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竹内ズ解散…コンビ芸人が相方に不満を募らせ、不仲になる最大の要因とは?

竹内ズ解散…コンビ芸人が相方に不満を募らせ、不仲になる最大の要因とは?の画像1
プロダクション人力舎公式サイト」より

 ドランクドラゴンやおぎやはぎが所属しているプロダクション人力舎の若手芸人が解散を発表した。そのコンビは、あの「竹内ズ」だ。

 知らない方もいるかもしれないが、「水曜日のダウンタウン」(TBS系)で行われたドッキリ企画「不仲芸人対抗!スピード解散選手権」において、仕掛け人のがまの助さんが「解散でいい?」と切り出し、相方の竹内さんが「うん」と即答し、わずか10秒で解散が決定したことで話題となったコンビだ。もちろんその時はドッキリということで解散は踏みとどまったのだが、今回は本当に解散となってしまったようだ。

 人力舎は17日の夜、以下のコメントを発表した。

 「この度、弊社所属の『竹内ズ』が解散することになりました。今後については、竹内、がまの助、共に各々で芸人を続けて行きます。今まで『竹内ズ』のことを応援して下さり、誠にありがとうございました。今後のそれぞれの活動も応援頂けますと幸いです。また現時点で決まっているライブに関しては、全て出演致します。最後のライブまで『竹内ズ』を宜しくお願い致します」

 お二人とも芸人を続けるということなので、解散の理由として一番多い、どちらかが芸人を引退するというパターンではなさそうだ。

 事務所の発表に続いて、竹内さんとがまの助さんもTwitterで解散を報告。さらに当日の21時からYouTubeチャンネル「竹内ズ公式チャンネル」で生配信を行い、不仲が原因ではあるが衝動的な解散ではなく、マネージャーさんを交えた話し合いの末、納得した形で円満に解散することになったと説明した。

 この動画の中で「話し合った」や「円満に」という言葉は出てくるのだが、同時に「結局不仲」や「不仲は不仲なんですけど」などの言葉も出ており、結局不仲が原因で解散することとなったようだ。

 「水曜日のダウンタウン」がきっかけで仕事の幅や量、知名度が多少変わったように思えたが、それでもコンビ間の溝を埋めるだけの力はなかったのだろう。昨年10月には「ネタ中にマジで殴り合いをしてしまいました」という動画を投稿し、本気かボケかわからないが、ネタの途中から取っ組み合いをする模様が映し出されていた。それを見る限り仲の悪さは健在であり、今回の解散発表はさほど驚くものではなかった。ネット上でも「嘘から出たまこと」「おめでとう」「これに関してはあまり驚きがない」など普通の解散発表とは違う声が上がっていた。

 同じ「水曜日のダウンタウン」の企画になるが、今年の2月に「オフの相方を爆笑させるの難しい説」というものがあった。これは仲が良い、普通、悪い、すごく悪い、とされるコンビをそれぞれ楽屋で2人きりにして、仕掛け人側が30分以内に相方を爆笑させられれば成功というもの。

 これに「悪い」で登場したのが、キングオブコント2017でファイナリストになった男女コンビ「パーパー」さん。「すごく悪い」は『THE MANZAI2013』の決勝で『肘神様』というネタを披露し、全国区の人気を得た「流れ星☆」さん。両コンビとも不仲で有名なのだが、この企画中の楽屋の空気はとんでもないものだった。

 「パーパー」さんの方は2人きりだが会話のひとつもなく、仕掛け人である「ほしのディスコ」さんはその空気に耐えられず、演技ではなく本当にギブアップ寸前まで追い詰められていた。結局ほしのさんは相方の「あいなぷぅ」さんを笑わせることが出来ずタイムオーバーとなってしまった。普段はお互い敬語で話しているようで、その辺りからとても深い溝を感じる。さらにネタばらしした後にあいなぷぅさんは「お前の笑い力は地に落ちたな。歌ばっかりやってる代償が」と、きつめのダメ出しをしたのだ。テレビを通してボケのように映る発言だが、たぶんあいなぷぅさんの本音であろう。

 そして「流れ星☆」さんの方は、「パーパー」さんのように一言も話さないというわけではなく、漫才のネタの修正を「たきうえ」さんの方から切り出した。すると仕掛け人の「ちゅうえい」さんは、たきうえさんから提案された修正点に納得がいかなかったようで、仕掛け人という立場を忘れ、投げやりな口調と態度で、口喧嘩のようなやり取りに発展してしまったのだ。最終的には事前に考えていた作戦で見事爆笑させることに成功したのだが、ちゅうえいさんのたきうえさんに対する嫌悪感が滲み出る結果となってしまった。

 コンビというのは、元々相手に対して「面白い」や「こいつとなら売れる」というポジティブな感情を抱いて組むことが多い。それが四六時中一緒にいることにより、相手の嫌なところが見えてきたり、家族のようになるので友達には言わないようなワガママを言ってしまったりする。そして最初は気にならなかった「どっちがネタを作っているか」問題が勃発したり、先述したあいなぷぅさんやちゅうえいさんのようにお笑い以外をしている相方に対して不満が溜まったり、様々な要因で溝が出来てしまうのだ。

 大抵のコンビは本当に仲が悪くなる前に何かしらの対策を練ったり、がっつりとビジネスパートナーへシフトチェンジしたりするものなのだが、それが上手くいかないと、仲をこじらせてしまい取り返しのつかないことになり、不仲になってしまうのだ。

 不仲になる要因は自分に需要が出てきて自信を持ち、相手へのリスペクトがなくなるというのが一番ではないだろうか。コンビのように最少人数で運命共同体となる形は珍しいパターンだが、これは会社単位や会社のグループ単位でも言えることで、まず自分と仲間を客観視し、自分が求められていること、自分以外が求められていること、自分にしか出来ないこと、自分以外が出来ることを明確にし、それを踏まえて一緒に仕事する人間への尊敬を常に持ち続けることが大切なのだ。

 貴方にしか出来ない事、貴方だから求められている事があるように、相手にしか出来ない事、相手だから求められている事がある。それを念頭において作業し、感謝の言葉を忘れなければ不仲になることはないだろう。

 それでも不仲になってしまうのなら、元々合わない人間だったということで「竹内ズ」さんのような結論を出すのが正しいだろう。

 「竹内ズ」さんは6月10日の朝10:30のライブが最後になるらしく、それまでの間に新ネタを披露するライブがあったり、自身のYouTubeチャンネルは残したまま、6月10日まで25夜連続でネタ動画を公開するなどかなりアグレッシブに“終活”を行うようだ。

 「竹内ズ」さんの最後を存分に楽しむとしよう。そして前に進むお二人に幸あれ。

檜山 豊(元お笑いコンビ・ホームチーム)

1996年お笑いコンビ「ホーム・チーム」を結成。NHK『爆笑オンエアバトル』には、ゴールドバトラーに認定された。 また、役者として『人にやさしく』(フジテレビ系)や映画『雨あがる』などに出演。2010年にコンビを解散しその後、 演劇集団「チームギンクラ」を結成。現在は舞台の脚本や番組の企画などのほか、お笑い芸人のネタ見せなども行っている。 また、企業向けセミナーで講師なども務めている。

Twitter:@@hiyama_yutaka

【劇団チーム・ギンクラ】

ひやまゆたか

最終更新:2023/05/20 07:00
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