小沢一郎ら立憲民主党議員が野党候補一本化を求める「有志の会」が残念な理由
#小沢一郎 #立憲民主党
国会議員秘書歴20年以上の神澤志万です。
6月21日、国会は予定通りの会期で閉会しました。15日に岸田文雄総理が「今国会での解散は考えていない」と記者団に話したことで、ビュービュー吹いていた解散風が一気に収まり、小幅延長の話もなくなってしまいました。
会期内に出せる不信任決議案は一度だけと決まっており、今回は16日に出されていましたから、もはや「会期末恒例」となっている野党(というか立憲民主党)の不信任案提出もなく、静かに終わることになりましたね。本会議は5分でした。
会期中の解散なら立憲が勝てた?
会期中の解散をめぐって、国会はずっと不穏な感じでした。岸田内閣の支持率はずっと低迷していましたが、G7広島サミットの開催で1月の33%から5月には46%と爆上がりしたため、岸田総理の周辺「だけ」はノリノリで解散する気満々だったのです。
ところが、マイナンバーカードの不備問題が次々と出てきたこともあって、6月の各社の世論調査では軒並み下がってしまいました。さらに、麻生太郎副総理ら自民党の重鎮たちが「公明党との関係修復が先だ」と解散に反対したようです。自民党内の情勢調査の結果がよくなかったことも報道されていますね。そのため「今国会での解散はない」宣言になったのでしょう。
一方で、立憲民主党の泉健太代表は早期解散総選挙に勝算があったようです。党の独自調査では、今のタイミングであれば日本維新の会は候補者の擁立が間に合わず、自民党も得票を伸ばせない、という判断だったようです。維新は次の選挙では全選挙区に候補者を擁立するようですが、すぐにはムリでしょう。立憲が議席を伸ばせば連立与党になる可能性もありますが、党内もまとまっていませんし、どうでしょうか。
あとは国民民主党の動きですね。NHKの調査では、国民民主党の支持率は常に1%程度です。衆議院議員の数は10名ですが、ある調査では「今選挙をしたら6名に減る」との予想が出ていました。なかなか存在感が出せていませんね。しかし、資金はあるし、一部の労働組合からの支援もあるので、党内はみんな強気です。少しくらい議席を減らしても党の存続は可能と思っているようですが、どうでしょうかね。
国民民主は解党して、「維新にすりよる人たち」と「自民党にすりよる人たち」、「どちらにもいけずに立憲にいこうとする人たちで分かれただろうね」という声もコッソリ聞こえてきます。
野党はどこまで共闘できる?
6月16日、小沢一郎衆院議員など立憲の議員有志が共産党などとの候補者一本化を求める「野党候補の一本化で政権交代を実現する有志の会」を立ち上げ、記者会見したことが報道されましたね。
「久しぶりに小沢先生を見たなー」という声も多かったのですが、泉代表が共産党などとの候補者調整を否定していることに異議があるそうで、今後は党執行部への申し入れなどを行うそうです。
呼びかけ人は小沢議員ほか12人、党所属の衆院議員96人の過半数を超える53人が賛同しています。呼びかけ人の1人である小川淳也衆院議員は、映画『なぜ君は総理大臣になれないのか』『香川1区』の出演で知られていますね。
確かに野党の候補者が乱立すれば自民党に有利になりますから、それは避けるべきですが、メンバーが立憲だけでスタートしたのは微妙ですよね。これから増えるのかもしれませんが、「最初から野党一本化できてないやん!」とツッコミたくなりますね。
そもそも、こういう会は野党の超党派で構成すべきです。設立時に各党から代表が入らないと、「立憲の議員たちが自分たちのために集まった会」としか思われないのではないでしょうか。選挙の可能性もあって急いだのかもしれませんが、「残念なスタートだなあ」と思いながらニュースを見ていました。
それに、まだ「秋の解散総選挙」の憶測も消えていませんので、秘書たちは「閉会になっても、ゆっくりできないのか……」とゲッソリしています。
国会議員も選挙のことだけを考えずに、ぜひ閉会中は国民の声を聴いて、景気回復や弱者救済のための制度改革を考えてほしいです。衆議院の解散総選挙は総理の意向でできるため、時期がまったく読めません。
だから「常在戦場」といわれるのですが、前回の総選挙からまだ2年も経っていないのに、選挙という「目先」のことだけを意識して活動するのはどうなのでしょうか。もっと長期的展望からの政策が大切と思います。
それにしても、岸田総理はいろいろ焦っておられるのか、政権運営のスピードを出し過ぎましたね。前から「岸田さん推し」の神澤としては、もっとゆっくり走って、国民に寄り添ってほしいと思います。たまには歩くこともいいですよね。実際、散歩してみると、車を運転しているときにはわからなかった景色に気づきますし、いろんな出会いもあります。
マイナ制度の問題もそうですが、一度立ち止まって、日本がどう進むべきか考える時間を作ってほしいと思います。
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