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日刊サイゾー トップ > カルチャー > 映画  > インド映画『K.G.F:Chapter 1&2』ポイント3選

『K.G.F:Chapter 1&2』あの『RRR』超えモンスター級インド映画の見どころポイント3選

『K.G.F』ポイント③
ボリウッドスター、サンジャイ・ダットが異質なクセ者キャラを熱演!

『K.G.F』シリーズに登場するキャラクターは、主人公も含め、誰もがクセ者なのだが、その中でも異質な存在ともいえるのが、『K.G.F:Chapter 2』から登場するアディーラというキャラクターだ。

『火の道』(2012)や『SANJU/サンジュ』(2018)などに出演するボリウッドスターのサンジャイ・ダットが、一度は断った監督のラブコールを受けて演じているのが、このアディーラだ。カナダのドラマ『ヴァイキング ~海の覇者たち~』のラグナルが元ネタとなっていることもあって、ギャング抗争の中に異質なキャラクターが飛び込んできたような印象を受ける。

 しかし、それが後半においてのいいスパイスとなっていて、バイオレンス色の強かった世界観にコミック的世界観を持ち込むことに成功しているし、実際に絵に描いたようなヴィラン(悪役)だ。

 おそらく、プラシャーント・ニール監督は、今作をフランク・ミラーの描くグラフィックノベル『ホーリー・テラー』や『シン・シティ』、『300』のような作品に仕上げたかったのではないだろうか?

『K.G.F:Chapter 1&2』のどちらも、エンドロールがグラフィックノベルを模したものとなっているのは、つまり、そういうことにも思えてくる。

 プラシャーント監督には、まだまだ表には出していない作家性が隠されていそうで、今後の作品からも目が離せない!!

 

『K.G.F:CHAPTER 1』 『K.G.F:CHAPTER 2』
7月14日(金)新宿バルト9ほか全国ロードショー

出演:ヤシュ、シュリーニディ・シェッティ、ラヴィーナー・タンダン、アナント・ナーグ(CHAPTER 1)、サンジャイ・ダット(CHAPTER 2)

監督・脚本:プラシャーント・ニール 
撮影:ブヴァン・ゴウダ 
音楽:ラヴィ・バスルール
『K.G.F: CHAPTER 1』2018年/154分/G
『K.G.F: CHAPTER 2』2022年/166分/G
インド/カンナダ語/シネスコ/5.1ch/字幕翻訳:藤井美佳
字幕監修:池亀彩/配給:TWIN

バフィー吉川(映画ライター・インド映画研究家)

毎週10本以上の新作映画を鑑賞する映画評論家・映画ライター。映画サイト「Buffys Movie & Money!」を運営するほか、ウェブメディアで映画コラム執筆中。NHK『ABUソングフェスティバル』選曲・VTR監修。著書に『発掘!未公開映画研究所』(つむぎ書房/2021年)。

Twitter:@MovieBuffys

Buffys Movie & Money!

ばふぃーよしかわ

最終更新:2023/07/15 20:00
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