瓜田純士が語った刑務所での壮絶!?エピソード…話題のカレンダーはこうして生まれた
#瓜田純士 #瓜田夫婦 #BreakingDown
昨今、世間を賑わせている「BreakingDown」シリーズでも、突出したタレント性で話題をさらっている“元アウトローのカリスマ”瓜田純士。その瓜田が5月に発売した日めくりカレンダー『関係ねぇよ』(サイゾー刊)の発売を記念して、1日、東京・代々木でトークライブが行われた。
会場となったLIVE STUDIO LODGEは満員札止め。客席を見渡すと、いかにもなアウトロー的な風体の男性や髷を結った力士などの厳つい来場者も少なくないが、よく見れば様々な年代の男女が顔を揃え、瓜田の広すぎるファン層を感じさせる客席となった。
そんな客席を前に、万来の拍手で登場した瓜田。流暢なオープニングトークを経て、おもむろに瓜田が客席に問いかける。
「この中で刑務所入ったことある人、いますか?」
パラパラと手が上がる客席を満足そうに眺めると、瓜田は今回の日めくりカレンダー発売のルーツともいえるエピソードを明かしてくれた。
瓜田にとっての「カレンダーのルーツ」
それは瓜田が刑務所内で「さらにバカなこと」を行い、懲罰房に入れられたときのこと。普段は余暇時間に楽しめるテレビやラジオも遮断された房の中で、瓜田はカレンダーばかり眺めていたという。
「懲罰を20日間課せられたんですけど、20日間となると、気が狂いそうになるんですよ。1日がひたすら長いし、闇の中にいるような感覚なんですけど、やっぱり生きてるわけですから、1日をマイナスにしたくなくて、前向きに考えたかったんです。そこにもカレンダーがあったんですけど、毎日カレンダーとにらめっこして、『あと何日だろう』『まだ10日以上あるのか』って」
瓜田が収監されていた松本少年刑務所には、全国の刑務所から高校教育希望者を募って卒業資格を与える制度があったのだという。
「だからね、ちょっと学があって結構まともな受刑者がいたんです。たまたま僕が懲罰を食らった“ロック部屋”が、そういう優秀な先輩たちの部屋だったんで、カレンダーに、すっごい難しいことが書いてあって。1日が本当につまんなくて、毎日その言葉に向き合ったんですね。で、ある日、いろいろあって懲罰がまた5日間延長となって、審査会から、ガクッと肩を落として帰ってきて、『俺は忘れない、今日という日を絶対に忘れない』と思ったんです。もう全部抱え込んでやろうと思って」
そこで瓜田は、いつものようにカレンダーと向き合うことになる。先輩たちは、今日という日にどんな言葉を書いているんだ。その言葉を、俺は絶対に忘れないんだ。目に焼き付けてやるんだ。
「それで立ち上がってね、カレンダーを見たら、その日、書いてあったのが“マ●コ”のマークだったんですよ。マジで。それまでね、一蓮托生だとか、なんだとか、そういう難しい言葉ばっかり書いてあったんです。それが、その日に限って、そのへんの公園に書かれているような、汚ねえマ●コマーク。俺はね、その日がより忘れられなくなっちゃったんですよ」
そのときから「カレンダーっていいな」という構想が頭にあったという瓜田。今回発売された日めくり『関係ねぇよ』には、もちろん、同じマークは掲載されなかったが……。
「だから、増刷になったら入れましょうよ、マ●コのマーク」
会場の片隅で版元の担当者が頭を抱えていたことは、言うまでもない。
「ずっと瓜田純士を演じてきた」
愛妻・麗子さんとのYouTubeチャンネル『瓜田夫婦』が軌道に乗り、著書もヒットを果たし、「BreakingDown」でも名を馳せるようになると、名もなきチンピラや昔の仲間たちから「瓜田はいいよな」と、後ろ指を指されるようになってきたという。「有名になって、きれいな奥さんもいて、おしゃべりだし、瓜田は成功してるからいいよ」そんな状況に、瓜田は「きっかけになるマインドセット」を教えたいと口にする。「セミナーみたいになっちゃうけど」とタトゥーだらけの顔で苦笑いしながら、瓜田は話し始めた。
