トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > エンタメ > テレビ  > 『クレイジージャーニー』スタッフの迷走

『クレイジージャーニー』松本人志の足を引っ張る、スタッフサイドの迷走

『クレイジージャーニー』松本人志の足を引っ張るスタッフサイドの迷走の画像1
松本人志

 ヤラセ騒動で1度は番組が打ち切りになりながら、ファンの熱心なラブコールで復活した『クレイジージャーニー』(TBS系)。しかも、復活と同時に深夜からゴールデンに昇格するオマケまでついたが、激戦区に揉まれて視聴率がどうにもふるわない。松本人志、設楽統、小池栄子と、いずれ劣らぬ超売れっ子が顔を揃えながら、すでに危険水域に入っている。

「『クレイジージャーニー』は深夜時代、ギャラクシー賞や放送文化基金賞など名だたる賞を獲得。ヤラセで打ち切りとなりましたが、再開を望む声は絶えず、2021年の特番が好評だったため、翌22年にレギュラーで復活しました。

 しかし、月曜21時台は『しゃべくり007』(日本テレビ系)や『Qさま!!』(テレビ朝日系)のほか、フジの月9など、裏番組が強いこともあってか、視聴率はいまや3%台を記録することも。頼みのコア視聴率も2%程度に留まり、TVerの登録者数や再生数ランキングの結果も低調で、これでは復活させた意味がない」(テレビ情報誌記者)

 深夜時代のファンには、21時台の放送は早すぎるということなのか。ただ、ファン離れを招くような放送内容の回があったのも事実だ。

「今年2月、水中冒険家に密着した際、スタッフが『見つけたお宝を売ったら高値になったりするんですか?』などと下品な質問を連発して、ネットで批判の声が殺到。さらに、同月の放送でベースジャンパーに密着した際、スタッフがまさかのサンダル履きだったため、ジャンパーに迷惑をかける結果となり、またも批判が寄せられました。

『クレイジージャーニー』は復活に際してスタッフを一新しましたが、視聴者にはヤラセのイメージが残っている。的外れな質問やサンダル履きの件は、スタッフの失敗をおもしろおかしく笑う“演出”だったようですが、ネットには『スタッフが無能すぎる』といった声が溢れかえっており、視聴者には受け入れられなかったようです」(同上)

 そして6月5日放送の最新回でも、スタッフのセンスを疑うシーンが見られた。同回で取り上げたのは51才の現役キックボクサー立嶋篤史。MCの松本とは旧知の仲で、「25年ぶりの再会」という触れ込みだったが、民放バラエティ番組の制作関係者は当日のテレビ欄を見て、目を疑ったという。

「立嶋は16才でデビューを飾り、今回の試合が100戦目というレジェンド。番組では、厳しいトレーニング、謎だらけの私生活、シングルファザーとして育てた息子とのすれ違いなど、彼の生き様が余すことなく描かれていました。対戦相手の名前が『松元仁志(まつもとひとし)』という偶然も、立嶋のドラマティックな人生を際立たせることに。普段とは方向性が違うジャーニー(出演者)でしたが、放送後の反応も概ね好評でした。

 でも、テレビ欄に『神回』と記したのはどうなのか。神回かどうかは視聴者が決めるもので、間違っても作り手が使う単語ではありません。ダウンタウンはかつてある番組で、番組名に『爆笑』という単語を入れるかどうかでモメたことがありますが、それも同じことです。

 結局、自信がないから、スタッフのミスを取り上げて笑いを取りに行ったり、『神回』という単語を使ったりといった小手先のテクニックに走り、視聴者が離れる悪循環に陥っているように見受けます。せっかく魅力的なジャーニーを呼んでいるんですから、ジャーニーのクレイジーぶりをたっぷり見せればいいと思いますが……現場の考えはそうではないようですね」

 いっそもう1回、深夜に戻ったほうがいいのかも。

木村之男(芸能記者、TVウォッチャー)

1972年生まれ、東京都出身。大学時代にライターとして活動し始め、出版社~編集プロダクションを経てフリーに。芸能・カルチャー・テレビ・広告業界などに精通する。趣味はテレビに映った場所を探し出して、そこに行くこと。

きむら

最終更新:2023/06/12 09:00
ページ上部へ戻る

配給映画