なぜお笑い賞レースの増加&細分化が止まらないのか?SNSでウケるネタ事情
#お笑い #SNS #馬鹿よ貴方は 新道竜巳
現在お笑い芸人がネタで参加する賞レースが増えに増えている。そしてその差別化も細かくされている。
結成15年以下の漫才のトップを決める「M-1グランプリ」、結成15年以上の漫才のトップを決める「THE SECOND」、芸歴15年以上の芸人が参加条件の「G-1グランプリ」、芸歴不問でコントのトップを決める「キングオブコント」、女性だけが参加できる「女芸人No.1決定戦THE W」、芸歴10年以下のピン芸人のトップを決める「R-1グランプリ」、芸歴10年以上のピン芸人のトップを決める「Be-1グランプリ」、芸歴5年以下が参加条件の「UNDER5 AWARD 2023」、25歳以下の芸人が出場条件の「UNDER 25 OWARAI CHAMPIONSHIP」、お笑いサークル団体戦「NOROSHI」、高校生だけが参加条件の「ハイスクールマンザイ」、社会人のみが参加できる「社会人漫才王」、どこにも所属してない芸人が参加できる「全日本アマチュア芸人No.1決定戦」。
規模の小さいものだったらまだまだある。特に関東での賞レースが目立って増えてきており、関東が増える事により地方でも増えつつある。何故そんなに賞レースが近年増えてきたのか。M-1グランプリの影響と言ってもいいが、キングオブコント、R-1グランプリは毎年視聴率に手を焼いているイメージが強い。予選チケットも即完売になるのはM-1グランプリのみで他の賞レースも埋まりはするが完売になるほどではない。要するに金脈があるわけではないようにも感じる。
さらにお笑いブームかと言われると、そこも首をかしげてしまう部分はある。賞レースはネタを本人が考えて作り、さらにエントリー料を払ってくれる。運営側は笑わせる事に関してはほとんど丸投げの状態といえる。そこで特に面白い芸人が勝ち上がり、質の高い者がテレビなどでネタをやれるわけだが、そこで話題にならなかったとしてもYouTubeやSNSで配信すると話題を呼ぶ事もある。
昨年のM-1グランプリのさや香の1st Roundのネタが1000万再生を超えるなど、4分くらいのものはSNSでも流しやすい。そしてジワジワ流行っている大喜利や一発ギャグなどもSNSで上げる尺にはちょうどいい。現代のSNS社会とお笑い芸人の表現が噛み合っているようにも感じる。
ということは、テレビや舞台でそこまでブームにならなかったとしても、次の手としてSNSで反響を呼ぶこともできるわけだ。お笑い芸人は短い時間で笑いを取る事に長けているので、ネタだけでなく他の色々な方法でもテレビとSNSの両方どちらかでハマりさえすれば栄光を掴むことはできる。
「水曜日のダウンタウン」の30秒のネタで争う「30-1グランプリ」も、まさに現代のお笑いのやり方そのものではないだろうか。短いものばかりが求められると、寄席等で活躍している芸人さんのストレスにもなりやすい中、THE SECONDはネタが6分尺でお客さんよりも芸人からの評判がいい。また、お客さん審査なのだが、なかなかお笑いフリークなお客さんが多いのでそこまで腑に落ちない結果になっていないのも評判がいい理由でもある。
そして大阪は元々賞レースが多く、現在でも変わらずある。大阪は吉本興業の芸人がほとんどで賞レースも吉本興業の芸人さん同士で戦い合う印象もあり、開催元も吉本興業が多い。そして吉本興業は賞レースで結果を出すとライブギャラが上がるというのもあり、意気込んでいる芸人さんは多い。なので大阪の賞レースもSNSを上手に使っていけば、東京で全く見ないがこの芸人はネタが凄い面白いと全国規模になってくる芸人もどんどん出てくるのだと思う。
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