グラビアアイドルの撮影でカメラマンがキス要求…芸能界の悪しき慣習の実話
#グラビアアイドル #檜山豊
芸能界のみならず、あらゆる職場で深刻になっている「ハラスメント問題」。しかも不名誉ながら我々の住んでいる日本はハラスメント大国と言われるほどで、実際に自分がハラスメントを受けたことがある人や目撃した人は少なくないはずだ。
では実際に皆さんはハラスメントにどのような種類があるかご存知だろうか?「セクシャルハラスメント」や「パワーハラスメント」、そして「モラルハラスメント」などが有名であり、ほかにも無理にお酒を飲ませようとする「アルコールハラスメント」や、出産や妊娠で仕事に支障をきたす場合や育児休暇を取得する女性が受ける嫌がらせ全般を指した「マタニティハラスメント」。さらにセクハラの被害を受けた人が「自分にも原因があったのではないか」「自分から誘ったのでは?」という二次被害を受ける「セカンドハラスメント」などがあり、細かく分類すると50種類以上存在しているのだ。
中にはカラオケで歌う事を強要される「カラオケハラスメント」やお土産のお菓子を配られなかったり、配られたお菓子を半ば強制的に食べさせられる「お菓子ハラスメント」といったとても細かい状況に対してのハラスメントもやまのようにある。さらにパワハラやセクハラなどは上司や年齢が上の人が行っているようなイメージがあるかもしれないが、中高年が職場で年齢に関する不快な発言をされる「エイジハラスメント」もあるのだ。しまいには何でもかんでも“ハラスメント”と言いがかりをつける「ハラスメントハラスメント」も存在しているのだ。
ハラスメントの定義は“相手の嫌がることをして不快感を覚えさせる行為全般を意味する”というものなので、これからも増え続けるのは間違いなく、その証拠に昨今はSNSを利用した嫌がらせ行為「ソーシャルハラスメント」も登場している。
僕は正直、何でもかんでもハラスメントというのは逆に問題な気がしている。麺類やスープをすする音で不快感を与える「ヌードルハラスメント」や告白することで相手に不快感を与える「告白ハラスメント」などは無くて良い。不快に思う人はいるかもしれないがそれを“ハラスメント”と定義することにより、不快に思う思わないということではなく「悪い行為」となってしまうのだ。
体臭や口臭で不快感を与える「スメルハラスメント」などは、その臭い自体、本人のコンプレックスとなっている場合があり、それを「悪い行為」と定義するのはおかしい。例えば嫌がらせをする目的で、生臭い何かを鞄に入れて他者に迷惑をかける行為であれば「スメルハラスメント」と定義されても仕方ないと思うが、体臭や口臭は意図していない場合が多く、加齢臭などは年齢と共に出てくるものであり本人に悪意など無い。
もちろん時代の流れによって昔は当たり前に行われていた行為や、我慢するべき事柄などがハラスメントと定義されるのは問題なく、むしろ個人を尊重しているので良いこととすら思う。なので男らしさ女らしさを強要する「ジェンダーハラスメント」やパーソナルな部分をバカにする「パーソナルハラスメント」、あとは消費者が悪質なクレームをする「カスタマーハラスメント」などはあってしかるべきだ。
このようにとんでもない量のハラスメントが存在する昨今だが、隠れた場所にはまだまだハラスメントは存在しており、それが慣習になってしまっている現場もあるだろう。
僕が過去、芸能界にいたときに、とても悪質な慣習があった。それは「グラビアアイドルの撮影」だ。個人で活動しているグラビアアイドルの撮影会とかではなく、事務所に所属しているグラビアアイドルが行う雑誌の表紙撮影などだ。
いったいどのような慣習があるのか。それはカメラマンの過剰なセクシャルハラスメントだ。僕が聞いた話では、大人数で撮影している中、リアルな表情を引き出す為という理由で、あえて二人きりになり、そして被写体に対して卑猥な言葉を浴びせる。「かわいい」や「綺麗」というありきたりな言葉ではなく、ほとんどの女性が嫌悪感を抱くような言葉を言われるそうなのだ。
さらに度を越えたカメラマンなどはキスをせがむという。それはカメラに対して“キス顔”を要求するという意味ではなく、実際にカメラマンに対してキスをするという意味だ。もちろん僕が実際に体験した話ではないが、僕の先輩にあたる女優さんがグラビアをしていたときに体験したという話なので信憑性は高い。その先輩はもちろんその要求を突っぱねた。するとカメラマンの機嫌がみるみる悪くなり、「キスしないならこれ以上撮影しないけどそれでいいの?」と脅迫じみた言葉を吐き、さらに「だったら他の子にしてもらうからいい。君はほとんど載らないと思っといて」と言われたそうなのだ。その女優さんは怖さと悔しさで号泣してしまい、それ以来グラビア撮影はNGにしたそうだ。
グラビアアイドルという職業は基本的には露出が多い格好で、さらにカメラに対して恋人のような設定で撮影に挑む場合があり、カメラマンが勘違いしてしまった可能性がある。しかしそれはあくまでカメラの向こう側にいる読者に対してしている行為であり、その場にいるカメラマンにしているものではないのだ。公私混同とはまさにこのこと。趣味で撮影をしているインディーズのカメラマンではなく、業界的にはある程度名前が通っているカメラマンがそのような行為をしているということは、界隈では当たり前の行為だったのかもしれない。
この話は一昔前の話なので、今業界がどうなっているかはわからないが、ハラスメント問題が表面化する事例が多い昨今では、その慣習はとうに廃れているかもしれない。
先述した通り何でもかんでも「ハラスメント」というのは、虚構の悪人を作ってしまう可能性があり、とても危険な行為だという考えは変わらないが、ハラスメントの定義が増えたことにより本当の悪人に足枷がつけられたような状態にあり、さらに被害者たちがハラスメントに対して声を上げやすい時代になったのはとても良いことだ。
しかし現代における「誤った規範意識」「間違った正義感」という問題が増えていることから、被害者側も加害者になる可能性があるということを意識しなければならない。
勧善懲悪を示す物語は本来もっとわかりやすかった。ハラスメントももっとわかりやすいものでいい。そして臭いなんてハラスメントにせずに嗅がなければいい。優しさありきのハラスメントなのかもしれない。「12人の優しい日本人」という映画が見たくなった。
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