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ジャニーズ事務所、国連人権理という“外圧”でいよいよ自民党政権からも追及されるか

ジャニーズ事務所、国連人権理という“外圧”でいよいよ自民党政権からも追及されるかの画像
ジャニーズ事務所

 ジャニーズ事務所創業者の故・ジャニー喜多川前社長による未成年所属タレントへの性加害問題で、国連人権理が動き出すことが12日に報じられた。

 各国の人権侵害を取り上げ、改善を促す国連人権理の「ビジネスと人権」作業部会の専門家が実態把握に始動。国連人権高等弁務官事務所が13日に発表したところによると、専門家は7月24日から8月4日にかけて来日し、被害を訴える当事者への聞き取り調査を行う予定で、弁護士を通じて作業部会から打診があったという。

 またこの問題をめぐり、元ジャニーズJr.の7人が「ジャニーズ性加害問題当事者の会」を結成したことが14日に報じられた。報道によると、二本樹顕理さんと中村一也さんが発起人となって9日に発足。「事務所は責任を取らず、被害は今も継続している。事件は『昔のこと』ではありません」とコメントしており、人権理による聞き取り調査を歓迎しているという。

「この2つのニュースをスクープしたのはどちらも共同通信。世界各地に支局を持つ日本最大の通信社である同社は、今年3月にイギリスの国営放送・BBCが放送したジャニー氏性加害のドキュメンタリー番組についても、早い段階から英国の支局の記者が協力していたという。地方局に映像を配信する部署などはジャニーズのイベントなどの取材に行っているが、性加害問題は他のメディアをリードする形で積極的に報道している」(芸能記者)

 ジャニーズ事務所は弁護士や精神科医などで形成する「外部専門家による再発防止チーム」を立ち上げたものの、藤島ジュリー景子社長は謝罪動画を公開したのみで、会見を行わないことに批判の声が高まる中、強烈な“外圧”がかかることになった。

「国連のチームは調査終了後、会見を行うそうで、その会見は海外で大々的に報じられるだろう。となると、外資のみならず、海外でもビジネスを展開する国内の大企業が足並みをそろえてジャニーズとの取引を一度停止する可能性もささやかれている。そうなったら、ジャニーズの収益に大打撃。これまでの蓄えがあるから多少のことでは揺るがないだろうが、今や続々と所属タレントも退所。抱える問題が多すぎて事務所の幹部は連日、夜遅くまで会議を重ねているようだ」(テレビ局関係者)

 また、作業部会は今回の来日で日本政府や企業関係者とも面談する予定とされている。

 岸田政権は、性加害問題に本腰を入れる機会が何度かあったにもかかわらず、立憲民主党が先の国会で提出した被害防止のための「児童虐待防止法改正案」も成立が見送られるなど、「見て見ぬふり」と決め込む構え。それには納得の理由があるというが、さすがに、国連が乗り出したとなってはこのままでは済まされないようだ。

「もともと自民党はジャニーズとの関係が強いが、中曽根康弘元首相とジャニー氏が昵懇だった。そのためジャニーズへの忖度は自民党政権の申し送りのような事項だった。人権理の勧告は法的拘束力はないとはいえ、日本の政府に対しても申し入れのようなものがあったら、世論を考えても政権は動かざるをえないだろう。藤島ジュリー景子社長らの国会での証人喚問を行うことにもなるのでは」(永田町関係者)

 報告書が人権理に提出されるのは来年6月になるというが、「作業部会が企業関係者との面談の中でジャニーズ帝国をめぐる“忖度”の実態までもメスを入れることになれば、付き合いのあった企業も何かしらの対応を取らざるをえないだろう」(前出・芸能記者)との見方も。

 ジャニーズ事務所はますます窮地に追い込まれることになりそうだ。

黒崎さとし(編集者・ライター)

1983年、茨城県生まれ。ライター・編集者。普段は某エンタメ企業に勤務してます。

Twitter:@kurosakisatoshi

くろさきさとし

最終更新:2023/07/18 09:00
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