「THE SECOND」で「キングオブコメディ」というワードを出した三四郎の漫才の斬新さ
#キングオブコメディ #三四郎 #THE SECOND #馬鹿よ貴方は 新道竜巳
5月20日に「THE SECOND」がフジテレビで19時から4時間放送された。そこに出演していたのは金属バット、マシンガンズ、スピードワゴン、三四郎、ギャロップ、テンダラー、超新塾、囲碁将棋の8組。ギャロップの優勝で幕を閉じた。
そこでの三四郎の漫才が非常に珍しく面白かった。というのも固有名詞が多くそこに知名度への配慮すら感じられない羅列だったからだ。「新宿カウボーイ」「HEY!たくちゃん」「キャイ~ン」「タモリさん」「出川哲郎」「ダウ90000」「サンドウィッチマン」「佐久間宣行」「キングオブコメディ」。これが1本目のネタに使われた固有名詞だ。
さらに自分が売れたきっかけや、コンビ格差などもネタに入れ込んだ。このネタは三四郎の全てが入っていたかもしれない。使った固有名詞の知名度にもムラがある。マニアックなネタであった。三四郎の小宮浩信さんはワード選びのプロとしても定評がある。「バチボコ」なども発明し、漫才に入れて他の芸人が普通に漫才で「バチボコ」を使っていたりするぐらい広まっている。その中でも固有名詞のセレクトが巧みなのでライブによっては物凄いうけるキラーワードが沢山放り込まれていた。
決勝戦でもあまりマニアックだとお客さんがそこまでついていけていない部分もあった。そこに入れ込んできた固有名詞「キングオブコメディ」は賞レースの決勝で聞けたことには鮮度があった。キングオブコメディとはキングオブコント2010の優勝者で、高橋健一さんの不祥事により、2015年に解散。相方の今野浩喜さんは役者として活躍している。チャンピオンというだけでなくネタへのリスペクトが強い芸人さんも多い。芸人からすると記憶に残るコンビだっただけにこのタイミングで聞けるのかと予想を大きく裏切られた。会場も拍手や笑いが起きていた。
三四郎の漫才は斬新でとても面白かった。しかし漫才の賞レースは固有名詞があまり良いとされてない暗黙の了解があり、その固有名詞がマニアックならマニアックなほど劇場ではウケるが、それとは反比例するように賞レースでは評価されてこなかった。
今回のTHE SECONDはお客さんの評価のみというのが良い方向に働いた。現場で面白かったら点が入るシステムだっただけに現場を大いに笑わせた三四郎は落ちる要素がなかった。もしこれがプロの審査員が審査したうえで行っていたらテレビで三四郎の漫才は見られなかった可能性が高い。ウケていたのに落とされたという流れになっていたかもしれない。
R-1グランプリ2022優勝のお見送り芸人しんいちは2本目のネタで固有名詞をバンバンだして笑いを誘い賛否両論ある中優勝した。勿論有名な人ばかりを出したのだがそこへの評価は色々あったが優勝をもぎ取ったのは記憶に新しい。またM-1グランプリ2022優勝のウエストランドがR-1グランプリに夢がないというフレーズでインパクトを残して優勝したというのもあり、劇場ではウケるマニアックな単語が賞レースの決勝で見れるように、この数年で急に増えてきたというのも今回三四郎がテレビまでコマを進められた理由かもしれない。
元々三四郎の漫才はそういうマニアックな部分も面白いというのが魅力だったが、賞レースで決勝にコマを進めた事がなかった。今回は時代に選ばれたと言われてもおかしくないような気がしてならない。
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