「テイラー・スウィフト法案」がブラジル国会で提出…チケット不法転売は罰金1800万円に
#ブラジル #テイラー・スウィフト
今をときめく歌姫、テイラー・スウィフトがブラジルで法律になろうとしている。11月に予定されているブラジル公演を前に、チケット購入をめぐる混乱を未然に防止するための法案が国会に提出された。「テイラー・スウィフト法」と呼ばれ、審議が始まった。3月にスタートした5年ぶりのツアー「Eras Tour」で全米を飛び回るテイラー・スウィフトは各地で何かと話題を振りまいているが、1国の法律をも作ってしまうほどの影響力を持つまでになった。
「Eras Tour」は8月から海外ツアーになる。ブラジル公演などを含めた日程は次の通りだ。(カッコ内は会場)
2023年
8月24日 Mexico City, Mexico (Foro Sol)
8月25日 Mexico City, Mexico (Foro Sol)
8月26日 Mexico City, Mexico (Foro Sol)
8月27日 Mexico City, Mexico (Foro Sol)
11月9日 Buenos Aires, Argentina (Estadio Más Monumental)
11月10日 Buenos Aires, Argentina (Estadio Más Monumental)
11月11日 Buenos Aires, Argentina (Estadio Más Monumental)
11月18日 Rio de Janeiro, Brazil (Estádio Olímpico Nilton Santos)
11月19日 Rio de Janeiro, Brazil (Estádio Olímpico Nilton Santos)
11月24日 São Paulo, Brazil (Allianz Parque)
11月25日 São Paulo, Brazil Allianz Parque)
11月26日 São Paulo, Brazil Allianz Parque)
2024年
2月7日 Tokyo, Japan(Tokyo Dome)
2月8日 Tokyo, Japan(Tokyo Dome)
2月9日 Tokyo, Japan(Tokyo Dome)
2月10日 Tokyo, Japan Tokyo Dome)
2月16日 Melbourne, Australia (Melbourne Cricket Ground)
2月17日 Melbourne, Australia Melbourne Cricket Ground)
2月23日 Sydney, Australia Accor Stadium)
2月24日 Sydney, Australia Accor Stadium)
2月25日 Sydney, Australia Accor Stadium)
3月2日 Singapore, Singapore National Stadium)
3月3日 Singapore, Singapore National Stadium)
3月4日 Singapore, Singapore National Stadium)
5月9日 Nanterre, France Paris La Défense Arena)
5月10日 Nanterre, France Paris La Défense Arena)
5月11日 Nanterre, France Paris La Défense Arena)
5月17日 Stockholm, Sweden Friends Arena)
5月18日 Stockholm, Sweden Friends Arena)
5月24日 Lisbon, Portugal Estádio do Sport Lisboa e Benfica)
5月30日 Madrid, Spain Estadio Santiago Bernabéu)
6月2日 Lyon, France Groupama Stadium)
6月7日 Edinburgh, Scotland BT Murrayfield Stadium)
6月8日 Edinburgh, Scotland BT Murrayfield Stadium)
6月14日 Liverpool, England Anfield)
6月15日 Liverpool, England Anfield)
6月18日 Cardiff, Wales Principality Stadium)
6月21日 London, England Wembley Stadium)
6月22日 London, England Wembley Stadium)
6月28日 Dublin, Ireland Aviva Stadium)
6月29日 Dublin, Ireland Aviva Stadium)
7月5日 Amsterdam, Netherlands Johan Cruijff Arena)
7月6日 Amsterdam, Netherlands Johan Cruijff Arena)
7月9日 Zurich, Switzerland Letzigrund)
7月10日 Zurich, Switzerland Letzigrund)
7月13日 Milan, Italy Stadio Giuseppe Meazza)
7月18日 Gelsenkirchen, Germany Veltins-Arena)
7月23日 Hamburg, Germany Volksparkstadion)
7月24日 Hamburg, Germany Volksparkstadion)
7月27日 Munich, Germany Olympiastadion)
7月28日 Munich, Germany Olympiastadion)
8月2日 Warsaw, Poland PGE Narodowy)
8月3日 Warsaw, Poland PGE Narodowy)
8月9日 Vienna, Austria Ernst-Happel-Stadion)
8月10日 Vienna, Austria Ernst-Happel-Stadion)
8月15日 London, England Wembley Stadium)
8月16日 London, England Wembley Stadium)
8月17日 London, England Wembley Stadium)
海外ツアーの皮切りは、米国のお膝元であるラテンアメリカだ。メキシコ、アルゼンチン、ブラジルの3カ国で4都市を回る。年が明けて2024年は東京を皮切りにアジア、太平洋、欧州を巡るツアーとなる。アジアでの開催は日本とシンガポールだけで、東京の3日間はアジア各国から注目を集めることになりそうだ。
既に中南米のチケット販売は始まったが、情熱的な土地柄だけにトラブルも起きている。ブラジル公演のチケットは一部を除き6月12日から販売された。発売の10日以上も前から、チケット窓口の前にはファンが並び始めた。当日は長蛇の列となったが、サンパウロとリオデジャネイロではファンの列に金属の棒など武器を持ったダフ屋が列に割り込もうとした。ダフ屋は抵抗するファンに「殺すぞ」などと言って脅迫したという。また、優先購入をするために高齢者や障害者に変装したダフ屋の姿もあったという。
会場はかなり混乱したにもかかわらず、地元警察のダフ屋に対する取り締まりは甘く、不満を募らせたブラジルのテイラー・スウィフトのファンは、ソーシャルメディアで情報交換をしながら現場の状況を伝えた。
ブラジルでは犯罪組織が警察関係者を取り込んで、取り締まりを免れることが日常化し、治安の悪化の大きな要因になっている。また、司法、警察、行政の腐敗は根深く、公平な社会の実現を妨げている。
一連の混乱でダフ屋ら少なくとも10人が逮捕されたが、テイラー・スウィフトのチケット販売をめぐるダフ屋の不法行為はブラジルの現状をあぶり出す形となり、市民の怒りに火を付けた。
事態を受けてブラジル国会が動いた。ブラジル下院にダフ屋行為の刑罰を強化する法案が提出された。「テイラー・スウィフト法」である。ダフ屋行為は、これまで有罪が確定しても最大で禁固1年だったが、これを4年とする。また、罰金はチケット購入価格の100倍とした。
ブラジルでのテイラー・スウィフトのコンサートチケット価格は1枚約6000ブラジルレアル。米ドルに換算すると約1250ドル(約17万8750円)になる。法案が通れば、チケット1枚を不法転売しただけで罰金は約1797万5000円、10枚さばけば約1億7975万円となる。
ダフ屋行為は地域の犯罪組織と直結する。世界が注目するテイラー・スウィフトのコンサートで犯罪組織が潤うようなことが明るみになれば、ブラジルは非難の的になってしまう。下院の審議はスピード感が重要となりそうだ。
一方、100%を超えるインフレに見舞われているアルゼンチンでは販売価格が、世界的にみると超割安になっている。地元メディアによるとチケット価格は1枚約75000ペソで、米ドルに換算すると約153ドル(約2万1879円)だ。
米国のファンからは、「アルゼンチンまで旅行してテイラー・スウィフトのコンサートを見たとしても、米国内のコンサートチケットを買うより安い」との声が聞こえてくる。テイラー・スウィフトの海外ツアーは、混乱を極める世界各地の現状を映し出す鏡になりそうだ。
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