉〈わっしょいしんけいすいじゃくで顔と名前だいぶ一致してるからあれ発明だと思う…考えた人凄い〉、〈わっしょいしんけいすいじゃくで覚えたみんなだあ…〉などと投稿。実際に、フレッシュJr.の知名度や人気の向上に一役買っているようだ。

 ジャニーズJr.の育成・プロデュースを担うジャニーズ事務所の子会社「ジャニーズアイランド」は2019年1月に設立。当初は滝沢秀明氏が社長だったが、2022年に退任し、井ノ原快彦が後任として新社長に就任した。

「滝沢氏のもとではジャニーズJr.の動画配信サービス『ISLAND TV』が誕生したり、YouTubeの公式チャンネルができたりなど、積極的にネット戦略を仕掛けていました。井ノ原社長は、それを引き継ぐ形でプロデュースしているわけですが、今回のドーム公演での撮影・SNS投稿解禁は、かなり踏み込んだ施策。かつてのジャニーズがネットでの写真公開すらNGだったことを考えると、歴史的な展開ですからね。

 そして『わっしょいんしんけいすいじゃく』のような、ディープなコンテンツを出してくるあたりも、相当な攻めの姿勢だと言えるでしょう。実際にメンバーの顔と名前が覚えられるという点ではファンにも好評ですからね。滝沢氏が数々の改革をして作った道筋にあるものですが、井ノ原社長の手腕を評価する声も出始めています」(同)

 幼いジャニーズJr.の売り出しに余念がないジャニーズ事務所だが、創業者である故ジャニー喜多川氏による性加害問題が、影を落としているのも事実。実際に被害を受けたのは、過去のジャニーズJrのメンバーたちである。

「ジャニー氏は亡くなっているので、今のJr.たちが被害にあうことはないとしても、性加害のイメージがつきまとってくるのは避けられない。まだ世の中の事をよく知らない、小学生のJr.たちに悪影響があるのではないかとの指摘もあります。

 同時に、ジャニーズJr.に加入したメンバーのうち、実際に長く芸能活動を続けられるのはごく一部で、途中で辞めていったメンバーたちが道を踏み外してしまうこともあるし、セカンドキャリアの問題もありますね」(音楽事務所関係者)

 滝沢社長時代に、ジャニーズJr.の年齢制限ルールが導入された。ジャニーズJr.のメンバーは22歳になった次の3月31日までに、ジャニーズ事務所との間で契約に関する話し合いが設けられ、そこで合意すれば活動継続、合意に至らなければ契約満了となり退所することになる。

「年齢制限ルールはJr.のセカンドキャリアを考えたものではありますが、芸能活動しかしていなかった若者が、その時点でいきなり世間に放り出されてしまう可能性があるということ。いわば、ジャニーズJr.が消費されてしまうのではないかとの見方もできます。今回のドーム公演を見ていると、井ノ原社長は小学生のJr.も含めて、積極的にジャニーズJr.をメディアに出していこうと狙っているようにも見えますが、Jr.の将来をどこまで見据えているのか、少々不安になる部分もなくはありません」(同)

 性加害問題のほか、滝沢氏が立ち上げたTOBEに退所者たちが集結するなど、激動の中にあるジャニーズ事務所。幼いジャニーズJr.の面々が、この荒波のなかで活き活きと育ってくれることを願うばかりだ。

手山足実(ジャーナリスト)

出版業界歴20年超のベテランジャーナリスト。新聞、週刊誌、カルチャー誌、ギャンブル誌、ファンクラブ会報、企業パンフレット、オウンドメディア、広告など、あらゆる媒体に執筆。趣味はペットの動画を見ること、有名人の出没スポットパトロール。

てやまあしみ

最終更新:2023/07/18 21:00
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