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株高トレンド、今後はどうなる?円安との相関関係とインフレ時代の資産戦略

株高トレンド、今後はどうなる?円安との相関関係とインフレ時代の資産戦略の画像1
Getty Imagesより

 4月頃から始まった日経平均株価の上昇が一服している。調整局面を迎える前は、ウォーレン・バフェット氏の「商社株買い増し」発言や、東京証券取引所のPBR(株価純資産倍率)1倍割れ企業への改善要請などもあり、主に海外投資家の買いで日本株が上昇、バブル後最高値を更新した。一方で、為替は円安ドル高のトレンドが続いている。

 この現状について、元日本銀行員で経済評論家・政策アナリストの池田健三郎氏はこう語る。

 「そもそも、日本企業の株価は30年も価格据え置きという“バーゲンセール”状態でした。長年の金融緩和政策で債券は低利回りですし、海外投資家からすれば日本市場に投資するなら株しか選択肢がない。しかも円安ドル高ですから、割安感も大きい。外国人目線でみれば、そういう心理的効果も買いの要因となったでしょう。今後の日経平均は、企業の“稼ぐ力”に加えて円安がどこまで進むかにもよるでしょう」(池田氏)

 近年の円安の背景には日米の金融政策の違いによる金利差拡大があるが、米FRB(連邦準備理事会)は年内にあと2回の利上げを見込む一方で、日銀の植田和男総裁は金融緩和路線を継続する姿勢だ。

 「対ドルで円安が1.6円進むと、日経平均が1000円上がるという相関関係があると、JPモルガンが発表しています。したがって、仮に円安があと6~7円進むとすれば、日経平均はあと4000~5000円上がる余地がある、という見方もできるでしょう。もちろん、きれいに比例するわけではありませんし、円高に振れると今度は輸入産業が儲かるわけですから、単純にはいきません。

 ただし、日銀はすぐに利上げに転ずる可能性は低く、金利上昇で保有国債の含み損が拡大すれば時価で債務超過となり円の信頼を損ないかねないため、極めてゆっくりと少しずつ行う可能性を探るのがやっとでしょう。そういう意味で、今の日銀総裁には超人的テクニックが求められているのです。ただ、仮にうまくいかなくても、『頭脳明晰な植田総裁がうまくいかなかったのなら仕方ない』。皆がそう思えるような人選であったのは確かかもしれません」(同)

 今年4月、バフェット氏が日本の商社株を買い増しすることを明らかにし、6月にはバフェット氏率いる投資会社のバークシャー・ハザウェイが、三菱商事など5大商社の持ち株比率を引き上げたことを発表した。これが日本株の上昇に一役買ったという見方もあるが……。

 「バフェット氏に限らず、投資家の発言は一種のポジショントークとして受け止めるべきでしょう。バフェット氏の投資手法は長期保有が基本ですが、著名な投資家が特定の業種や企業の名を挙げて『買いだ』と言うときは、株価を上げて自分が利益を得るための手段のような気がします」(同)

 池田氏は7月19日発売の新著『「新しい資本主義」の教科書 シン・インフレ時代、あなたを守るお金の心得』(日東書院本社)で「これからは銀行預金やタンス預金では資産は守れない。デフレからインフレへと潮目が変わったことで、資産戦略に関して『動かないこと』はそれ自体が大きなリスクになる」と警鐘を鳴らす。

 近年の物価高騰で投資が注目を集める中、2024年からはNISA(少額投資非課税制度)が拡充される。池田氏は「使える人は積極的に活用すべき」とした上で、こう語る。

 「ただ、NISA対象以外の金融商品にも目を向けるべきです。せっかく投資をするのであれば、わずかな税金を逃れるために、わざわざ選択肢を狭めるのは得策ではありません。そのため、NISAにはこだわらず『利益が出たら約2割の税金を払えばいい』くらいのスタンスで、あらゆる選択肢を検討すべきです」(同)

 日本でもインフレが進む昨今だが、株高トレンドに乗って自分の資産を守りたいところだ。

株高トレンド、今後はどうなる?円安との相関関係とインフレ時代の資産戦略の画像2
『「新しい資本主義」の教科書 シン・インフレ時代、あなたを守るお金の心得』(日東書院本社)

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最終更新:2023/09/21 17:11
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