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韓国が主張する「慰安婦問題」の不都合な真実…韓国政府主導の米軍向け慰安所の実態

韓国が主張する「慰安婦問題」の不都合な真実…韓国政府主導の米軍向け慰安所の実態の画像1
「韓国政府主導の慰安婦を大々的に報じた2023年5月3日付の米紙『ニューヨーク・タイムズ』一面」

 ネット右翼アイコンの両雄、元TBSワシントン支局長の山口敬之氏と、元総務大臣政務官の杉田水脈氏は共に、ベトナム戦争に派遣された韓国軍がベトナム人女性を慰安婦にする慰安所を設けたと事あるごとに主張してきた。慰安婦問題をいつまでも主張する韓国に対し、「お前たちも同じことをやっているではないか」と反論するのが狙いだ。

 当時、ワシントン支局長だった山口氏は2015年3月、『週刊文春』(15年4月2日号)にベトナム戦争中に韓国軍がサイゴン(現在のホーチミン市)に「慰安所」を設けていたとするスクープ記事を掲載した。記事は米国内で発見した公文書に「韓国軍による兵士のための慰安所」の存在が明示されていたとする内容で、元海兵隊幹部の証言も盛り込み文書を裏付けた。見事なスクープ記事ではあったが、山口氏はワシントン支局長を解任され退社に追い込まれる。

 一方の杉田代議士は2015年10月、ベトナムのサイゴンを訪問し、韓国軍の「慰安所」を調査した。杉田氏は米国文書に記載されている韓国軍が運営していた慰安所跡を探し当てたことを自身のブログにアップした。

http://blog.livedoor.jp/sugitamio/archives/8389001.html

 韓国は朴正煕(パク・チョンヒ)大統領時代の1964年から米軍が撤退する73年までベトナム戦争に参戦し、延べ約32万人の兵士を派兵した。山口氏と杉田氏はサイゴンにあった韓国軍の慰安所問題を前面に出すことで、日本に対し慰安婦問題を事あるごとに蒸し返す韓国側を牽制した。

明らかにされる韓国が国内に設けた米軍向け慰安所

 そんな山口、杉田の両氏とネット右翼が喜びそうな記事が今年5月3日付の米紙「ニューヨーク・タイムズ(NYタイムズ)」の一面に大々的に報じられた。 我々日本人は、「慰安婦」というと普通、第二次世界大戦中に日本軍によって「慰安婦」にされた韓国人やその他のアジアの女性を頭に思い浮かべるが、記事は、「1945年に日本の植民地支配が終わった後も、韓国では別の女性グループに対する性的搾取がずっと続いていた。そして、それは自国の政府によって推し進められた」と、韓国軍兵士のための「特別慰安婦部隊」や、朝鮮戦争(1950~53年)中のアメリカ主導の国連軍のための「慰安所」が韓国政府主導のもと設けられたことを明らかにした。朝鮮戦争後、彼女たちの多くが米軍基地周辺に作られた「基地村(キジチョン)」で引き続き、慰安婦として働いた。

 執筆したNYタイムズ、ソウル支局長のチェ・サンフン氏は今回の記事執筆にあたり、基地村で働いていた6人の元慰安婦にインタビューした。その中の一人、チョ・スンオクさんは1977年当時、17歳だった。将来、バレリーナになることを夢見ていたがある日、3人の男に突如拉致され、ソウルの北にある東豆川(トンドゥチョン)の売春斡旋業者(ヒモ)に売られた。バレリーナになる夢を追う代わりに、ヒモに常に監視されながら、近くのクラブに通い、米兵相手に性行為を5年間続ける。

 同記事によると、韓国の最高裁は2022年9月、チョさんのように性的被害を受けた女性100人に対し、基地村における性売買の運営、管理に対する国家責任と女性たちへの人権侵害を認めた。それでも、元慰安婦に支払われる賠償額は約2270(約32万8000円)~5300米ドル(約76万6,000円)と彼女らの悲惨な経験をとても埋め合わせるものではない。

 裁判に証拠書類として提出された資料によると、首都ソウルを囲む人口密集地、京畿道(キョンギド)は1961年、「(米軍を中心とする)国連軍への慰安と士気高揚のために慰安所を準備することが急務」と考え、民間クラブに慰安所運営の許可を与えた。5万人の米兵の相手をするために慰安婦の数も1万人に増えた。

 慰安婦の中には金銭目当てに自らの意思で基地村に入ったものもいるが、チョさんのように拉致されたり、他の仕事の約束で騙されたりしてきた女性も多数いた。一回の性行為の料金は通常5~10米ドルで、米兵から受け取った金はヒモに没収された。

日本の右翼の「慰安婦」正当化を恐れ隠し続けた真実

 韓国政府による慰安所と慰安婦の存在は長らく語られることはなかった。社会学者のキム・グィオク氏が2000年代初め、韓国軍の資料を引用して朝鮮戦争中の慰安婦について調べ始めると、政府が一連の資料を封印し調査にストップをかけた。キム氏曰く、「日本の右翼が自国の慰安婦の歴史を誤魔化すために利用することを恐れた」のだという。

 今と違い、朝鮮戦争後の韓国は軍事力でも経済力でも北朝鮮に遅れを取っていた。韓国を北朝鮮から守る米軍の駐留は国家の存亡に直結する最重要事項だった。

 1969年にニクソン大統領が在韓米軍の削減計画を発表すると、米軍の韓国駐留を繋ぎ止めるための働きかけはより一層激しさを増す。それが後のチョさんのような少女を拉致してまで慰安婦の頭数を揃える極端な行動に繋がったようだ。

 翌70年の国会では、韓国が米軍駐留に伴うビジネス(米軍相手の売春も含む)で、年間1億6000万米ドル(約231億円)の収入を得ていることが報告された。当時の韓国の輸出総額が8億3500万ドル(約1207億円)。その約2割にあたるのだから相当な額だ。

 記事に登場した元慰安婦のパク・クネさんは16歳の時に売春斡旋業者に売られ、その後、米兵から激しい殴打やその他の虐待を受けた。パクさんはNYタイムズの問いに「私たちの国がアメリカと同盟を結び、米兵たちが私たちを助けるために、ここ(韓国)にいることは知っていました。だからと言って、彼らが私たちに何をしてもいいという意味ではありません」と当時を振り返って語った。また、韓国では白人の子供に対する偏見が根強いため、多くの慰安婦が何度も中絶の苦痛に耐えたという。

 当時の韓国政府関係者は、彼女ら慰安婦を「ドル獲得の愛国者」と褒め称え持ち上げた。全くもって都合の良い話だ。ただでさえ、悲惨な人生を歩まされた彼女ら慰安婦だ。せめて彼女らがネット右翼の主義主張のために政治利用されることがないことだけを切に願う。

会社員兼フリーランス・ジャーナリスト。政治、経済、社会ネタを気の向くままに執筆

みつけたろう

最終更新:2023/07/10 13:00
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