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シソンヌ長谷川が「気づけばテレビによく出ている」理由

シソンヌ長谷川が「気づけばテレビによく出ている」理由の画像1
シソンヌ長谷川忍(吉本興業公式サイトより)

 テレビウォッチャーの飲用てれびさんが、先週(5月7~13日)に見たテレビの気になる発言をピックアップします。

シソンヌ・長谷川「俺はシソンヌの客演です」

 気づけば、シソンヌの長谷川忍がテレビによく出ている。

 テレビに出るきっかけにはいろいろなものがあるはずだ。芸人であれば、今は賞レースで結果を残すのがメインルートだろうか。優勝までしなくても、ファイナリストになったり、M-1であれば準決勝まで進んだりすると、テレビ出演の機会は格段に増える印象がある。

 シソンヌは、2014年の『キングオブコント』(TBS系)の優勝者である。だから、長谷川がテレビ番組に多く出ているのは不思議ではない。ただ、優勝直後はまだしも、シソンヌがテレビに出演する機会はネタ番組やコント番組を除き減っていたように思う。もちろん、お笑いに興味がある人にとってシソンヌの認知度は一貫して高かったはずだが、そのこととテレビ出演の数が比例していたとは言い難い。

 それが最近、特に長谷川をバラエティで見る機会がゴールデンタイムも含めて増えている。賞レースで優勝し世間の注目を浴びたあと、しばらくしてからテレビで見る機会が増えたという意味で、あまりいないタイプの「気づけばよくテレビに出ている人」だと思う。

 なぜ、シソンヌ・長谷川はテレビによく出ているのか。その理由は、なかなかつかみにくい。

 露出が増えたきっかけは、ひとつは『有吉の壁』(日本テレビ系)への出演にあるのだろう。コントを主軸とする芸人にとって、同番組は重要なアピールの場だと言われたりする。シソンヌが世間的に認知度をあらためて高める場になったはずだ。ただ、『有吉の壁』での活躍と、『呼び出し先生タナカ』(フジテレビ系)などでのアシスタントや、『シソンヌ長谷川×○○のキマリ』(テレビ朝日系)でのアーティストをゲストに招いた番組のMCといった、「気づけば長谷川がよくテレビに出ている」という印象に結びつく活躍とのあいだには、少し距離がある気もする。

 では、その距離を埋めたのは何か。「気づけばよくテレビに出ている人」がいる場合、その理由はしばしば事務所のバックアップに求められる。あるいは、マネージャーの手腕みたいなところにも注目できるかもしれない。もちろん、一般的にそういう理由も少なからずあったりするのだろう。本人やコンビとしての志向や戦略みたいなのもあると思う。ただ、視聴者からは直接見えないそういう部分については、今回は触れないでおく。個々のケースによって状況は異なるだろうし、何より私はよく知らないし。

 なので、見えるところだけで考える。テレビに映っている長谷川は、番組のなかで何をしているのだろうか。

 たとえば、13日の『さんまのお笑い向上委員会』(フジテレビ系)。この日は、コットンの西村真二の「ダークな本性」を芸人たちが指摘する、みたいな回で、長谷川はひな壇のなかの1人だった。

 が、この回の主役の1人は長谷川だった。西村がその「ダークな本性」を露呈させながら「このなかで一番人気ないのは(シソンヌの)忍さんです」「忍さんって、マジでシソンヌの補欠なんですよ」などと指摘すると、長谷川は怒りの表情を浮かべ、地団駄というか、椅子に座ったままジタバタする。西村がつくる対立構図に、怒りという形で応える。

 ただ、そのような対立構図に乗りつつも、長谷川は少し自虐して見せたりもする。「シソンヌの補欠」と呼ばれた彼は言う。

「補欠じゃないですよ。俺はシソンヌの客演です」

 シソンヌの中心はじろうであり、自分は彼が主催する劇団に臨時で呼ばれているだけである。そんなコンビ内での立場を、長谷川は自分で少しイジってみせる。周囲からのイジりを、自分でさらにえぐってみせる。

 怒りから自虐へ。長谷川の揺さぶりは、さらに続く。

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