箱根駅伝に噛みついた青山学院大学原晋監督の“真意”
#箱根駅伝
夏に箱根駅伝の話題が出るのはめずらしいが、青山学院大学の原晋監督の発言が、駅伝ファンの議論を呼んでいる。
来年で100回大会を迎える箱根駅伝は、特例で全国の大学が参加可能となるが、27日に「全国化は1回限り」という報道が登場。すると原監督がTwitterで、
まさに茶番劇に終わりそうな箱根駅伝全国化問題。100回大会の地方大学参加、101回大会後の参加継続なし、すべて事後報告!正月から国道一号線を利用させて頂く国民行事。加盟校のみならず、多くの国民のご意見に耳を傾けるべきだと思います。皆さんはどう感じられますか? https://t.co/5gyDAL36DL
— 原晋@hara_daisakusen) June 27, 2023
箱根駅伝全国化は陸上界発展のみならず、今日本が抱えている東京一極集中に伴う地域経済疲弊再生に寄与する大きな問題。決定権限者にこの思想がもてないならばスポーツ人はただのスポーツ人にすぎない。スポーツを通じて社会課題解決できる影響力のあるスポーツ人になるべきだと思います。
— 原晋@hara_daisakusen) June 28, 2023
「ご存じの方も多いでしょうが、箱根駅伝は関東学生陸上競技連盟が主催する大会で、出場権があるのは関東の大学のみ。ただ、記念大会では出場枠を増やすのが恒例で、100回大会は全国の大学に門戸が開かれることとなりました。地元の大学が箱根路を走る姿を見たいという声は多く、原監督も“全国化派”でしたが、どうやら1回だけになりそうだということで『茶番だ』とツイートしたのです」(週刊誌運動担当記者)
関東の大学だけでもこれだけ盛り上がるなら、全国化すれば大会はもっと盛り上がりそう。同時に競技レベルも上がりそうだが、ことはそう簡単ではない。
「箱根駅伝は関東学連が努力に努力を重ね、ここまで大きく育てた大会。視聴率は毎年30%前後に達し、広告効果は絶大で、学校のイメージアップや受験者獲得のツールとして最強です。実際、新興大学が駅伝に力を入れて、校名をアピールする例も少なくない。関東学連がその“既得権”を簡単に手放すはずはありません。
100回大会に関して言えば、関東以外の大学が予選を突破する可能性は限りなく低い。箱根駅伝に出るには、箱根に特化した練習が必要で、すでにノウハウがある関東の大学に立ち向かうのは難しいですし、そもそも箱根駅伝に出たい選手は関東に集まっているので、レベルがまるで違います。関東以外の大学が予選会を突破する見込みはほとんどないのでは」(スポーツライター)
そんなことは原監督が一番よく理解しているはず。それでも全国化を訴える理由は何なのか?
「ひとつは、関東学連における原監督の立ち位置です。彼が指揮を取る青山学院大学は現在、駅伝界最強の大学ですが、箱根駅伝の長い歴史から見れば傍流。青学は長距離以外は力を入れておらず、大学陸上界で大きな勢力ではありません。原監督自身、愛知県の中京大学出身で、箱根駅伝を走ったことはなく、出身校コネクションもない。だからこそ全国化の議論をリードして、イニシアティブを握りたいのでしょう。
もうひとつは出馬の噂です。メディアに積極的に出演し、人気も知名度もある原監督は政界進出の噂が絶えず、都知事選や参院選の候補者として取り沙汰されたこともある。全国化を訴えれば全国の駅伝ファンは喜ぶでしょうし、議論が盛り上がれば顔も名前も売れる。関係者の間では、“政界進出への地ならしだ”と揶揄する声さえあります」(同上)
原監督は「皆さんはどう感じられますか?」と意見を募っているが、賛否は見事に分かれており、議論は平行線。往復200km超の箱根駅伝よりも、長い議論になりそうだ。
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