「THE SECOND」笑いの量で勝っていたマシンガンズが優勝できなかった本当の理由
#マシンガンズ #THE SECOND #馬鹿よ貴方は 新道竜巳
5月20日に「THE SECOND」がフジテレビで19時から4時間放送された。そこに出演していたのは金属バット、マシンガンズ、スピードワゴン、三四郎、ギャロップ、テンダラー、超新塾、囲碁将棋の8組。ギャロップの優勝で幕を閉じた。
尻上がりに盛り上がったマシンガンズは準優勝だったが、優勝以上のインパクトを残した。なぜ優勝できなかったのか。今回は1回目というのもあり、ネタ時間6分の使い方が分からないまま決勝メンバーも決まったという感じだった。そんな中、この大会で許されていた表現方法として、出演者いじり、固有名詞で掴みを取るのはいい、という部分だったんじゃないだろうか。その場にいない芸人の名前でも面白いならバンバン掴みやネタに入れてもいいんだよ、というふうにも見て取れた。
ここが今までの賞レースとは大きく違う部分だったんだと思う。本来、他の賞レースでやるネタは3~4分で本ネタ以外のネタを入れるスペースがないというのもあり、笑いになっても作品以外の雑味の笑いの部分を入れるのは良しとされていなかった風潮があった。しかし、今回6分間というネタ時間、2回戦からのお客さんが200人くらい、かつそのお客さんがわりとお笑いに寛容で、勝敗のカギを持っている。というのもあり、今までと違う戦いが許されたようにも感じられた。
そして、その流儀がマシンガンズにとても合っていたようにも感じた。本ネタに入る前に出演者をいじる。アドリブか台本か分からない技術力はマシンガンズ、次に三四郎がトップレベルだったようにも見て取れた。
準々決勝は金属バットvsマシンガンズの戦い。269対271でギリギリマシンガンズの勝利。自分らの営業先での珍事件、フリートークのような軽快な話で会場の笑いを誘っていた。
そして準決勝、マシンガンズvs三四郎の戦い。284対256とぶっちぎりでマシンガンズの勝利。掴みから準々決勝での出来事を話す。司会席にいる松本人志さんをもいじるという入りで会場は大盛り上がり。本当に面白ければなんでもいいという形の漫才がそこにはあった。内容は自分らのエゴサーチの話、マシンガンズが「嫌い」というファンに対しての自虐を続けて笑いを取るという形で、二人ともプリントした紙を持って読み上げながら漫才をした。
「紙を持ってきたところがどうなるかというところですね、プロの審査員なら……」と、松本さんもその部分は不安を言っていたが、「THE SECOND」はお客さんの審査、2組とも枠にハマらない漫才というのもあってか、マシンガンズが容赦なく得点をとる。
そして決勝戦、マシンガンズvsギャロップ。「事実上の決勝は終わりました」と自虐から始まり、松本さんにハマっていない不満を冒頭で話して、ネタがないと不満を言い続け、お客さんを盛り上げていく。お客さんの感度は凄く良い。凄いウケていたが負けてしまった。ポイントはウケていた場所を言語化して無効票にしてしまった部分にあったのかもしれない。賞レースは誰もがウケたまま優勝するわけではなく、やはり勝ち上がっていくにつれ、ネタが明らかに弱くなる場合もある。しかし、そこで勝ち切り優勝する場合もある。
マシンガンズは現場のお客さんの笑いの量を常に肌で感じながらコントロールしていた。それが3本ネタをやれた技術でもあるのだが、ちょっと盛り上がりが欠けたことに対して「ちょっと笑いが少なくなってきましたね」と言語化してしまった。現場のお客さんはその言葉で盛り上がるのだが、脳裏には盛り上がっていないの文字が刻み込まれてしまったのかもしれない。
そして、時間があるからもうちょっとネタをやろうと漫才中に話し「俺そんな振りで漫才やるの恥ずかしいよ」と自らの漫才の構成にツッコむという部分も入れてしまった。そうなってくるとお客さんはいい漫才をしたという認識から離れてしまったのかもしれない。さらに「ネタがない」という話題の部分に重くのしかかり、ネタなのか、本音で偶然ウケているだけなのか、お客さんが評価しづらくなってしまったのかもしれない。
246対276で圧倒的にギャロップが優勝した。笑いの量ではマシンガンズだったが、信念を貫き通してギャロップの漫才に軍配が上がった。結果、自らの漫才をも腐してしまったマシンガンズに点数を入れる人が極端に減ってしまったという事なのか、それともテレビで見たので現場はもっと違う事になっていたのかは分からない。
『THE SECOND』松本人志の発言から見えた「松本基準」への違和感
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