「Breaking Down」オーディションの「殺すぞ」で大爆笑をさらったひかぴーの戦略
#馬鹿よ貴方は 新道竜巳
YouTubeでバズっている動画と言えば最近は「Breaking Down」ではないだろうか。5月で8回目となるが、毎回オーディションがハラハラさせられる。今回はまた一風変わって高校生だけのオーディションの時間があった。そこでひときわ目立っていたのが通称ひかぴー。高校1年生で負けを知らない男とキャッチフレーズがつき、自己紹介では「福岡から金ないのでヒッチハイクで来ました」と常にイライラしている様子。
このオーディションは今までの「Breaking Down」とは違った見応えがあった。それは、温度差だと思う。今回高校生の部で一番目立ったのは先ほど紹介した「ひかぴー」だが、怒り倒しているのに反して体はガリガリで身長も高いわけでもなく、決して強そうとは思えないのも魅力の一つだった。なので、どれだけ揉めようと会場からは笑いが起こってしまう。どれだけ怒っても怖くないというのは、今までの「Breaking Down」ではなかったかもしれない。
そして、会場で同じオーディションメンバーと揉める時に発した「殺すぞ」。これが緊張感と反比例して大爆笑になった。そして揉めるたびに、会場では笑いが起きる。本人はその笑い声に苛立ち「何笑ってんだよ」と言うと、また会場は笑いの渦になる。ひかぴーにシャドーをしてもらう事になり、すると想像通りの気合いだけで参加したとも取れる光景が起こり、裏切らないキャラクターという事で笑いが起きていた。
その光景を見た、ひな壇に座っていたバン中村から「放課後みてえだな」とガヤも飛んできた。高校生同士どれだけ威嚇しても怖さがなく、お笑いコーナーのようになっている中、静かに座っている姫路から来たという「新原遡良」の存在が不気味で気になった。2、3年前にキックボクシングをやっていたということで試合経験13戦しているという。体格も他の応募メンバーよりしっかりしている。そして物静かであまり言葉を発さない。
応募メンバーの「藤井加津也」とシャドーボクシングをした時も2人とも様になっており、「強いな」と言われた。実力ではこの2人が手堅いのだが、話題性という部分ではひかぴーが非常に魅力的だ。高校生オーディション8人の中から1試合だけ組まれるので、今回はひかぴーに軍配があがりそうだ。
そして、すぐにひかぴーは朝倉未来チャンネルに呼ばれ対談をする。今回一番興味を持ったのがひかぴーだと朝倉未来は言う。そこで後日ひかぴーは学校に行ったら校長先生から呼び出されて、不安になりながらも行ったらオーディションを見ていたらしく、校長先生が「Breaking Down」のファンだと言う。もはや社会現象だ。
オーディション後、動画のコラボが忙しくて1週間学校を休んでいる時に高校にバット持った奴がバイクで5人ぐらい来たという昔のヤンキー漫画のような事も起きていたそうだ。朝倉未来本人が「でも朝倉未来がバックについてるからね。ひかぴーになんかあったら本当に覚えとけよ」と動画ですごむシーンもあり、ひかぴーのこれからは安泰を約束されたようにも見えた。
そして、このひかぴーだが、意外と戦略的な面もあって今回のオーディションでYouTubeのチャンネル登録者が1万人増えて4万人になったという。元々3万人いたということになる。見てみるとジョーブログやDJ社長などと一緒に映っている動画がアップされている。有名になるためにめちゃくちゃ足を使って交通費がなかったらヒッチハイクをして会いに行っている。ガムシャラとはこの事だと思う。彼は偶然「Breaking Down」のオーディションで目立ったのではない。必然で目立ったという事なのだ。
『BREAKING DOWN』オーディションを面白くする「試合時間1分」という見事な設定
放送作家の深田憲作です。 「企画倉庫」というサイトを運営している私が「あの企画はどこが面白いのか?」を分析し、「面白さの正体」を突き止めるための勉強の場としてこの連...サイゾー人気記事ランキングすべて見る
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