神戸山口組系事務所に今度はダンプ特攻! 分裂問題8年目で再び活発化か
#六代目山口組 #神戸山口組
6月末に起こった、神戸市北区にある神戸山口組・井上邦雄組長宅に対して、六代目山口組系組員がガソリンをまいて放火しようとした事件の余韻がまだ残る中で、7月9日に神戸市西区にある神戸山口組二次団体「二代目西脇組」本部事務所に山梨ナンバーのトラックが突っ込むという事件が起きた。いわゆる「ダンプ特攻」だ。容疑者は逃走中だが、当局はこの事件も山口組分裂問題に関係したものと見ているようだ。
放火未遂事件も、今回の事件も怪我人などは出ていない。だが、神戸山口組に対して、「解散するまでは徹底的にやる」とする六代目山口組の意思表示としては、十分なインパクトがあるアクションといえるだろう。
二代目西脇組本部事務所といえば、過去に神戸山口組の会合でも使用されたことのある施設で、同組の宮下和美組長は神戸山口組で舎弟頭補佐を務めている。2015年8月に神戸山口組が結成された際に、六代目山口組直参という立場から、神戸山口組に参画した組長の1人である。
「山口組直系組長でありながら、離反する形で神戸に参加した組長は、結局は次々に神戸を後にし、現在残っているのは数えるほど。その中の1人が西脇組の宮下組長で、そのほかは井上組長と二代目松下組・岡本久男組長、四代目大門会の清崎達也会長だけ。そして、どの組の勢力も衰退しており、率いている組員もわずかではないかと見られている」(業界関係者)
さらにいえば、その中で、六代目山口組時代に執行部経験のある組長は、井上組長ただ1人となっている。こうなった今も井上組長が神戸山口組を解散させずに、自らも渡世から引退しない意味とは一体何なのだろうか。ヤクザ事情に詳しいジャーナリストは、このように分析する。
「ヤクザの鉄則は、やられたやり返すだが、それが今の神戸山口組にはまったく機能していない。六代目山口組サイドからの攻撃にやられっぱなしという状況が長い間続いています。そうした中にあっても、井上組長は『1人になっても引退しない』と口にしていると言われています。しかし、ここから形成が逆転するとはとても考えられませんし、六代目サイドは、神戸山口組が存続し続ける限り、攻撃の手を緩めることはないでしょう。井上組長としては、もはや自らがヤクザを続ける意味とか組織の存続理由を持っているわけではなく、引くに引けない状態なのではないでしょうか。つまりは意地として、解散、引退を決断しきれないのかもしれません」
そして、そのような神戸山口組よりも、2020年に同組織を離脱した池田組のほうが、もはや神戸山口組よりも経済力があると見られており、最近は、かつては上部団体だった神戸山口組と連合体となる動きを見せたと言われている。そのほかにも、神戸山口組から離脱した組織同士が合流しようとする動きもあるようだ。
対して、六代目山口組は、神戸山口組だけにかかわらず、そうした組織にも攻撃を加え続けて、相手の組織力を衰退化させ続けている。
「神戸を離脱した組織同士で連合を組んだところで、六代目サイドしては、かつて自分のところから割って出た過去を持つ組織については、その存在を認めていない。その考えは、神戸に対するものと同じだろう。組織を解散し、組長が引退するまでは、どこに対しても攻撃の手を緩めないというものだ。実際、現場の組員たちは、行く側も行かれる側も(攻める側も攻められる側も)早く組織を解散させてほしいというのが本音ではないか」(前出・業界関係者)
山口組の分裂劇から、まもなく8年を迎えようとしている中、冒頭に示した事件のように、神戸山口組壊滅に向け、六代目山口組サイドの動きがより活発化していくのかもしれない。
(文=山口組問題特別取材班)
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