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『上田と女』若槻千夏の“ピー音”が「内輪ウケ」と炎上、次にやり玉にあがりそうなのは…

『上田と女』若槻千夏のピー音が「内輪ウケやめろ」と炎上、次にやり玉にあがりそうなのは…の画像1
若槻千夏

 バラエティ番組では当たり前の手法となっている自主規制音、通称「ピー音」。テレビで放送できないトークに「ピー」という音を被せ、視聴者に聞こえないようにするテクニックだが、出演者やテレビマンには便利なあのやり方もそろそろ限界かもしれない。

 5月24日に放送された『上田と女が吠える夜』(日本テレビ系)で、若槻千夏は、自分が嫌がらせをされた先輩タレントの話をしたが、肝心の部分で「ピー」音が登場。視聴者からは不満の声が噴出した。

「今回の若槻の場合、その相手が『もう(芸能界に)いない』と言っているので、実名を出すのは絶対に無理。それならカットするのが筋ですが、ひな壇のトーク番組には流れがあり、一部分だけカットすると前後の辻褄が合わなくなったり、トーク全体が成立しなくなったりしてしまうので、ピー音を使わざるを得なかったのでしょう。

 もっとも、若槻レベルのベテランなら、自分が話すことが放送で使えるかどうかは理解しています。それでも実名をブチまければ現場は盛り上がりますし、“ぶっちゃけキャラ”として評価されます。さらには『せっかくしゃべったのに放送では消された』と新たなトークのネタもできて、良いことずくめ。そこは彼女なりの計算があってのことでしょう」(民放バラエティ番組制作関係者)

 視聴者を楽しませるためには、まず出演者が楽しむことが大事──『上田と女』を見ると、制作側のそんな思想が透けて見える。だが、昨今のテレビについてよく言われるのが、「番組に出てる芸能人が楽しんでるだけ」「我々はそれを見させられるだけ」という批判だ。

 ピー音はその筆頭だが、いつ批判の的になってもおかしくない“要注意番組”は多い。キー局関係者が挙げるのは、お笑い界の頂点に君臨するダウンタウン松本人志の番組だ。

「『人志松本の酒のツマミになる話』(フジテレビ系)は、『人志松本のすべらない話』のフォーマットを利用したものですが、『すべらない話』は出演者がしゃべりのプロである芸人で、彼らが厳選したエピソードを話すのに対し、『ツマミになる話』は出演者が一般芸能人で、しかも酒が入るので、しゃべりの面だけで言えば明らかにクオリティが低い。企画はおもしろいですが、言ってしまえば、芸能人の飲み会をテレビで流しているだけ。この番組は『ダウンタウンなう』の1コーナーを正式に番組にしたものですが、『ダウンタウンなう』の視聴率が振るわないので、窮余の策でレギュラー化したもの。深夜ならまだしも、プライムタイムで毎週やる番組ではないのでは」(キー局関係者)

 全曜日・全チャンネルで冠番組を持つ偉業を達成した有吉弘行も、危険信号が点っている番組はある。芸能関係者は言う。

「櫻井翔と有吉弘行の共演が実現した『櫻井・有吉 THE夜会』(TBS系)は、今年放送9年目ですが、今年に入って企業ベッタリの企画を連発するようになり、これは危険な兆候です。企業がプッシュする売れ筋商品がスタジオに並び、タレントがそれを褒めまくる図は、まるで通販番組。ソファーに座ってくつろいだ姿勢でトークを展開し、その合間に美味しいものに舌鼓を打つだけで、視聴者は完全に置いてけぼりです」(芸能関係者)

 そして、来年には30周年を迎えようかというあの長寿番組も、「出演者が楽しんでいるだけ」という批判は多い。

「『ぐるナイ』のゴチバトルは、すでに20年以上も続く名物コーナーですが、“人がおいしいものを食べているのを見て、何が面白いのか”という声は、開始当初から少なくありません。不景気な時代しか知らず、未来に明るい希望を持てない若者は、芸能人が豪華な食事を食べ、10万円単位のお金を払う光景を見て、本気でヒいています。“楽しむべきは出演者やスタッフでなく視聴者”ということに気付かないようでは、テレビはいよいよ終わりでしょう」(エンタメ誌デスク)

 “嫌なら見るな”というなら、それも1つの見識だが、内輪の馬鹿騒ぎを続ける業界に未来はあるのか。

木村之男(芸能記者、TVウォッチャー)

1972年生まれ、東京都出身。大学時代にライターとして活動し始め、出版社~編集プロダクションを経てフリーに。芸能・カルチャー・テレビ・広告業界などに精通する。趣味はテレビに映った場所を探し出して、そこに行くこと。

きむら

最終更新:2023/05/31 19:00
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