「俺はね、ずっとね、幼少期から、自分が一番なりたい瓜田純士をずっと演じてきたんですよ。だから、俺の素の部分は奥さんしか知らない。ずっと俺は俺を演じてるんです」
子どものころ、スーパースターに憧れたという瓜田。その対象は海外のロックスターやムービースターだったという。ガンズ・アンド・ローゼズ、モトリー・クルー、シルベスター・スタローンが演じた『ロッキー』……1980年代に世界を彩った名前が、瓜田の口から次々にこぼれていく。
「そういうスーパースターのマインドが、ずっと引っかかってたんです。若いころはヤクザ張って、いろんなことやってきたけど、どこか空しいんです。こんなこと、アクセル・ローズはやるのかな、絶対やらないよな。そう考えたときに、自分の中で恥ずかしいことをひとつずつ消してった。ロッキーみたいな、自分をえぐるようなヒーローに出会ったときに、自分もそれを演じなきゃいけない。そう思っちゃうんです。今『BreakingDown』の試合後のマイクなんかでカッコつけちゃうのも、自分がカッコいいと思って憧れた人たちの振る舞いなんですよ。自分の中で、『こいつイケてんな』って思った人たちの行動だったりを丸パクリして、自分でそれを演じ続けてきたんですよ、ちっちゃいときから」
実際はヘタレだけど──そう明かす瓜田と、その言葉たちをひと言も逃すまいと固唾を飲んで耳を傾ける客席の瓜田ファン。さっきまで「マ●コマーク」で爆笑の渦に包まれていたのとは対照的に、会場は水を打ったように静まり返っていた。
今は「奥さんに会って瓜田は変わったよね」と言われることが多くなり、麗子さんを褒められることが一番うれしいのだと、照れくさそうに瓜田は語った。
終始、軽妙で真摯なトークを繰り広げて会場を盛り上げた瓜田。その後は『関係ねぇよ』のフレーズ解説と質疑応答を経て、観客全員とのサイン&撮影会が行われた。
最後の観客を送り出すまで、約1時間30分、瓜田はずっと穏やかな笑顔を崩さず、一人ひとり丁寧に頭を下げていた。どこからどう見ても、それは“神対応”そのものだった。
トークライブ後の1時間30分だ。簡単なことではない。
15年前のディファ有明。絶大なカリスマ性を引っ提げ、鳴り物入りで「THE OUTSIDER」に参戦した瓜田は、たった一人で北海道から上京してきた無名の選手に、1ラウンド28秒でブチのめされ、屈辱にまみれた。同年、『ドブネズミのバラード』(太田出版)で作家デビューを果たした後も、刃傷沙汰で世間を騒がせたことも、行方を眩ませたり生死の境をさまよったりしたこともあった。
そんな瓜田が格闘技に打ち込み、麗子さんと出会ったことで、穏やかかつ軽やかな笑顔をたたえるひとりの紳士として、舞台上でスポットライトを浴びている。その全身で、感謝を表現している。
人は、変われるのだ。
人生を180度変えた瓜田純士の、ずっと変わらない言葉たちが、日めくり『関係ねぇよ』には詰まっている。
(文=編集部)
日めくりカレンダー『関係ねぇよ』
著者・瓜田純士/写真・尾藤能暢/発売・サイゾー/定価・1300円+税
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内容は【こちら】の記事でご確認ください。
●瓜田純士(うりた・じゅんし)
1979年、新宿歌舞伎町生まれ。父親は伝説の暴走族ブラックエンペラーの二代目総長。少年時代を不良として新宿や杉並区で過ごし、やがてヤクザへ。獄中で物書きに目覚め、出所後、作家に転身。総合格闘技大会『THE OUTSIDER』旗揚げ戦に参戦後、数々のスキャンダルが話題になる一方、関東連合と対立する友達を描いた『遺書』(太田出版)、『アンサー』(サイゾー)など著書多数。YouTubeチャンネル『瓜田夫婦』の登録者は33万人を超え、1分間最強を決める格闘技大会「Breaking Down(ブレイキングダウン)」にも参戦を続けている。
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