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叶井俊太郎の今日も映画ばっかみてる1

『スパイダーマン』も『ザ・フラッシュ』微妙だった!叶井俊太郎イチオシネトフリ作品

『スパイダーマン』も『ザ・フラッシュ』微妙だった!叶井俊太郎イチオシネトフリ作品の画像1
Netflixオリジナル『タイラー・レイク-命の奪還-2』公式サイトより

 新型コロナウイルスのパンデミック発生以降、外出の機会が減り、密室である映画館に足を運ぶことを躊躇し、映画を観に行く習慣がなくなってしまった人も多いだろう。

 一方で、ライフスタイルの変化も伴い動画配信サイトが頭角を現し、多種多様な映画や映像作品を気軽に楽しめる機会は広がっている。

 マスク着用もなくなり、どんどん日常が戻っていている今『人肉饅頭』や『キラーコンドーム』などのカルト映画から、ある時期のおしゃれ映画の代表作『アメリ』までを買付け、PRしプロデュースなどを担当した映画宣伝プロデューサーの叶井俊太郎に、最近みた映画を聞く本連載。

 ところが、世間で話題の『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』も『ザ・フラッシュ』もぜんぜん駄目だったそうで……一番良かったのはNetflixオリジナルの『タイラー・レイク-命の奪還-2』とのことだった――。

――相変わらず映画ばっか見てると思うんですが、なんかいい作品ありました?

叶井俊太郎(以下、叶井):いや、全然見てない。めちゃくちゃ忙しかったの。エクストリームで2本、制作があるからその準備でめちゃくちゃ忙しい。ネトフリは見ていたよ。

 最近の作品だと『タイラー・レイク-命の奪還-2』(2023)とか面白かった。オリジナルの『タイラー・レイク-命の奪還-』(2020年)※も面白い、傑作だね。観てないなら、すぐに観た方がいい!

※Netflixにより全世界独占配信され、配信1週間で史上最多の視聴世帯数を記録したと話題になった。

――あ、それ知らない。ネトフリの作品ってCMとかやってるわけじゃないし、なかなか掘れてないんですよね。どこがよかったんですか?

叶井:アクションが、ダレない。ハリウッド映画並みに緊迫感あるよね。(主演のクリス・ヘムズワース)傭兵なのかな、こいつ? よくわかんないけど、誰かを助け出すために敵の施設に侵入して。結局、シンプルが1番いいんだよね。立ち位置はよくわからないんだけど、めちゃくちゃ面白かった。

――クリス・ヘムズワースは制作にも関わっているようですね。クリスといえば、マーベル作品の『ソー:ラブ&サンダー』(2022年)は観ました。個人的には面白くなかったけど。

叶井:え、面白いじゃん。ダメ? あ、そう。俺、結構好きだけど(笑)。マーベルのスーパーヒーロー映画『アントマン&ワスプ:クアントマニア』(2023年)は、すげえ面白くなかったな。

 あとCGアニメーション『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』(2023年)も観たな。一応、あれ面白いって捉える人が多いと思うけど、やっぱり実写版を観ちゃっているからさ、そこまでアクションの凄さを感じなかった。ちょっと寝ちゃったな。はい、寝ました。

――あ、そうなんですね。『スパイダーマン:スパイダーバース』(2019年)は評判良かったですが。

叶井:アニメはダメだねぇ~。日本のアニメとかだったら観れるかもしれないけど。あ、あれも観たよ、DCコミックのキャラクターをベースにしたスーパーヒーロー映画『ザ・フラッシュ』(2023年)。でも、よくわからんかったなぁ。

――映画のレビューサイトとか、ツイッターでもわりと好意的に語られてましたけどねぇ。どこがわかんないんですか?

叶井:要するに、世界観がね。何と戦っているのかとか、マーベルはわかりやすいじゃん?地球侵略してくるヤツと戦うとか。フラッシュはさ、多分、地球侵略しにきてんのかね、あれ。バットマンは結局、人間だから、尚更よくわからんのよ。バットマンも超人たちと一緒にいるから、お前邪魔者じゃねえか? って思ってさ。特技ないじゃん、車だけじゃん。あんま活躍してないし。

 なんか『ザ・フラッシュ』の世界観がイマイチこう……感情移入できないということ。結局のところ、よくわかりまへん!

※今作はDCシリーズの12作目の流れになっているため、DCのキャラクターたちが一堂に会すると、流れを掴んでいない人には若干の違和感が生じたり、ストーリーも追いにくくなる。
『ザ・フラッシュ』チートキャラ・フラッシュの待望の単独作…だけどその使い方に難アリ?|日刊サイゾーcyzo.com)

――MCUみたいな、DCシリーズ全体の流れがあるみたいですね。

叶井:でもそれらが全部、組み込まれているわけじゃないし、そうだね。なんで皆がバットマンと仲良くしているのか、わからない。人間じゃん。(フラッシュは異星人なのかも)わかんない、それも。何もかもわかんないのよ。

 話の内容は、前作があるような感じだったけど、『ザ・フラッシュ』自体には前作はないんだね。DCのその超人たちは、視聴者として馴染みがもう薄まっているし、同じアメリカンヒーロー映画ならマーベルと比べると、なかなか興行的にも難しいんじゃない?

※興行通信社の調べによると、『ザ・フラッシュ』は公開初日から3日間で動員13万8000人、興収2億1500万円を記録したものの、同じ時期に公開された『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』は、初日から3日間で動員24万9000人、興収3億9600万円を記録したという。実際に、かなりの差があるようだ。

――たしかにDCだと、スーパーマンとかバットマンくらいしか知らないですもんね。

叶井:そうね。あと、ワンダーウーマンとかは割りと評判だったね。俺はDC作品を観ているけど『ザ・フラッシュ』は、それ以外も全部観ないとわからないし、そもそも過去の関連作品を観ていたとしても内容を覚えていない。その流れで観せるのは、なかなかハードル高いよね。

 お客を呼ぶのは、映像的な斬新さでしょ? 斬新っちゃ斬新かもしんないし、お金もかかってるとは思うけど……。

――他に観た作品は?

叶井:だから、ネットフリックスくらいしか観れていないんだよね。アマゾンプライムで過去のやつを何本か流しっぱなしで、あんま真剣に観てない。何を観たかも覚えてないくらい!

 映画を観ていないフラストレーションからか、愚痴がこぼれる場面もあったが、そんな叶井は6月16日に公開された清水崇監督の最新ホラー映画『忌怪島/きかいじま』(東映)を観に行くのが楽しみだと、胸を躍らせていた。

叶井俊太郎(映画プロデューサー)

かないしゅんたろう 1967年東京都生まれ。フランス映画『アメリ』のバイヤーとして有名なほか、『いかレスラー』『日本以外全部沈没』などの企画・プロデューサーとして活躍。現在は、映画配給レーベル・エクストリームの宣伝プロデューサーを務める。2009年9月に漫画家・倉田真由美と入籍。著書に『突然、9歳の息子ができました』(小社刊)『ダメになってもだいじょうぶ—600人とSEXして4回結婚して破産してわかること』(倉田真由美との共著、幻冬舎)がある。

かないしゅんたろう

エクストリーム

最終更新:2023/07/07 13:00
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