コア視聴率も絶好調の『オモウマい店』がどんどんハマる“諸刃の剣”
#日本テレビ #中京テレビ #オモウマい店
テレビの存在感がどんどん低下し、今や視聴率が10%を超えれば合格ラインという時代に、毎週2ケタの視聴率を叩き出しているのが、火曜19時放送の『ヒューマングルメンタリー オモウマい店』(日本テレビ系)だ。中京テレビ制作の同番組は、放送開始から2年程度で、全局全番組でも随一の人気番組に上り詰めた。
「ここ1~2年、テレビ離れはいよいよ深刻になっており、視聴率が2ケタに乗る番組は、朝ドラとNHKのニュースを除けば1日に2~3本。とりわけバラエティ番組は視聴率低下が深刻で、2ケタに乗る番組は1週間で7~8本ですが、安定して2ケタを取るのが『ザワつく!金曜日』、『ポツンと一軒家』(ともにテレビ朝日系)、『ザ!鉄腕!DASH!!』と『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)、そして『オモウマい店』です。
『オモウマい店』はほぼ毎回、視聴率が10%を超えており、コア視聴率ランキングでも上位にいます。テレ朝の番組は、世帯視聴率はよくてもコア視聴率がガクッと下がりますし、『イッテQ』と『鉄腕DASH』は制作費が大きい。そのあたりまで考慮すると、『オモウマい店』の優秀さがいよいよ際立ちます」(テレビ情報誌記者)
そんな『オモウマい店』だが、最近の放送では少しずつマイナーチェンジが始まっている。これまでの放送では、個性的な店主や爆盛りメニューが紹介されることが多かったが、最近の放送では、取材スタッフをクローズアップする時間が多くなっているのだ。
「ここのところ『オモウマい店』が気に入っているのが、スタッフをイジる演出です。これまでも、そば屋の店主に密着しているうちに、そばを打てるようになってしまったスタッフ、完全に店の戦力として計算され、家族同様になってしまったスタッフなどがいましたが、最近は、“とにかく花がある店を探すスタッフ”、“警察に出入りする出前を狙うスタッフ”、“1000回通った店がある人を探すスタッフ”など、おもしろい店を見つけるまでのプロセスに注目し、スタッフの苦闘ぶりをそのままVTRにする手法が増えました。
これならおもしろい店や店主が見つからなくても撮れ高が計算できますし、スタッフのキャラが浸透すればそこから番組の固定ファンも生まれる。『オモウマい店』は取材対象が一般人なので、急に取材NGになったり、店に客が殺到して騒ぎになったり、SNSで思わぬトラブルが生まれるようなリスクを考えると、少しでもスタッフを使って尺を稼ぎたいのでしょう」(民放バラエティ番組制作関係者)
もっとも、こういったやり方はメリットばかりではない。
「苦労するスタッフの人間模様を紹介することで、番組によりいっそうの親近感を抱く人は多いでしょうが、スタッフいじりは一歩間違えば“内輪ウケ”になりかねない。番組の熱心なファンは喜ぶかもしれませんが、ライト層が置いてけぼりになる可能性も高く、そこのあんばいは非常に難しいところです。
そもそも『オモウマい店』は“ヒューマングルメンタリー”を謳い、料理よりも人に焦点を当てた番組ですが、画面にドーンと料理が出るインパクトが数字に結びついているのは事実。料理をとるか人間をとるか、思案のしどころかもしれません」(同上)
料理がテーマの番組だけに、さじ加減だけは間違いたくないものだが。
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