『マツコ会議』終了、マツコ“毒舌キャラ”の限界と有吉との決定的な違い
#マツコ・デラックス #有吉弘行 #マツコ会議
マツコ・デラックスがMCを務める日本テレビ系バラエティー番組『マツコ会議』が9月末で終了すると報じられた。視聴率の低迷が終了の大きな要因とされているが、それだけではない事情もあるという。
MC・総合演出のマツコとスタッフが企画編成会議を行いながら、話題のスポットや人物と中継をつなげてトークを繰り広げる同番組。マツコと中継先とのやり取りが番組の大きな軸となっている。
「マツコさんは中継先の素人さんに対して、ときに強くイジるような展開もありました。いわば“毒舌”が持ち味でメディアの売れっ子になったマツコさんなんので、当然の展開ですが、最近では毒舌があまりウケないご時世になっている現状もある」(テレビ局関係者)
多様性を認めていく社会情勢の中、“人を傷つけない笑い”が2020年前後から地上波テレビで増加。一方、昨年の『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)で、毒舌漫才のウエストランドが優勝するなど、“人を傷つけない笑い”に対するカウンターのような動きもある。マツコはこの議論のはるか前から地上波で毒舌を繰り広げていたが、その魅力が伝わりづらくなっているというのだ。
「もはや、強者が弱者をイジるような笑いはNG。ウエストランドのように、弱者が周囲に噛みつくタイプの毒舌じゃないと、成立しにくくなっているのは確かです。マツコは、もはや大御所の域に達しているので、どうしても弱者をイジる構図になってしまうわけで、そこが難しい。
たとえば『週刊さんまとマツコ』(TBS系)であれば、マツコさんが毒を吐いても、さんまさんがバランスをとることができる。でも、『マツコ会議』の場合、マツコさん以外の出演者は基本的にスタッフなので、マツコさん1人が毒を吐く形に。そうなると、面白くできるはずのものでも、そうではなくなってしまうんです」(制作会社スタッフ)
マツコと同じく“毒舌”でバラエティ界の天下にのぼり詰めたのが有吉弘行だ。しかし、昨今の有吉は必ずしも毒舌キャラではない。
「有吉さんは、基本的に“見守りキャラ”に近くなっていますよね。若手芸人のボケをただただ評価する『有吉の壁』(日本テレビ系)での有吉さんはまさにそうですし、『有吉ゼミ』(日本テレビ系)にしても『櫻井・有吉 THE夜会』(TBS系)にしても、VTRの内容やゲストのトークにリアクションするのが基本で、自分から積極的に毒を吐きに行くことはほとんどない。毒舌キャラから見守りキャラにうまくシフトできているのが有吉さんなんです」(同)
有吉とマツコは『マツコ&有吉 かりそめ天国』(テレビ朝日系)で共演中。ここでの有吉はバランサーになっているという。
「マツコさんが毒舌を吐いたり、多少偏った意見を出したときに、そこにうまく乗っかったり、軽く否定したりしてバランスを取っているのが有吉さん。裏を返せば、有吉さんが“見守りキャラ”でありバランサーになったからこそ、マツコさんはずっと毒舌キャラを担うしかないという側面もあります。役割をこなしているだけですが、その結果、立場が徐々に危うくなっているのがマツコさんと言えます」(同)
また、昨今の地上波番組ではとにかく炎上を避ける方向性に進むケースが多い。その中で、時に偏った意見を発することもあるマツコは、ある意味で“危うい”存在になる可能性もあるという。
「以前、ジャニーズ事務所が新しい地図に対して圧力をかけたとして、公正取引委員会から注意されたと報じられたことがありました。このとき、マツコさんは新しい地図について“ジャニーズだったから需要があった”といった趣旨の発言をしたんです。正論かもしれませんが、炎上の火種になりかねない意見だったのは間違いない。そういった意見をズバッと言えるのがマツコさんの持ち味とはいえ、今の地上波にとっては危なっかしすぎる。そういった部分で、炎上を避けたい地上波のスタッフと、マツコさんとの間に微妙なギャップが生まれはじめているのは確かです」(同)
“飽きられたらやめる”などと、自身の引き際について言及することも多かったマツコ。いよいよ引退も現実味を帯びてきたのだろうか。
「マツコさんの起用に慎重になるスタッフがいる一方で、現場の空気を知らないスポンサーなどは、マツコさんとその人気を高く評価している部分もある。それこそ、『マツコ会議』のように単純に視聴率が悪ければすぐに番組も終わりますが、そうではない場合、なかなか動けないというのも現状です。制作サイドとしては、ただただ“炎上しないでくれ”と願うしかない」(同)
いずれにしろ、かつてのようにテレビ界を席巻するばかりの存在ではなくなったマツコ。このまま徐々に身を引いていくのか、それとも有吉のようにキャラクターを変えていくのか?
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