「瓜田純士のカレンダーにひと言言いたい!」瓜田のソウルメイト・原田龍二が突撃してきたワケ
「逃げる選択をする勇気」
瓜田 昔、龍二さんが言葉を書き溜めてる“メモ”を見せてもらったんですけど、自分にしかわからない世界を綴っていて、すごく興味深かったです。あれもカレンダーにするんですか?
原田 今もメモは書いてるよ。どこに出すあてもないけど、それでいいと思ってる。言葉を大切にする生き方も、僕たちの共通点かもしれないね。
瓜田 そうですね。今の時代って言葉が軽く扱われがちだな、と思ってて。僕は芸能人じゃないから、自己責任で好き勝手にYouTubeで発言してると、ネットで顔も出さずに批判してくる奴らが一定層いるんですよね。僕はそのコメントを見ながら「こいつら本当にくだらねえな」という感想しか抱かないんですけど、そんなバカたちの言葉の刃に傷ついて、自ら死を選ぶ人もいる。おかしな世の中ですよね。
原田 批判した人たちは、1秒後には忘れて違う何かを叩いてるからね。それに翻弄されて命を落とすのは、本当にもったいない。
瓜田 もったいないです。逃げられるなら、ツラいことからは逃げたほうがいい場合もある。そういえば、地元の知り合いで、先輩から逃げるために少年院に行った奴がいました。
原田 え? どういうこと?
瓜田 地元の先輩がとにかく怖かったらしくて、警察に飛び込んで「◯年◯月のひったくりは僕がやりました!」って自首をして1~2年少年院に入ったんです。突拍子もないけど、逃げ方としては賢くて、10代の力関係なんて2年もすれば一変するじゃないですか。実際、怖い先輩はそいつが出所する頃にはいなくなってました。
原田 すごい発想。誰でもできる方法じゃないけど、なんにせよ「逃げる」という選択肢は持っておいたほうがいいよね。純士くんの「関係ねぇよ」という言葉は、逃げてもいいよ、というあたたかい気持ちが込められているから、背中を押してもらえる人もいるはずだよ。
瓜田 龍二さんにそう言ってもらえると、自信がつきますね。言葉の力といえば、この前久しぶりに『仁義なき戦い』をNetflixで見返していて、極道たちの言葉の応酬に圧倒されたんですよ。菅原文太さんが発したひと言で緊張が最高潮に達して、その時点ですでに勝負はついている。むしろ、そのあとの殺し合いは観てる人へのサービスシーンなのかも、とすら感じました。本業の龍二さんに言うのもなんですが、俳優の世界は本当にすごいですね。
原田 そうだね。とくにあの頃の大先輩たちは、どんなセリフにも説得力がある。僕は若い頃、太秦にある東映京都撮影所で撮影する機会が多かったんだけど『仁義なき戦い』にも出演経験がある大部屋役者の先輩から、当時の逸話をたくさん聞いたよ。全員本気で臨んでいるから、ケガも絶えなくて、その緊張感が観客にも伝わってくる。メインの役者さんはもちろんだけど、周りのピラニア軍団【編注:東映所属の大部屋俳優集団。時代劇やヤクザ映画で斬られ役や悪役、敵役を演じていた】も、戦争を経験してきた彼らだからこそ、成立していた現場だと思うよ。
瓜田 なるほど……じゃあ、現代の映画界は『仁義なき戦い』は作れないかもしれないですね。昔は「こんなのリアルじゃありえない」なんてブツクサ言いながら観た映画でしたけど、今はまったく違う視点で楽しめるようになりました。
原田 そう! 役者の生き様に説得力があれば、リアルなんか関係ねぇよ!
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