シソンヌ長谷川が「気づけばテレビによく出ている」理由
#テレビ日記 #飲用てれび
シソンヌ・長谷川「客に媚びたお笑いやってるやつに、何言われても悔しくない」
コットン・西村が仕掛けた“喧嘩コント”に乗った長谷川は、怒りから自虐に転じたあと、あらためて怒りのボルテージを上げる。ここからコットンに対する長谷川の口撃は容赦ない。
「ホントに、コットンなんか1ミリも笑ったことないですよ」「俺が一番やりたくないお笑いやってるの、こいつらなんですよ」「大学生が派手な格好して立ってるだけです」「客に媚びたお笑いやってるやつに、何言われても悔しくない」
ある意味、むちゃくちゃ言ってる。ただ、言葉の鋭さに比して、険悪さはほとんどない。むしろ、言葉が鋭くなればなるほど、“喧嘩コント”の色合いを濃くするようにも見える。コットンに批判的なことを言うたびに、長谷川が「ごめんなさい。ごめんなさい」と卑下するような態度をとっていることも理由だろう。しかも、その「ごめんなさい」が、「本心で謝ってるわけではない」「ポーズで謝っておちょくってる感じ」というのが見る側に伝わるようなパフォーマンスで繰り出されるため、言葉の鋭さを中和しつつも対立構図の温度を維持する形になっている。
あるいは、「忍さんって、マジでシソンヌの補欠なんですよ」などと最初に西村から仕掛けられたとき、長谷川は立ち上がって指弾したりするのではなく、コメディっぽく椅子に座ったままジタバタした。こんな表現が、「これからはじまるのは、ある種の“喧嘩コント”ですよ」という印象を視聴者に刻んだのかもしれない。
いずれにしても、批判されて怒ったり、かと思うと自虐に一旦入ったり、でもちゃんと喧嘩の構図に戻したり。長谷川は一本調子ではなく場の状況を次々と変えていく。
そんな様子は別の番組、たとえば10日の『あちこちオードリー』(テレビ東京系)でも見られた。学生時代はどんなポジションだったのかと聞かれた長谷川は、「2.5軍くらい」と答えたうえで、若林正恭(オードリー)や平子祐希(アルコ&ピース)といった共演者と、次のようなやり取りをしていた。
長谷川「2.5軍くらい。お調子でなんとかなるタイプ」
若林「1軍に好かれてる人ね」
長谷川「1軍のフリできる」
平子「今も変わってねぇじゃねぇか」
長谷川「こういう3軍のやつらの前で偉そうにして」
自分の学生時代のポジションを「お調子でなんとかなるタイプ」「1軍のフリできる」と自虐気味に語ったあとで、アルピーや鬼越トマホークといったこの日のゲストを指して「こういう3軍の前のやつらで偉そうにして」と周囲を少し刺す素振りも見せる。
周囲がつくる流れに乗りながら、自分でも流れをつくっていく。打つ手も豊富で、ツッコミもやるし、ボケもやる。ゲストにアーティストを招いたMCもできるし、“おバカ”な出演者を回すクイズ番組のアシスタントもできるし、ひな壇に座って“喧嘩コント”もできる。なるほど、いろいろな番組に呼ばれるはずである。
気づけば、シソンヌの長谷川がテレビによく出ている。彼の場合、賞レースのチャンピオンになってから一気にブレイク、みたいなテレビの出方ではなかった。が、いつのまにか、知らず知らずのうちに、見る側がその正体をつかみ損ねているあいだに、という売れ方も、特殊なキャラがつかずにMCからアシスタントまで務め、ひな壇からリアクション芸までこなし、イジる側にもイジられる側にも回れる彼の仕事の幅広さにつながっているのかもしれない。
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