『真夏のシンデレラ』低視聴率でも中毒者続出! 新感覚月9の魅力の“源泉”
#フジテレビ #月9 #真夏のシンデレラ
森七菜と間宮祥太朗がダブル主演を務め、一夏の恋の物語を描く月9ドラマ『真夏のシンデレラ』(フジテレビ系)。7月10日に初回が放送され、世帯平均視聴率が6.9%、個人視聴率は4.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録した。
月9ドラマの初回放送としては近年稀に見る低視聴率で、前作の木村拓哉が主演を務めた『風間公親―教場0―』の初回12.1%からは、5.2ポイントも下回る結果となった。
「フジテレビ社内では、森、間宮という話題性の低い主演ということで、放送前から低視聴率は予測していた。ただ、まさか6.9%という低さは想定外。系列局も軒並み視聴率が悪く、火曜の朝に視聴率の速報値が出た際には各所でため息が出たものです」(フジテレビ関係者)
『真夏のシンデレラ』は王道ラブストーリーを謳うドラマ。森が演じる主人公の蒼井夏海は、海の町で育ち、貧乏だけど明るく真っすぐな性格。かたや、間宮が演じる水島健人は、東京大学を卒業し、有名な建築家の父が経営する大手建築会社で働くエリート。たまたま夏海がインストラクターを務めるSUP教室で2人は出会い、生まれ育った境遇はまったく違いながらも、お互いに惹かれ合い恋に落ちていくストーリーとなる。
主役の2人を含め、個性豊かな男女8人が登場する恋愛群像劇。2022年度の「第34回ヤングシナリオ大賞」で大賞を受賞した市東さやか氏が脚本を手掛けている。
「ドラマは最終回に向けて結末が決まっておらず、出演者の芝居や雰囲気で変えると公表されている。視聴者の反応もSNSで見て反映させるそうです。脚本を手掛ける市東さんは新人で、『真夏のシンデレラ』が連ドラデビュー作。新人の生方美久さんを大抜擢し、昨年末に大ヒットした『silent』(フジテレビ系)と同じ売り方です。フジとしては、市東さんは、生方さん同様にしっかりと育てたい逸材。ただ、結末が決まっていないプレッシャーや、初回放送の低視聴率で市東さんはかなり落ち込んでいるようです」(同上)
前途多難な『真夏のシンデレラ』だが、なぜか放送直後にはTwitterで「#真夏のシンデレラ」が世界トレンド1位になる人気に。ある一定のドラマ好きは、違った見方で『真夏のシンデレラ』を楽しんでいるようだ。
「SNSやネット掲示板では、ベタすぎるドラマの演出に書き込みでツッコミを入れるのがブームになった。たとえば、夏海と出会った瞬間、すぐ恋に落ちてしまう健人を演じる間宮の濃すぎる演技にツッコミが殺到。さらに、夏海が片思いしている牧野匠(神尾楓珠)は、人妻の長谷川佳奈(桜井ユキ)に恋しているダメ男。夏海と健人はことあるごとに運命的な再会をするし、水族館や花火、さらに告白など初回からベタな演出が盛りだくさん。一度はどこかで見たことがある演出ばかりで、場面ごとに多くの人がTwitterで実況ツッコミを入れて盛り上がりました」(スポーツ紙記者)
平成に逆戻りしたような、ベタな王道ラブストーリーを展開する『真夏のシンデレラ』。このコントのようなドラマに、中毒者が続出しているという。
「平成の王道ラブストーリーを青春時代に見ていた、40代、50代がメインの視聴者です。伏線回収が複雑だった『silent』とは違った形でTwitterを中心に話題が集まりはじめている。思った通りのベタな展開や演出が続くので、何も考えずに気楽に見られると高評価です。見逃し配信サービスのTVerでは、第1話が終了した時点でお気に入り登録者数は57万人ほどで、今期ではすでに第2話まで放送を終えている坂口健太郎主演の『CODE-願いの代償-』に次ぐ数字。ただ、TVerでダイジェストだけ見ても内容がわかるという声もあり、視聴率は低空飛行を続けそうですが……」(民放関係者)
もちろん、制作サイドも計算の上で奇跡のベタドラマを生み出している。
「ドラマプロデューサーの中野利幸氏は、DVや性同一性障害を扱った『ラスト・フレンズ』(2008)や、当時いち早くTwitterを使った『素直になれなくて』(2010)など、話題作や問題作を作ってきた敏腕です。最近でも『ラジエーションハウス』シリーズや『金魚妻』(Netflix)を制作している。時代を先取る感覚を持っているので、今回の『真夏のシンデレラ』も緻密な計算をしてあえてダサく演出しているそう。ある意味、まったく新しい形のラブストーリーとしてテレビ業界でも話題なんです。平成ドラマのダサさを、令和の時代にどこまで見せられるのか注目です」(同上)
ただの低視聴率ドラマでは終わりそうにない『真夏のシンデレラ』。ベタな展開を確認するためにいつの間にか同ドラマを観る習慣ができてしまうかもしれない。
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