『M-1』以降のランジャタイファンにこそ観てほしい、2人だけの90分冠特番
#お笑い #ランジャタイ #TPの芸人礼賛
「激ヤバ」で「へんなの」だけど熱くて優しい
僕はほぼ初めて『ランもう』で「ネタ以外のランジャタイ」を知ったのだが、もちろん国崎さんが漫才中と同様に暴れまくっていたのだけど、本当にヤバい人だと思ったのは伊藤さんのほうだった。思い返せばネタ中も、国崎さんが何をしていても止めるわけでもつっこむわけでも加勢するわけでもなく、基本「佇んでいる」だけなのはだいぶヤバい。
『ランもう』では「Vネックしか着れない」と言って番組Tシャツをハサミでズタズタに切って改造したり、お宅訪問ロケで昔飼っていたネズミの遺影を部屋に飾っていることが判明したり、立ったままじゃないと大便ができないことを国崎さんにバラされたり、まさに著書のタイトル通り「激ヤバ」な人間だった。しかし、ただヤバいだけかと思えば、番組が終了してしばらく経ったある日の深夜に「また一緒に番組やりたい!」と急に熱いLINEを送ってきたり、情熱も持ち合わせているから不思議だ。
対する国崎さんは、いい意味でちゃんとしていた。僕は国崎さんと同学年なのでほぼ友達感覚で仲良くさせてもらっているのだけど、2人で飲んだ帰り道、おもむろにスーパーに寄った国崎さんはイチゴを2パック購入し僕にプレゼントしてくれた。「娘さんたち喜ぶでしょう」「こういうことをするために稼いでいるんだ」と笑っていた。これは推測だけどきっといろんな人にこうやってお金を使ってるんだろうなと思った。「売れて金使いが荒くなる」というのはよく聞くけど、こんなにも人を幸せにする“荒さ”があるのだと感激した。もらったのがイチゴだったからすぐ家族で食べたけど、イチゴじゃなければ一生部屋に飾っておきたいくらい感動した。カメラが回れば悪態をついたり暴れたりするのに、へんなの。
『ランもう』スタッフは2人のことが大好きだ。収録終わりは必ず撤収まで手伝ってくれるし、差し入れがあってもスタッフが食べるまで手をつけないし、根底がめちゃくちゃ良い人たちなのだ。ヤバくて熱くて良い人な伊藤ちゃん、ちゃんとしてるけどカメラが回るとヤバくなる良い人な国ちゃん、“へんなの”と思うし“激ヤバ”だとも思う2人は絶妙なバランスだ。今後も目が離せない。
2023年6月、ランジャタイは爆売れ、僕は勤めていたテレビ局を辞めて独立と、あの頃とは違う環境にいる中、久しぶりに一緒に番組をやれることになった。もちろん『ランジャタイもういっちょ』とは異なる番組だけど、あの番組が好きだった人は好きなのかなと思うし、嫌いだった人は見ないほうがいいと思う。また『ランジャタイもういっちょ』公開終了後にランジャタイのファンになった人も当然たくさんいると思うので、そういう人たちにもぜひ観てもらいたい。6月30日(金)よる9時CS-TBSチャンネル1『ランジャタイのもういい加減ちゃんとやるTV』お見逃しなく。(編集/斎藤岬)
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