富士山、山開きも…今年の登山は「避けるが吉」か?
#富士山 #インバウンド
現在、日本はジメジメとした梅雨の真っ最中だが、カラッと晴れた真夏の到来はもうすぐ。コロナもなんとか落ち着き、夏の旅行を計画する時期だが、日本有数の観光スポット・富士山が、今夏は大変なことになりそうだ。
「富士山は、登山客が一番多い吉田ルートの山開きが7月1日に行われ、本格的な登山シーズンが到来しますが、今年は4年ぶりに“行動制限がない夏”ということで、人気が過熱。今年の開山期間は7月1日から9月10日までの予定ですが、すでに各登山ルート上にある山小屋の予約はほぼ満室です。
登山口の5合目から頂上までは、初心者でも7~8時間程度。頂上で御来光(日の出)を拝むため、前の晩から徹夜で頂上を目指す登山客は多く、必ずしも山小屋に泊まる必要はありませんが、弾丸登山をすると高山病になるリスクは高まります。登山で事故を避ける基本は、無理のないスケジュールで行動すること。山小屋で休息を取らずに頂上まで登る人間が増えることで、事故も増えることが懸念されています」(地元在住ライター)
人が増えれば事故も増えるのは必然。しかも富士山の場合、訪れるのは日本人だけではない。
「富士登山は2010年前後からブームになり、5合目から頂上まで人の列が途切れない状態が当たり前に。いかに登山者数を減らすかが課題となり、入山料を徴収するようになりましたが、訪日外国人客の急増もあって、人数抑制は思うようには進んでいません。そのあと、コロナで外出さえままならなくなり、外国人観光客はいったん締め出されましたが、今年5月の時点でコロナ前のほぼ7割まで訪日外国人客数は回復しています。
追い打ちを掛けるのが円安です。コロナ直前の2020年1月、1ドルは100円台後半でしたが、それから3年半が経過し、現在は1ドルが140円台。3割も安くなったことで、今後も、外国人が大挙して日本を訪れることは間違いありません。富士山は、訪日外国人が訪れたい場所として必ず名前が上がる人気スポット。外国人は富士山の混雑事情など知らないでしょうから、当たり前のように富士山にやってくるでしょう」(トラベルライター)
さらに、まったく別の事情もある。
「富士山は今年で世界遺産登録10周年となり、地元ではさまざまな催しが予定されています。世界遺産登録されているのは富士山だけでなく、催しは富士山周辺の広い範囲で行われますが、せっかく山の麓まで来れば、ついでに、という人はいるはず。もともと世界遺産に登録された際、ユネスコは登山者数抑制を求めましたが、地元は観光で潤っているので、規制には消極的です」(前出・地元在住ライター)
富士登山を予定される方は、くれぐれも余裕をもったスケジュールで。
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事