「知らなかった」は通じない…“一卵性母娘”ジャニーズ事務所・ジュリー社長とメリー氏の関係
#ジャニーズ #本多圭
ジャニーズ事務所創業者の故・ジャニー喜多川氏(享年87)によるタレントへの性加害問題をイギリスの公共放送「BBC」が報道してから約2カ月。
先日、ようやくジャニーズ事務所の藤島ジュリー景子社長が、初めて「深くお詫び申し上げる」と被害を訴えるタレントに謝罪し、性加害問題について書面で見解を公表したが、騒動は沈静化するどころか、納得しないファンでSNSは大炎上。これまで見て見ぬふりをしてきたメディアも取り上げ始めたことで、騒動は加熱する一方だ。
「日本の大手メディアを抑えているジャニーズ事務所としては、“嵐”が過ぎるのを待てば何とかなると高をくくっていたのではないでしょうか。ところが、『BBC』の報道を受け、他の被害タレントたちが、以前からこの問題を追及してきた『週刊文春』に次々と告発を寄せたうえ、ジャニーズファンが始めた性加害の検証を求める署名も1万6000筆にのぼった。騒動を無視できず、ジュリー社長は謝罪動画を公開しましたが、会見を開かず、書面で一方的に見解を表明したこと、ジャニー氏の性加害に関して“知らなかった“と発言したことで、騒動は収束するどころか、炎上状態ですよ」(芸能ライター)
ジャニー氏の性加害に関しては、2004年、「週刊文春」に対する名誉棄損裁判で、東京高裁が事実認定(裁判ではセクハラ)しているが、ジュリー社長は、「知らなかったでは決してすまされない話だと思っておりますが、知りませんでした」とコメント。
ジュリー社長は当時、すでに事務所の幹部だったが、ジャニー氏と母親のメリー喜多川氏の2人だけが会社運営を掌握していたため、自身は「知らなかった」として、ジャニー氏の性加害について「『事実』と認める、認めないと一言で言い切ることは容易ではなく」と明言を避けた。
「たしかに、事務所の実権を握っていたのは、ジュリー社長の母親で“女帝”と呼ばれていたメリーさんで、ジャニーさんも、業務内容としてはタレントのプロモーションが大半でしたから、実務には一切タッチしていませんでした。ただ、メリーさんはジュリーさんを後継者にするために、1997年、ジャニー氏への相談もなく、『ジャニーズ・エンタテイメント』を設立すると、ジュリーさんを初代社長に就任させ、二人三脚で事務所を支えてきました。ジャニーさんの性癖を、ジュリーさんがまったく知らなかったとは考えづらい」(ジャニー氏と親しかった大手レコード会社元役員)
母娘を知る元女性誌記者も、「メリーさんとジュリーさんは、“一卵性母娘”と言われたほどで、隔週女性週刊誌『微笑』(休刊)にジュリーさんと、所属タレントである東山紀之との結婚話が報じられた際には、一諸に担当編集者を六本木の店に軟禁して、明け方まで抗議したほどです。ジャニーさんの性癖について、知らなかったのではなく、見て見ぬふりをしたのではないですか」と振り返る。
もっとも、見て見ぬふりをしてきたのは、多くのメディアも同じだ。
前出の大手レコード会社役員は、「後継者と目されたジュリーさんを陰ながら支えてきたのは、現在、副社長のC氏。彼は長らく広報としてメディアを巧みに操縦してきましたが、メディアもそれに甘んじてきましたから」と言う。
「これまで、フォーリーブスの故・北公次さんはじめ、何人もの元タレントたちがジャニー氏から受けた性被害を告発してきましたが、そのたびに事務所からマスコミに“後追いしないでくれ“と圧力をかけられてきた。活字媒体の人間は、日頃からジャニーズ事務所に接待漬けにされ、優先的に情報を流してもらっているため、見て見ぬふりをしてきたんです」(前出の芸能ライター)
筆者も、97年8月に、ジャニー氏の少年愛を含めたさまざまな問題を取り上げた『ジャニーズ帝国崩壊』(鹿砦社刊)を上梓しているが、出版後に偶然とある場所でC氏に遭遇した際、「(ジャニーさんの疑惑について)書かないでよ」と、声をかけられたことがある。
C氏は現在、ジャニーズ事務所のナンバー2。いくらジュリー社長が「知らなかった」と言っても、疑惑は広がる一方だ。
「ジュリー社長は、自身の経営責任について『責任はあった。私が辞職する選択も考えた』と言いながら退任せず、問題に向き合うことを選んだと言っていますが、被害者もファンも納得しないでしょう」(前出の大手レコード会社元役員)
実際、ジュリー社長の謝罪を受け、NHKをはじめ、『news23』(TBS系)、『news zero』(日本テレビ系)なども問題を報道。騒動は沈静化するどころか、ますます加熱している。
「遅まきながら、NHKが5月17日の『クローズアップ現代』で検証番組を放送したほか、TBSも『news23』で特集を組む予定だといいます。また、ジャニー氏からの性加害を告発した歌手のカウアン・オカモトさんと俳優でダンサーの橋田康さんが、立憲民主党による『性被害・児童虐待ヒアリング』で国会を訪れ、被害を証言しました」(前出の芸能ライター)
立憲民主党は、ジュリー社長にも同ヒアリングに出席するよう、今後要請していく考えを示している。
「ジュリーさんが、国会でのヒアリングに耐えられるとは思えません。それに、メディアが大きく取り上げることで、ジャニーズタレントが出演するCMや番組のスポンサー離れが加速するかもしれません。ジュリーさんは、辞任に追い込まれる前にイチから出直したほうが賢明だと思いますよ」(前同)
ジャニー氏の性加害騒動は、ジュリー社長の謝罪で、新たな展開を迎えている。ジャニーズ帝国の崩壊が、一歩ずつ近づいているようだ。
(文=本多 圭)
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事