岸田首相の長男・翔太郎氏の「公私混同忘年会」騒動と「マイナンバーカード」への不安
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市川猿之助が死のうが「関係ありませんね」
お次は文春のジャニー喜多川問題。今回は喜多川の性加害を罪に問うことはできないのかという“難問”に挑んでいる。
「被害者が肛門性交や口腔性交の場合、当時の法律では強姦罪は成立しなかった。強制わいせつ罪も、暴行や脅迫があって初めて成立した。この件では、ジャニー氏が持つ事務所内での絶対的な権力のもと、少年たちは逆らえない状況に置かれていたため、暴行も脅迫もなく、十三歳以下の場合は罪が成立しなかった。児童に対する性行為は児童福祉法違反にも抵触するが、公判の維持に被害者本人の協力が不可欠で、立件のハードルは極めて高かった」(文春)
では、このような悲劇をこれから2度と生まないために、何が必要なのだろうか。
現在国会で刑法改正案が審議されているが、成立すれば性的関係を合意ができるとみなされる「性交同意年齢」が13歳から16歳に引き上げられる。例えば15歳で被害を受けたと実名告白した元Jr.のカウアン・オカモトの場合は、処罰対象となるというのである。
強制性交等罪という名称も「不同意性交等罪」に変わるそうである。
「罪が成立する要件に、〈経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させる〉という事由が入りました。芸能事務所社長とタレントとの場合にも適用できると考えられます」(性暴力問題に詳しい伊藤和子弁護士)
ジャニーズ事務所もこういう性加害問題が起きないように、再発防止のためにアクションを起こした。そのプレスリリースにはこうある。
「心療内科医の鴨下一郎元環境相が担当する『心のケア相談窓口』を設置、林眞琴元検事総長をトップとする『外部専門家による再発防止特別チーム』を組む。その再発防止策を実行に移す社外取締役に、WBCで侍JAPANのヘッドコーチだった白井一幸氏ら三名が就任することが記されていました」(全国紙記者)
だが、企業統治を専門とする八田進二青山学院大学名誉教授はこう指摘している。
「選定プロセスが明らかでなく、透明性を欠いています。トップも元検事総長の弁護士ですが、弁護士はクライアントファーストです。顧客であるジャニーズ事務所の意向に反するような取り組みを提言できるのでしょうか」
私もそう思う。
それでは、ジャニー喜多川が亡き今、彼を刑事罰に問うことはできないのだろうか。
性被害問題に詳しい川本瑞紀弁護士が民事で問う余地があるというのだ。
「代表取締役であるジャニー氏の不法行為によって生じた損害を賠償する義務が事務所にあるのです」
不法行為による時効は3年だが、民事訴訟の時効は、訴えられた側が時効を主張するかどうかにかかっているというのだ。
「ハリウッドのプロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインは数十年に及ぶ性暴力と虐待で裁判にかけられ、合計で四十年近い禁錮刑に処されました。ジャニー氏の件も同じレベルのスキャンダルで、それでもジャニーズ事務所が時効を主張するかどうかがポイントとなるでしょう」(川本)
まだまだ文春はやる気だ。
ところで、市川猿之助の一家心中未遂事件は、まだまだ多くの謎が残り、猿之助がどのような話を警察や周囲の人たちに話しているかも漏れ聞こえてこない。
現在、自殺未遂者は何度も繰り返すことが多いため、精神病院に隔離されているといわれる。
なぜ、両親に被せたというビニール袋や薬のパッケージを家の近くのゴミ置き場に捨てたのか。
朝7時に、松竹の関係者に「今日は体調が悪いから休みます」という電話を入れたのはナゼか。死にきれずにSOSを発信したのだろうか。
母親と猿之助との間で、どのような話し合いが行われたのか。
なぜ、恋愛関係にあったといわれる運転手兼マネージャーであるAに、「Aを喜熨斗孝彦(猿之助の本名)の養子にし、遺産の全てを相続する」という遺言を残したのか。
今週の文春は、恋人といわれるAの事件後の行動を張り込み、女性と密着しながら帰宅する様子を激写している。
Aは、役者の父親に憧れ、芸能界を志し19歳でデビューしたが、鳴かず飛ばずだったという。
その後、27歳年上の小柳ルミ子と知り合い、彼女の豪邸に住みつくが、やがて小柳が、「彼は自分の足で歩こうとしない。いつまでも甘えられて疲れた」と三下り半を突き付けて破局。
そのあとも、10歳上の女優と付き合うがこれもダメになる。約4年前に猿之助と知り合い、献身的に仕え、彼の心を掴んでいったという。
しかし、それほどまでに愛してくれた猿之助が自殺未遂を起こしたというのに、Aの心は猿之助から遠ざかっていたようである。
5月26日、朝9時50分にAが都内のマンションを飛び出すと、最寄り駅に歩を進めたという。その後、夕方5時ごろ、彼の住むマンションから同世代の女性が警戒しながら外出。
2人が手をつなぎ身を寄せ合って駅前の商店街に現れたのは、翌日の深夜だったという。
文春の記者がAを直撃する。
――Aさんですよね?
「違います。タカハシですけど」
――猿之助さんの遺書にAさんの名前があった。
「人違いだと思います。そのAっていう人自体、僕は知らない人なので」
――さっきコンビニで猿之助さんの記事を見ていませんでしたか?
「じゃあ、お喋りするんだったらギャラいただけますか? 百万くらいいただけますか。先払いでお願いします。あとは、もうご遠慮いただきたい」
そしてこんなセリフを吐く。
――猿之助さんの事件はどういうふうに見ている?
「何も関りないので」
――何の興味もない?
「はい」
――猿之助さんが死のうが関係ない?
「関係ありませんね」
――まったく悲しくない?
「はい。全然」
そしてスマホで110番したそうである。
このやり取りをどう読むか。本心だとは思えないし、女性と一緒だったことを目撃されていることで、やや動揺していたのかもしれない。
だが、猿之助が可哀そうに感じるのは、私だけだろうか。
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