TBSが「音楽の日」「お笑いの日」、お次は「SGDsの日」…大型特番連発のある目的
#テレビ #TBS #SDGs
番組改編期や年末年始のテレビ欄には、普段の放送スケジュールの枠を取っ払った長時間の特番が登場するが、TBSは5月20日、“通常期”では異例の8時間ぶち抜きの特番を放送した。
TBSは5月14日から20日まで「地球を笑顔にするWEEK」というキャンペーンを行っており、その仕上げとして放送されたのが、8時間にわたる生放送番組『一緒にやろう SDGsの日』だったのだ。
「2020年代に入ってSDGsに対する社会の関心が一気に高まり、各テレビ局はこぞって啓発番組を作っていますが、とりわけ力を入れているのがTBSです。20年に各局に先駆けてSDGsプロジェクトを始めると、21年以降は年2回ペースでSDGsキャンペーンを行っており、今回は第6弾でした。
期間中はどの番組もSDGsをテーマに取り上げ、人気番組が連動してキャンペーンを展開。同局の番組に出演するタレントが“大使”に任命され、キャンペーンのCMに登場したり、特別番組に出演したり、啓発活動に参加したりと、PRに努めます」(テレビ情報誌記者)
環境、エネルギー、自然保護など、世界が直面する課題解決のためSDGsの重要性を周知する意義は高い。しかし、その背景には“ビジネス臭”がプンプンと漂っている。
「民放各局には、1年単位でプロジェクトが進められる超大型番組がいくつかあります。例えば、日本テレビなら『箱根駅伝』と『24時間テレビ』。フジテレビなら『27時間テレビ』などですが、TBSで思い当たるのは、春と秋の改編期に放送する『オールスター感謝祭』くらいでした。
しかし、2011年に東日本大震災が発生し、“日本を元気づける”というコンセプトで『音楽の日』という音楽特番を放送すると、これが大好評を博して翌年以降、定番に。これに味を占めたTBSはそのあと、『報道の日』『お笑いの日』と、次々と新たなプロジェクトを始めたんです。今回、そのラインナップに新たに『SDGsの日』が加わったというわけです」(キー局関係者)
こうなると、次は「スポーツ」か「子ども」あたりだろうか。こういった超大型特番にはどんな狙いがあるのか?
「ひとつは、シンプルに視聴率が取れることです。大きな花火を打ち上げれば、振り向く人は必ずいるもの。お祭り感を出せば、なんとなくチャンネルを合わせる人はいるでしょうし、番組の切れ目がないので、延々と見続けてしまうパターンも多い。最高の成功例が『24時間テレビ』の100kmマラソンです。
問題解決というテーマを掲げれば、社のイメージ向上が期待できますし、それならスポンサーも集めやすい。実際、今回の『SGDsの日』では、取り組みを紹介する中で巧みに企業名がアピールされており、あれならスポンサーも大満足だったはず(苦笑)。このほか、社員の士気向上、系列局との関係強化、番組連携による新規視聴者の掘り起こし、局アナの知名度アップなど、うま味はいろいろあります」(広告関係者)
もっとも、予算と手間を掛けて大型番組をやれば、必ず成果に結びつくほど甘くはない。
「フジテレビが2021年と22年に放送した『ラフ&ミュージック』は、“歌と笑いの融合”をテーマに掲げ、双方のファンを取り込む狙いでしたが、フタを開けてみれば視聴率は2ケタに届かずじまい。お笑い、音楽双方のファンから不満の声が上がる結果になりました。放送は2回とも夏でしたが、今年もやるのかどうか……」(同上)
何ごとにも“タイパ”が重要視される時代に逆行する、長時間番組の未来やいかに。
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